「一夏の親子の思い出ムービーとしか思わない人もいそうだが、、、 淡く...」aftersun アフターサン ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
一夏の親子の思い出ムービーとしか思わない人もいそうだが、、、 淡く...
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一夏の親子の思い出ムービーとしか思わない人もいそうだが、、、
淡くて儚くて、繊細でエモーショナルな演出なんだけど、結構えげつない内容だし、メンタル整ってないと食らう人は食らうはず。結構危ういから今しんどい人は見ない方がいいかもしれない。
思いの外、うわ、、、な内容で後からジワジワ来た。明らかな匂わせが要所要所であって、たぶんそうだろうな〜って思っていると、クライマックスで数人泣いていた。彼が抱えているものが何とかハッキリ明示はされない。
娘視点で、わからないものはわからないままに
見たままを感覚的に描いているから対象に入り込むとか、過去のストーリーが説明的に挟まれるとかはない。故に分かりにくさはある。セクシャリティで悩んでいるのかとも取れなくもないが、はっきり描かれていないので断定は出来ない。
親が自分を産んだ年齢に来たり、越したりすると何かしら思うことはあるけれど、あの時の痛みが今になって分かることは、往々にしてある。わからない事実の亡骸だけが転がっていて、後から感情などの理解が追いついた時に、謎がゆっくり紐解けて、亡霊のように残像からストーリーが立ち現れるあの感じ。
あの時は分からなかったし、分かってはいけなかった、けど嫌でもわかる年齢に自分が追いついてしまった。分かりたくはなかったし、分からないままが幸せだった、永遠に記憶は記憶のままに冷凍保存で封じ込めて、思い出の解体はしたくない。そう思ってしまう自分には終始苦い感情体験だった。
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