パリタクシーのレビュー・感想・評価
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フランスらしい、粋で素敵な90分
いろんなお客さんを乗せる、タクシーの話?
と思ったら。
92歳の老婦人が、終の住処・老人ホームへの長距離を依頼。
彼女とタクシー運転手、2人の話。
なるほどね。
最初は「ただの客」としか接していない運転手が。
老婦人の波瀾万丈すぎる話や、思い出の地に寄りながら進む道。
この老婦人が、ヨボヨボ(失礼)っぽいのに味があり。
素敵だなあ。一緒にタクシーに乗っている気分。
2人の距離が最終的に縮まったのがわかるシーン。
最初は後部座席だったのが、最後は助手席に。
人の友情は長さじゃない、密度。ラストもほろり。
それでもいいんです
貧乏暇なし、免停寸前の46歳のタクシー運転手シャルル。92齢のマドレーヌを老人ホームに送るよう依頼される。シャルルは、彼女の思い出の地へ寄り道しながら、その歩みを知る。マドレーヌは、かつてセンセーショナルな事件の当事者であり。
最初は古くて様々な思い出を語っていたが、その事件と後の苦難に驚きました。そして、ユーモアのさじ加減もいい。結末は予想できたけど、それでも感動、涙しました。
92歳のマドレーヌ役は、94歳のリーヌ・ルノー。素敵なおばあさんです。フランスの草笛光子か。
人間って人間によって変わる。
予告編だけでも人間の心を変えていく映画だと思って、観たかった。
昨日、暑さを凌ぐため、図書館へ行って新聞を読んでいた。ふとDVDの棚を覗いたらこれがあったので借りてきた。
たくさんの人が私も同意するレビューを書いているから、私は他のことを書こう。映画についていた、チャック・ローズ(Chuck Rose)のインタビューでクリスチャン・カリオン監督は(映画を米国でリーリースする前のインタビューだと。2021年−2022年だと察する)フランスでのDVは10年前でも公表することは、タブーであったと。そして、この映画は1950年の時代だから、『女は何も言えなかった』と。この映画の世界は現実だったようだ。
監督がこの車でのシーンはスタジオセットだと。
パリの風景を空から、前方後方側面から前もって取っておいて、役者たちは車の中で演技をしていて、それを合わせてったらしい。(言葉を知らないのでこんな言い方をしているが、映画撮影に詳しい人は訂正してほしい)私はパリのあちこちで車を運転して撮影したものかと思っていた。スタジオセットという違和感がなく、この話を聞いてからもそうなんだという感じ。
好きなシーンの一つは:
食事をしたあと、パリの街を車まで歩くシーンである。これが好き。なぜかというと、マドレーヌの後半の人生にこのような人がいなかったから。それに、このようなチャンスがなかったかもしれないから。
マドレーヌ(リーヌ・ルノー)「腕を取っていい。(腕をかして)」
シャルル(ダニー・ブーン)「喜んで。」
マドレーヌは息子がベトナム戦争でなくなって以来、女性人権運動に取り組んだようだ。息子が
マドレーヌが監獄に入っている間、世間からの誹謗中傷で苦労したことをマドレーヌに
いうが、マドレーヌはあたかも母親や息子の苦しみを理解せずに、弁護士になる道に進まなかった息子に失望していたように見えた。息子に対する謝罪の意味でも、DVから女性解放の道を進んだように私には見える。
あと、まず映画を観る前に、映画の試写を観たが、マドレーヌがレイと結婚していた時代にいっさい触れていないので、映画のストーリーを少し勘違いしていたようだ。
巴里の空の下‼️
施設へ入居する老婦人マドレーヌと、施設まで送り届けることになったタクシードライバーのシャルル‼️老婦人の思い出の地を巡りながらのタクシーでのドライヴ‼️美しいパリの街並みと老婦人が語る自らの人生の風景は美しいのだけど、老婦人が語る己の人生は凄惨で、映画はパリの街並みの美しさと人生の厳しさを対比させながら、二人のささやかな心の交流をロードムービーとして描いています‼️主演の二人がホント魅力的で、特にマドレーヌを演じたリーヌ・ルノーさんは世界最高の94歳(撮影当時)ですね、絶対‼️自らの人生を語る老婦人の嬉しさ、悲しさ、怒りを秘めた表情、見事でした‼️そんなマドレーヌの話を聞いて、自らの人生を見つめ直すシャルルと、そんなシャルルに当てたマドレーヌの最後の手紙‼️目頭が熱くなりました‼️
だから人生は素晴らしい
