パリタクシーのレビュー・感想・評価
全202件中、141~160件目を表示
ハートウォーミングな佳作
少しエグい内容もあったりするのだが、全体的には柔らかい雰囲気に包まれた作品。
松竹は年に数本フランス映画を買い付けてくるが、久々の「見て良かった」と思える一本だった。
しがないタクシードライバーと老い先短い老婆の乗客との車内でのやりとりがメインなのだが、マドレーヌ役のリーヌ・ルノーとシャルル役のダニー・ブーンとがそれぞれの人生模様を膨らませて物語に厚みを持たせてくれている。
(パリという街が情感を与えているというのもあるのだろうが・・・)
二人が短い旅を終え、施設で別れる際には思わず、ほろっと来た。
日本版を制作するとしたら、シャルル役には安田顕か毎熊克哉、マドレーヌ役には宮本信子か松坂慶子、若き日のマドレーヌ役に井上真央か蒼井優といったところか?
そんな想像もしてしまうくらい心に残る一本だった。
そして最良の時へと帰っていく
壮絶な経験しながら、なぜこの様に美しく聡明にいられるのか。ベトナムから戻った息子との二人きりの時間に何を語り合ったのだろうか。いろんなことを考えてしまう。
本人から語られることはないが、現在と過去のマドレーヌが手を取り合うシーンから、自身に恥じることのない後半生を歩んできた事が伝わってくる。
そんな彼女が女性警官と話し、シャルルを免停から救うシーンはとても象徴的。
マドレーヌは、きっと愛想の良い女性ではないと思う。どちらかといえば気難しい頑固者。しかし、マットを思い出すときの少女のような表情、輝く瞳は最高にキュートだ。
最後、整えられた身だしなみでベッドに上がりライトを消すマドレーヌ。音楽に合わせてマットと幸せそうに踊り続ける。
深い孤独を抱えつつも強くあろうとする意志の力で美しく生き抜く、そんな姿に胸を打たれた。
………
追記20240310
マドレーヌ自身も、彼女の父と息子も典型的なフランス人闘士。その歴史を、現代フランス人の代表とも言えるシャルルに伝える形で、監督はフランス人らしさ、誇りを託そうとしたように思える。
いやはや。
パリの車窓から
パリ市内ロードムービー
一期一会‼️❓終わり良ければ全て良し‼️❓
他人の評価が高いので、遥々遠くまで観てきました。
昔はこんな差別が極端にあるのだフランスは、今も人種差別が深刻ですが。
昔も今も、映画の中のパリは綺麗です、本当は汚いそうですが。
この映画のドライバーはコメディアンで、老婆はオペラ歌手で、なおかつ役と同じくらいの年齢だそう。
懐古する映画ですが、古き良きではなく、悲惨な家庭内暴力と壮絶なる人生、良い思い出もあるけど、昔の老婆が美しいパリジェンヌ、で、それだけに痛々しい。
子供が死んでからの五十年はどうしていたんだろう、そんなのは関係ないのだろう。
タクシードライバーと老婆の出逢いは、宿命とゆうか、人生の縮図とゆうか、神様のいたずらとゆうか、走馬灯の様に回想する老婆につきあうドライバーの人の良さが、人間捨てたもんじゃない、そう思わせてほのぼのしました。
結末は、心を揺さぶられるものがありました、ありがとうございました😊😭
巴里の町並みが美しい。そこが一番の映画かも。
かけがえのない瞬間
最近「観たい映画」の公開が渋滞気味で、劇場鑑賞のための作品選出や、スケジュール調整に苦心する週が少なからずある今日この頃です。
本作は先週公開の作品ですが、事前に観ていたトレーラーからの印象は「だいたい予想がつく展開」と想像し、配信でもよいかと思っていました。ところが、映画レビューサイトを様子見していると1週目の評価はかなり高い。考え直し、2週目の雨の土曜日に角川シネマ有楽町の午前中回に向かうと、そこには予想を超える賑わがありました。なお、年齢層はやはり高めです。
で、観た感想ですが、展開そのものは事前の予想通りですね。フォーマット的にはよくあるパターンですが「ここまでの評判」は何と言っても(現在の)マドレーヌを演じるリーヌ・ルノー。御年92歳(現在は94歳)には見えないの美しさと、チャームが溢れていて素敵です。そして、作品内で語られるマドレーヌの壮絶な過去と、シャルル(ダニー・ブーン)と打ち解けていく距離感の変化に共感しながら、誰しもが心奪われる終盤は周囲で鼻をすする音があちらこちらで。私もシャルル目線で想像しつつ、ついついマドレーヌに亡き母を重ねて見てしまって鼻の奥がツンと痛みました。そして、何と言ってもの最大の見せ場であるエンディング、若きマドレーヌの「かけがえのない瞬間」を結末にもってくる(いい意味で)抜け目のなさに「参りました」と言わざるを得ません。
