パリタクシーのレビュー・感想・評価
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巴里の町並みが美しい。そこが一番の映画かも。
かけがえのない瞬間
最近「観たい映画」の公開が渋滞気味で、劇場鑑賞のための作品選出や、スケジュール調整に苦心する週が少なからずある今日この頃です。
本作は先週公開の作品ですが、事前に観ていたトレーラーからの印象は「だいたい予想がつく展開」と想像し、配信でもよいかと思っていました。ところが、映画レビューサイトを様子見していると1週目の評価はかなり高い。考え直し、2週目の雨の土曜日に角川シネマ有楽町の午前中回に向かうと、そこには予想を超える賑わがありました。なお、年齢層はやはり高めです。
で、観た感想ですが、展開そのものは事前の予想通りですね。フォーマット的にはよくあるパターンですが「ここまでの評判」は何と言っても(現在の)マドレーヌを演じるリーヌ・ルノー。御年92歳(現在は94歳)には見えないの美しさと、チャームが溢れていて素敵です。そして、作品内で語られるマドレーヌの壮絶な過去と、シャルル(ダニー・ブーン)と打ち解けていく距離感の変化に共感しながら、誰しもが心奪われる終盤は周囲で鼻をすする音があちらこちらで。私もシャルル目線で想像しつつ、ついついマドレーヌに亡き母を重ねて見てしまって鼻の奥がツンと痛みました。そして、何と言ってもの最大の見せ場であるエンディング、若きマドレーヌの「かけがえのない瞬間」を結末にもってくる(いい意味で)抜け目のなさに「参りました」と言わざるを得ません。
まぁタイプ的には「映画館でないと」という作品ではありませんが、それでも賑わいを感じる劇場の様子に、徐々にですがコロナの影響が減少してきた実感が湧いた雨の土曜日でした。
パリって日本車少ないのね。
46歳の無口系のタクシー運転手のシャルルは、厳しい生活をおくっていた。そんなある日、お客で乗ってきた92歳の婆さんマドレーヌ。自宅を売却し施設に引っ越す為にタクシーを利用だって?東京だと江戸川から練馬って感じかな。荷物はスーツケース1つなので普通の人はバスか電車だよね。こりゃ超金持ちの元芸能人だなって想像。移動中、マドレーヌは思い出話を続けまくる。この映画、タクシーの中と回想シーンがほとんど。寄り道してタクシーを降りるのも回想シーンの為。あら?芸能人として有名なんじゃなくて、こんな裁判で?マジか!最近フランスのデモのニュースが流れてるけど、この裁判中も市民が集まってる。これってフランスの国民性なのね。
それにしても、予想外の悲しい流れ。前半楽しい感じだったのに後半はウルウルしっぱなし。最後なんて、声漏れちゃいそうなくらいでした。あぁ〜、だからタクシーだったのね。人生いろいろあるけど、思い出は幸せだね。
温かい気持ちになる。パリの街並みが美しい。
予想に反して女性解放(ウィメンズ・リベレーション)運動の歴史と多様な結婚の背景だろうか?
終活とパリでの恋の変遷なんだろうと思っていたらウーマンリブの歴史ではないか?
それにしても、
GIはフランスでも私生児を大量産出していたとは気が付かなった。
ラストの締めにもう一つ粋なところがないのが単なるパリタクシーで終わってしまって残念だ。
終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、
彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく姿を描いたヒューマンドラマ。
無愛想なタクシー運転手シャルルは、
金も休みもなく免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。
そんな折、彼は92歳の女性マドレーヌをパリの反対側まで送ることに。
終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼する。
彼女が人生を過ごしたパリの街には多くの秘密が隠されており、寄り道をするたびに、マドレーヌの意外な過去を語りだす。
そしてそのドライブは、
いつしか2人の人生を走馬灯の様に思い出が廻り始める。
フランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノーがマドレーヌを演じた。
シャンソンと言うより英語で歌うのでJAZZの様に思えるのだが…
^^
非の打ち所がない。無理やりイチャモンつけるとしてもタイトルくらい。
非の打ち所がない!