92歳の老婆のなんと魅力的なことか。有名なシャンソン歌手とのことでしたが、単なる演技であれだけの人物を演じられるとは思えません。人生の年輪のなせる表現なのでしょうね。
運転手は『フランス特殊部隊RAID』でヒロインの上司のち彼氏を演じた人。コメディアンだそうですが、表情の変化が絶妙でした。
作品については一言だけ、
「この映画に出逢えてよかった!」
ありがとうございました。
街と思い出
東横インのVODで『アイス・ロード』に続けて鑑賞。
タクシードライバーの男性にも老婦人にも、人生で嬉しいこと、辛いことが色々とあった。そういった思い出がパリの街と密接に結びついているのが、あの場所で〇〇をしたと語る2人から伝わってる。パリの街は2人にとっての人生そのものと言ってよい。思い出は、歳をとればとるほど重みを持つのが、老婦人の語りから感じられる。
街と思い出は密接に結びつくからこそ、彼女は旅に出ることを勧めている。あの時あの街にいてあんなことをしたと、後から振り返る時間をたくさん持てることが、人生を豊かにしてくれるだろう。そのように思える深みのある映画だった。
老婦人による真心のこもった手紙は泣けた。
尊大。
非支持。
二人の尊大に引く。
身綺麗な老婦人でも駄目。
老健施設入所時刻遅参で所員に残業を課す尊大、
物語の為に施設は杓子定規な悪所と解するなど。
往年の女性運動の旗手だった故の?傲慢な時代錯誤は見過ごせぬ。
米国の男が好きだからリベラルな正義か?
三宅隆太氏推薦作だが。
ヘイタクシー
今年はパリオリンピック
乗客として乗った終活する92歳のマダムマドレーヌと
無愛想な金のないタクシー運転手シャルル
この2人がパリの街を、トレビア〜ンな音楽と素敵な景色と一緒に彼女の人生をめぐるヒューマンドラマです。
1人の女性の人生をタクシー車内で語り尽くすことはできないけど、僕も語り尽くせないほどの人生をこれから積み上げていきたい
タクシー運転手と客との思いがけない出会い
いくつかのタクシーにまつわる映画作品のうち、『人生タクシー』というイランの作品は、客が入れ替わり立ち替わるので、全く異なる。私自身は、障がい者の福祉有償運送活動をしていて、笑わせてくれたり、悲しい体験を話してくれたりする人たちと出会った経験があり、本作のマドレーヌほどではないけれど、運転手と心を通わせたいという気持ちはわかる。
チラシの文面を見直しても、全く想像がつかない展開であった。実際の料金も気になるところである。
流れゆく景色の全てが美しく、ひとときの夢を共有した様な気持ちになる佳作。
「一年に地球3周も走るのに、楽しい思い出は、娘にせがまれて走ったイルミネーション輝くクリスマスのドライブの一回だけ」
タクシー運転手のシャルルの語る言葉のなんと重いことか。「タクシー運転手は自分に合っている」ともいうが、それはもちろん、周囲の人とうまく付き合うことができない自分を嘲る呪いの言葉。
成功している兄とはソリが合わない。娘が愛してやまない妻の実家を売却しなければならないほど金に困り、休みもろくに取れない。運転免許もあと2点で免停…。日常生活がうまくいってない彼の苛立ちは、観ている自分にもどこかしら響き合う。
そんな時に乗せた老婦人。
出会いは、クラクションを鳴らしたことへの叱責というマイナスからのスタート。早く距離を稼ぎたいシャルルなのに、この老婦人は急ぐことを目的とせず、遠回りになる寄り道を指示してくる。しかも、できればしゃべらずにいたいのに「幾つに見える?」と言ってめがねまで外す。
「歳をとった今も色気を忘れていないのか?面倒くさそう…。」そうなのだ。冒頭のわずかな時間で、気がつくと自分はすっかりシャルルになったつもりで老婦人を見ていた。
だから、その後、老婦人が92歳と聞くと、シャルル同様、素直にびっくりするし、面倒な寄り道にもキチンと意味があることがわかってくると、我々も、だんだん老婦人の人生の歩みに耳を傾けたくなっていく。
彼女は、自分が行動したことの責任は、全て自分自身で背負う。あんなに大切にしたいと願い、守ろうとしていた息子も、実は、彼女自身の行動が原因で、別の面から傷を負っていたことを知らされる。現代の眼差しで観ているこちらは、やるせなさがつのるのだが、彼女は決して「時代」そのものを否定しない。それどころか、時代を変えたきっかけの一つが彼女だったのにも関わらず、そのことを全くひけらかさない。
肉体的には、歩みがおぼつかず、トイレも近くて紛れもない老人である彼女なのだが、語られる言葉や行動は若き頃のままチャーミングで、シャルル同様、我々もどんどん彼女に惹かれていくのだ。
