「battery」デスパレート・ラン ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
battery
画面上で物語が展開するというのはなんだか「search」に似てるなと思いましたが、「search」が完全に画面しか映さない作品だったのに対して、今作はスマホの通話機能をフル活用して事態を把握していくという感じの作品でした。二番煎じだったらどうしようと思いましたが、そこが回避できて良かったです。
エンドロールを除けば80分くらいの丁度いい尺の作品だったのでそこも評価できるなと思いました(その一個前に観た「MEMORY」で疲れ切っていたので)。
スクリーンにはナオミ・ワッツの走りが常に流されます。セリフ量もとんでもないですし、カットしているとはいえ走りながらの演技、怪我の演技も込みで演じられているのが凄かったです。とんでもない集中力が要求される演技をやってのけたナオミ・ワッツには称賛しかありません。
主人公が何かしたわけではなく、事件の傍観者にはなりたくなかったのか、息子の安否を知りたいがためなのか、周りの人達優しくて的確に情報を掴んでいるのに、主人公は喚いてるだけなのはちょっと残念でした。
折角なら「search」と被りはしますが、画面上や通話の中から事件解決の糸口を見つけるような展開に進んでいけばよりスリルを楽しむ事ができたのに、そこに繋がらなかったせいか主人公に魅力は感じませんでした。なんなら息子を危険に晒すという中々なやらかししちゃってますし。
じっとして色々待っていたらもっと簡単に事件現場へ行けたはずなのに、めっちゃ動き回りますし、それでいて足首捻ったり、頭ぶつけたりとドジをこくので、何回も落ち着け!と心の中で叫びました。
犯人の動機もイマイチなもので、過去の復讐?的な感じだと思いますが、人を殺して立て篭もるほどの動機には思えませんでしたし、個人情報サラッとばらされましたし、色々と警戒薄すぎるんじゃないかと何回も思ってしまいました。
事件自体は解決できて、息子とも再会できたので結果オーライでしたが、もう少し登場人物に魅力が欲しかったかなと思いました。尺はちょうど良いですし、ロケーションは綺麗でしたし、ナオミ・ワッツが美しすぎました。なんだか惜しい感じのワンシチュエーションものでした。
鑑賞日 5/16
鑑賞時間 14:40〜16:15
座席 A-2