「キャラクターが薄いせいでドラマも薄い」デスパレート・ラン つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクターが薄いせいでドラマも薄い
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ほとんど電話だけで物語が展開する作品は、一昔前ならばそれだけで斬新だった。しかし今となっては、似たような作品がそこそこある。つまり「電話だけ」ではもう観ている側の心を掴めない。電話だけで何をするのかが重要になる。
本作は、高校の銃乱射事件の顛末をスマホだけで追う物語である。
息子が巻き込まれている「かもしれない」。そこから派生して、息子が犯人「かもしれない」そんな絶望感に陥っていくドラマだ。
こう書くとちょっと面白そうに思える。しかしイマイチ乗れないのだ。
というのも、主人公エイミーや、その息子についての描写がほとんどなく、どうやら父親(夫)を最近亡くしたらしいことしか分からない。
つまり、キャラクター性が極端に薄いせいで、エイミーに対して何らかの感情を抱くのが難しいのだ。
同情、応援、なんでもいい。なんならエイミー自身ではなくその向こうにある事件に対する切迫感でもいい。そういった感情が観ていてもが中々出ない。
作品としてはあまり面白かったとは言えないけれど、ほとんどのシーンが一人で走るだけだったナオミ・ワッツは頑張っていたように思える。しかも半分は森の中だしね。
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