2人のパリの端から端まで、昼から夜までの小旅行は、それぞれの人間性回復の旅でもあった。
流れゆく景色の全てが美しく、ひとときの夢を共有した様な気持ちになる佳作。
記念すべき500レビュー。
92歳のかわいいおばあちゃんをタクシーに乗せて、パリ市内のおばちゃんの思い出の地を巡りながら、壮絶な人生を振り返るという話。
一人息子をベトナムの戦争に巻き込まれて亡くし、
DVの夫に悩まされて、
その夫を懲らしめたら懲役刑になり、
いろいろあったでは語りつくせないマドレーヌ。
それを問題を抱えたタクシー運転手が大きな心で受け止め、その心でマドレーヌの半生を引き出していく。
口数が多くないドライバーがこれまたいい味を出している。
感触が良質のフランス映画
生活に疲れて投げやりな気持ちのタクシードライバー
老女を乗せるが、壮絶な人生も乗せてしまう
その人生に思い入れて、施設に入所する最後の時間を共に過ごす
テーマは重たいも、感触は良質なフランス映画
旅路の果てにながめる人生はどんな色をみせるだろうか。
人生の窮地にいてイライラが隠せない中年タクシードライバー・シャルルがのせた客・老婦人マドレーヌ。
はじめはなんだか面倒くさそうな様子でマドレーヌの話かけに応じるシャルルなのだが、激動の時代をたくましく歩んだ彼女が語る生き様は説得力をもってシャルルの心を揺すりだす。
人生の緩急、複雑な重なりだからこその味わいを感じたシャルルはついには祖母をみるようなまなざしに。
マドレーヌも後部座席から助手席へ移り孫に乗せてもらっているような嬉しい顔をみせる。
そのころには自分も後ろの席に乗車していた錯覚が不思議である。
それはウィットに富んだ経験豊かなマドレーヌが、シャルルの不機嫌や短気で否定的な考え方を察知し、さりげなく明るくやわらげるのを目撃し、だんだん変わっていく空気を肌で感じとりながらいるせいだろう。
さて、二人の様子に安心しはじめると横を流れるパリの街並みはそれまでよりぐっと魅力的だ。
細い枝の先でおどるような緑も、流れる川のフォルムも、洗練された塔がなじむ石の道も、行き交う人々も、そばにある不安をとりのぞいた状態で眺めると、そこに受け入れられて立つ自分のありがたい命に触れるような感覚が際立つ。
やはり気分は捉え方を変え、捉え方は気分を変えるのだとつくづく思う。
そんなふうにして観客達はこの出会いが自分を含めて必要なものだったことを知っていく。
いいときもある。
わるいときもある。
でも
あなたはいつもまっすぐに顔をあげて進んでいけばいい。
タクシーに乗る前、わが家をじっとみつめたマドレーヌ。
今思えば、そんなふうに生きてきたことへの信念を住処を去るあのとき固く結んだのかもしれない。
そんなマドレーヌに会えたシャルルはラッキーだ。
他でもない自分自身がつくるたった一度きりの色。
マドレーヌのように塗り重ねて、あんなふうに豊かな色をおおらかに纏い去っていけたならそれは本望だろう。
邦題「パリタクシー」原題は「Une belle course」「美...
邦題「パリタクシー」原題は「Une belle course」「美しい、道のり」という感じでしょうか?英語版は「Madeleines Paris」マドレーヌ(老婆の名前)のパリ。
こじんまりとしてますが・・いい映画でした。小説もそうですが、人の置かれた環境、心理状態から生まれる、渇き、渇望、それを満たしてくれる潤いが、小説であり、映画なのかもしれません。ですから、それぞれの人にとっての良い映画、小説は、百人百様なのでしょうね。
という感じで、私にはこういう物語が必要なのかもしれません♪
物語は、パリのタクシー運転手が、介護施設へ入所する老婆を乗せて、パリの市内のおばあちゃんの思い出の場所を回るお話。
刺々しいタクシー運転手の態度、表情が徐々に緩んできて、素敵な笑顔を見せるようになり・・最後には・・・・。
今の世の中、こういう僥倖は、現実には・・などと思ってしまいますが・・・。今、目の前に生きている老人達にも、その人たちの数だけの、たった一つの恋があって、たった一つ人生の物語があった訳で・・。そういうお話を聞いてみたいし、大切にしたい・・・。
良い意味で裏切られる
高評価から鑑賞。過去から現代のフランス社会、先輩から後輩の助言、負から正への感情変化が美しいバリの街を舞台に丁寧かつ流れるように描かれている。フライヤー画像の印象よりも遥かに深い良作。
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