90分とコンパクトにまとめられていて全く無駄なシーンがない。
無駄を全て削ぎ落とした90分は映画大好きポンポさんのジーン監督の編集を思い起こさせる。
万人に愛される作品とはこういうことなんだ。
全てのセリフと映像が意味を持つシーンであり、パリの風景と共にちょっとビターなおばあちゃんの過去とタクシー運転手の今のお悩みが交錯。
パリに行ったのは大学生の時だ、懐かしい思い出も蘇った。当面パリにはすぐ行けないから観光気分まで味わえたのもよかった。
運転手がホームからの催促電話を無視してディナーに誘うシーンあたりからはウルウルが止まらない。
ホームに送り届けてから、戻る時の風景がまた切ない。
人生はオレンジとはちみつ味のキスから、介護施設まであっという間なのかもしれない。
一日一日を自分らしく生きることの大切さを感じたし、人生の酸いも甘いも知り尽くしたチャーミングなおばあちゃんを見ていたらクソ真面目に生きなくてもいいんだ、人生を存分に楽しもう!と思えた。
フランス人女性って日本と違って若くないと価値がないなんてことはないんだな。
今日は本当にいい映画に出会えて良かった。
ラストでダンスシーンがもう一度出てきたのも良かったなー。
人は3ヶ月のいい思い出があれば辛いことがあっても生きていけるんだなあ!
演劇でも観てみたいし、日本版も観てみたい。
まあ、草笛光子さんにやる気があれば。
とんでもない余韻に浸ってしまって
「ちょっと元気になれる映画」と思ってみたら、とんでもない大作 コーヒーブレイクのつもりが、フルコースを味わったような、コミカルな予告編に裏切られた、それでいて宝物をみつけた、という気持ち 皆さんのレビューに私も同感です 男尊女卑という考え方も日本に住んでいてその歴史は理解していても、平等・博愛・自由のトリコロールカラーに彩られたフランスには、そういったものを中世に勝ち得てきた歴史があって、そんな封建思想はとっくに現代には存在しない物だと思ってきた ナチスのこともヨーロッパの歴史ではあるけれど、「過去」のものであって今時フランス人の心には存在しない物と思っていた
2人のタクシーでの語らい、パリの景色を楽しむ以前に、今もフランスの人々に残る「解放」までの苦しみに触れたことが、とてもよかった 短い作品であるがゆえ、結末に近づくことがとても苦しく、二人の幸せを願ってやまない展開であったが、どのような人生であっても、とんでもない「出会い」があり、些細な会話ややりとりが人を幸せにするという可能性に満ちていること、信じてみたくなる余韻に浸っています (4月13日 MOVIX京都 にて鑑賞)
人と人との出会いの温かさを感じさせてくれる
上品で温和なマダムの風貌から、その人生も、明るく朗らかなものだったのだろうと想像していたら、思いのほかヘビーな話になって、少し戸惑った。
マダムは、女性の権利が認められておらず、DVという概念すらなかった時代の社会規範の犠牲者とも考えられるが、それにしても、その人生は悲惨すぎるのではないかと感じてしまった。
彼女が、女性運動の一つの象徴として、それなりに満たされた後半生を送ることができたといったこともきちんと描かれたならば、もっと救いも感じられたのではないだろうか?
その反面、映画全体の印象が軽妙で温かく、後味も爽やかなのは、なんと言っても、運転手とマダムを演じた2人の俳優の功績だろう。
ラストの展開は、完全に読めていたものの、思わず涙が出てしまった。
人生の最後に
無愛想でイラつきがちなタクシー運転手のシャルルが、パリの反対側の老人ホームへ92歳のマドレーヌを送り、車中の会話を通し仲を深めていくホッコリ物語。
本作、かなり評判が良いみたいなので期待を胸に鑑賞!!