まぁタイプ的には「映画館でないと」という作品ではありませんが、それでも賑わいを感じる劇場の様子に、徐々にですがコロナの影響が減少してきた実感が湧いた雨の土曜日でした。
パリって日本車少ないのね。
46歳の無口系のタクシー運転手のシャルルは、厳しい生活をおくっていた。そんなある日、お客で乗ってきた92歳の婆さんマドレーヌ。自宅を売却し施設に引っ越す為にタクシーを利用だって?東京だと江戸川から練馬って感じかな。荷物はスーツケース1つなので普通の人はバスか電車だよね。こりゃ超金持ちの元芸能人だなって想像。移動中、マドレーヌは思い出話を続けまくる。この映画、タクシーの中と回想シーンがほとんど。寄り道してタクシーを降りるのも回想シーンの為。あら?芸能人として有名なんじゃなくて、こんな裁判で?マジか!最近フランスのデモのニュースが流れてるけど、この裁判中も市民が集まってる。これってフランスの国民性なのね。
それにしても、予想外の悲しい流れ。前半楽しい感じだったのに後半はウルウルしっぱなし。最後なんて、声漏れちゃいそうなくらいでした。あぁ〜、だからタクシーだったのね。人生いろいろあるけど、思い出は幸せだね。
温かい気持ちになる。パリの街並みが美しい。
予想に反して女性解放(ウィメンズ・リベレーション)運動の歴史と多様な結婚の背景だろうか?
終活とパリでの恋の変遷なんだろうと思っていたらウーマンリブの歴史ではないか?
それにしても、
GIはフランスでも私生児を大量産出していたとは気が付かなった。
ラストの締めにもう一つ粋なところがないのが単なるパリタクシーで終わってしまって残念だ。
終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、
彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく姿を描いたヒューマンドラマ。
無愛想なタクシー運転手シャルルは、
金も休みもなく免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。
そんな折、彼は92歳の女性マドレーヌをパリの反対側まで送ることに。
終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼する。
彼女が人生を過ごしたパリの街には多くの秘密が隠されており、寄り道をするたびに、マドレーヌの意外な過去を語りだす。
そしてそのドライブは、
いつしか2人の人生を走馬灯の様に思い出が廻り始める。
フランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノーがマドレーヌを演じた。
シャンソンと言うより英語で歌うのでJAZZの様に思えるのだが…
^^
非の打ち所がない。無理やりイチャモンつけるとしてもタイトルくらい。
非の打ち所がない!
90分とコンパクトにまとめられていて全く無駄なシーンがない。
無駄を全て削ぎ落とした90分は映画大好きポンポさんのジーン監督の編集を思い起こさせる。
万人に愛される作品とはこういうことなんだ。
全てのセリフと映像が意味を持つシーンであり、パリの風景と共にちょっとビターなおばあちゃんの過去とタクシー運転手の今のお悩みが交錯。
パリに行ったのは大学生の時だ、懐かしい思い出も蘇った。当面パリにはすぐ行けないから観光気分まで味わえたのもよかった。
運転手がホームからの催促電話を無視してディナーに誘うシーンあたりからはウルウルが止まらない。
ホームに送り届けてから、戻る時の風景がまた切ない。
人生はオレンジとはちみつ味のキスから、介護施設まであっという間なのかもしれない。
一日一日を自分らしく生きることの大切さを感じたし、人生の酸いも甘いも知り尽くしたチャーミングなおばあちゃんを見ていたらクソ真面目に生きなくてもいいんだ、人生を存分に楽しもう!と思えた。
フランス人女性って日本と違って若くないと価値がないなんてことはないんだな。
今日は本当にいい映画に出会えて良かった。
ラストでダンスシーンがもう一度出てきたのも良かったなー。
人は3ヶ月のいい思い出があれば辛いことがあっても生きていけるんだなあ!
