「宇宙船地球号」流転の地球 太陽系脱出計画 レントさんの映画レビュー(感想・評価)
宇宙船地球号
クリックして本文を読む
かつての東宝の空想科学映画を彷彿させるロマンあふれる作品。特に本作は「妖星ゴラス」をリスペクトしていて見ていて楽しい。どうせなら怪獣マグマも出してほしかったな。
理論上は可能とされるスラスターによる天体の軌道変更。本来なら移民船による地球脱出の方がより現実的ではあるが、地球を丸ごと宇宙船にしてしまう発想にはやはりロマンを感じる。
物語としてはデジタル生命体賛成派がなぜ移山計画を阻止しようとするのがわからなかった。人間の意識をデジタル化して生きながらえるにしても相応の設備が必要なわけで、太陽系が消滅するような事態では、太陽系から脱出する計画を邪魔する理由は見当たらない。戦闘シーンを描きたいがために無理くりに作った感じがする。
あと前半のラブコメチックな演出には参った。全編こんなノリの作品なのか、これは本作の鑑賞したのは失敗だったと思ったが、アンディ・ラウが出てきてからはガラッと変わって安心した。客層を広げるためとはいえあれはほんと勘弁してほしい。
ラウが死んでデジタル生命体となって娘と再会するシーンは予想していてもほろりとさせられた。あそこは本作での白眉だった。
さすがに製作費かけただけあってCG映像のクオリティーは高い。ただ既視感があるのは否めないが。メカのデザインはよかった。特に足だけのゲートロボットの万能っぷりと軍用犬ロボットがとてもかわいかった。
過去のSFディザスタームービーの寄せ集めであり焼き写しといえなくもないが、東宝特撮映画に幼い頃はまっていた人には楽しめる作品だと思う。前作は未鑑賞だが、本作単体で見ても何の問題もない。
コメントする