ただでさえイライラする状況の中、やたらに話しかけてくる客のマドレーヌに戸惑いつつも、その話に引き込まれていき…。
終始、とにかく温かな作品でしたね。
崖っぷちのシャルルが、思いの外壮絶な人生を送ってきた様子のマドレーヌの話を聞き、共に悲しんだり勇気づけられたり…この無愛想なシャルルから共感を引き出すとはマドレーヌ恐るべし!
それだけ、彼女の話には深い物語がありましたね。まさかの13年。それがやっと終わったと思ったら…まぁマチューの立場もわかるがやるせない。。そして更に…。辛すぎる。。
そしてどうでも良いが、クリスマスと新年ってだいぶ近いですね…もう少しバラけさせてあげて。まぁ、まとまってる方が良い人もいるでしょうが。
人生は不思議なもので、どれだけ一緒にいても解り合えない人も居れば、たった1日だけで大切な人になることも。長さよりも深さとはよく言いますけどね。
ワタクシ自身も、幸せに締めくくれるような出会いがあれば良いなぁ。
そんなことを思わせてくれた作品だった。
乗り越えてきた過去が今に繋がっていて
パリをドライブしながら回想される過去は、今の社会につながっていて、今、面している問題は、今行動することで、より良い明日へ繋ぐことができるというメッセージが込められていると思いました。
マドレーヌおばあちゃんが、とにかくかっこよすぎです!
一期一会
理不尽とそれに負けない(浸りきらない)美しさ
パリが好きで、パリの景色たくさん見れたらいいなと思い鑑賞。
マドレーヌの過去が想像を超えて壮絶すぎて、え…ってなったけど、
現在の彼女の様子を見てると、とてもそんな理不尽とか不幸な目に遭ったとは思えないような素敵なエレガントな女性で。
家を離れる日(自由な人生の終焉)に身に付けてた水色のスカーフが、舞台で仕事してた彼女をレイが迎えにきたときに身に付けてたスカーフに思えて、幸せなころの大切な記憶なのかな…
マットとマチューと幸せになれれば良かったのになぁ…
でも、家庭を持っていたマットへの恨み節もなく、手紙もすっぱり送るのやめたと言うから、
粘着質でなく、幸せを見いだす資質に富んだ人なのかも。
父から教わったという言葉ー怒れば老い、笑えば若くー
物事のポジティブな面に目を向ける性質を、親から得られた人は幸せだと思う。
そんな素晴らしい父の命を証するプレートの周りが、今や落書きやホームレスのテント?が張ってある場所になっているとは…
哀しかった。
でも、マドレーヌの不幸は、あんな方法を取ってしまった彼女にも因があるけど、
父はおらず、母からも離れ、幼い頃から社会に居場所を作れなかったマチューが可哀想で。
彼が自分で見出した道で、人生を断ち切られてしまったのが、彼に幸せと思える瞬間やそれを感じさせてくれる人がいただろうかと考えてしまって…
シャルルは、不安やストレスから普段は粗野な感じなのに、マドレーヌと話すうちに本来の優しい性質が戻って、観ていてうれしくなった。
彼のような、環境が良ければ穏やかに健やかに過ごせるであろう人が、仕事や環境に恵まれず、性格まで歪められるの、本当にどうにかならないのか…
最期はできすぎにも思えたけど、体調を崩して引き取ってくれる家族はなく、施設まで送ってくれる誰かもいないマドレーヌが、
人生の最期を素敵に過ごさせて良い思い出をくれたシャルルに自らの財を与えるのは理にかなっていると思った。
二人が再会できていたら。
マドレーヌがどれだけ喜んだだろうか。
人生は非情。
孤独な闘いの人生、最期にあんな素敵な出会いがあるならいいのにね。
最後、涙が流れました。
心温まる作品です
美しい風景に人生の喜びと悲しみを重ね、幸福な余韻が残りました。
フランスを走るタクシー映画と言えば、リユツク・べッソン製作・脚本の「TAXi」シリーズを思い浮かべてしまいますが、派手なカーアクションはもちろん一切なし。