演劇でも観てみたいし、日本版も観てみたい。
まあ、草笛光子さんにやる気があれば。
とんでもない余韻に浸ってしまって
「ちょっと元気になれる映画」と思ってみたら、とんでもない大作 コーヒーブレイクのつもりが、フルコースを味わったような、コミカルな予告編に裏切られた、それでいて宝物をみつけた、という気持ち 皆さんのレビューに私も同感です 男尊女卑という考え方も日本に住んでいてその歴史は理解していても、平等・博愛・自由のトリコロールカラーに彩られたフランスには、そういったものを中世に勝ち得てきた歴史があって、そんな封建思想はとっくに現代には存在しない物だと思ってきた ナチスのこともヨーロッパの歴史ではあるけれど、「過去」のものであって今時フランス人の心には存在しない物と思っていた
2人のタクシーでの語らい、パリの景色を楽しむ以前に、今もフランスの人々に残る「解放」までの苦しみに触れたことが、とてもよかった 短い作品であるがゆえ、結末に近づくことがとても苦しく、二人の幸せを願ってやまない展開であったが、どのような人生であっても、とんでもない「出会い」があり、些細な会話ややりとりが人を幸せにするという可能性に満ちていること、信じてみたくなる余韻に浸っています (4月13日 MOVIX京都 にて鑑賞)
人と人との出会いの温かさを感じさせてくれる
上品で温和なマダムの風貌から、その人生も、明るく朗らかなものだったのだろうと想像していたら、思いのほかヘビーな話になって、少し戸惑った。
マダムは、女性の権利が認められておらず、DVという概念すらなかった時代の社会規範の犠牲者とも考えられるが、それにしても、その人生は悲惨すぎるのではないかと感じてしまった。
彼女が、女性運動の一つの象徴として、それなりに満たされた後半生を送ることができたといったこともきちんと描かれたならば、もっと救いも感じられたのではないだろうか?
その反面、映画全体の印象が軽妙で温かく、後味も爽やかなのは、なんと言っても、運転手とマダムを演じた2人の俳優の功績だろう。
ラストの展開は、完全に読めていたものの、思わず涙が出てしまった。
人生の最後に
無愛想でイラつきがちなタクシー運転手のシャルルが、パリの反対側の老人ホームへ92歳のマドレーヌを送り、車中の会話を通し仲を深めていくホッコリ物語。
本作、かなり評判が良いみたいなので期待を胸に鑑賞!!
ただでさえイライラする状況の中、やたらに話しかけてくる客のマドレーヌに戸惑いつつも、その話に引き込まれていき…。
終始、とにかく温かな作品でしたね。
崖っぷちのシャルルが、思いの外壮絶な人生を送ってきた様子のマドレーヌの話を聞き、共に悲しんだり勇気づけられたり…この無愛想なシャルルから共感を引き出すとはマドレーヌ恐るべし!
それだけ、彼女の話には深い物語がありましたね。まさかの13年。それがやっと終わったと思ったら…まぁマチューの立場もわかるがやるせない。。そして更に…。辛すぎる。。
そしてどうでも良いが、クリスマスと新年ってだいぶ近いですね…もう少しバラけさせてあげて。まぁ、まとまってる方が良い人もいるでしょうが。
人生は不思議なもので、どれだけ一緒にいても解り合えない人も居れば、たった1日だけで大切な人になることも。長さよりも深さとはよく言いますけどね。
ワタクシ自身も、幸せに締めくくれるような出会いがあれば良いなぁ。
そんなことを思わせてくれた作品だった。
乗り越えてきた過去が今に繋がっていて
パリをドライブしながら回想される過去は、今の社会につながっていて、今、面している問題は、今行動することで、より良い明日へ繋ぐことができるというメッセージが込められていると思いました。
マドレーヌおばあちゃんが、とにかくかっこよすぎです!
一期一会
全202件中、141~160件目を表示