かつてのフランス映画がそうだったように、パリという町には下町的な人情ものがよく似合います。本作も伝統にならい、人生の酸いと甘いを涙と笑いにくるんで見せてくれます。ゆっくりとした会話と車の流れに身を任せるうち、人生の奥深さや輝きをしみじみと味わわせてくれる逸品です。
金も休みもなくイラつき気味のシャルル(ダニー・ブーン)はパリのタクシー運転手。免停寸前で仕事を失いかねない人生最大の危機を迎えていました。もし違反して警察に捕まったら、最愛の家族にも会わせる顔がありません。
気が荒く、客にも悪態をつくシャルルでしたが、そんな彼のもとに偶然、あるマダムをパリの反対側の大通りまで送るという依頼が舞い込みます。92歳のマダムの名はマドレーヌ(リーヌールノー)。自分の屋敷を引き払い、介護施設に入るというのです。終活に向かう彼女はシャルルにお願いをする、「ねぇ、寄り道してくれない?」。
彼女の求めで、パリの町を巡っていきます。人生を過ごしたパリの街には秘密がいっぱい。寄り道をする度、並外れたマドレーヌの過去が明かされていきます。そして単純だったはずのドライブは、いつしか2人の人生を大きく動かす驚愕の旅へと変貌していくのでした。
エッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ大通り、ヴァンドーム広場など、日本人にもなじみの場所がゆったりとしたカメラワークで映し出されていくと、観光客になった気分で楽しめます。でも、マドレーヌがたどる場所はそれだけではありませんでした。
「ナチスによる銃殺の地」と記された碑のある場所、劇場があった大通り、かつての監獄、裁判所……。思い出の場所に差し掛かる度に、マドレーヌは自身の過去を回想し、シャルルに語かけるのです。
タクシーによる旅は、彼女にとっては時間旅行でもあり、高齢の身にとっては、観光気分どころではなく、かけがえのない旅なのでした。
母と息子ほどの年の差がある2人の“旅”はどこにたどり着くのでしょうか。マドレーヌが語る過去は壮絶で、終活や家庭内暴力、女性差別といった重いテーマを盛り込みつつ、説教臭さは皆無です。それは現代人に無縁でない問題もはらんでいると思います。なのに、本人は凜として品がいいのです。だからこそそんな彼女が夫のDVに耐えかねて、予想外の反撃に出るシーンは衝撃でした。
そんな想像以上の過酷さに満ちたマドレーヌを知ってしまうと、シャルルでなくとも、悲しみを克服した彼女に親愛の情が湧くはずです。客に媚びないシャルルが、思わずディナーに誘ってしまうのも納得でしょう。美しい風景に人生の喜びと悲しみを重ね、幸福な余韻が残りました。
今年95歳になるというルノーとブーンの好演で、年の差を超えたランデブーに同伴した気分を味わえることでしょう。
だんだんと柔和になっていくシャルルの表情(笑った方が素敵)。ドライ...
予想は出来ても
品のある老女とタクシードライバーの会話劇なんだけど、最後まで見飽きる事欠く、ラストは大方予想は出来ても静かに涙を溢してしまうような素敵な作品でした。
結構辛いシーンもあるけど、それよりもふたりのタクシーでの道中の穏やかなシーンの方が印象に残るので全然重い気持ちにならずに劇場を後にできる。
(それにしても悪いやつってのは大抵人相に出ちゃってるからこいつヤバそうって予感は嫌な意味で裏切らない。当時の女性達の生きづらさを思うと胸が苦しくなる)
短い時間なのにマドレーヌによってシャルルが少しずつ変化していくのがとても自然に描かれていてとても優しい気持ちになれました。
素直に観て良かったと思える作品。
マドレーヌのように穏やかに若々しくいたいので
怒りではなく笑顔を大事に生きていけたらいいな
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