パリタクシーのレビュー・感想・評価
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ちょっと切なくなる
ポスターを見ててっきりコメディかと思ってたら全然違ってた。どちらかと言うとサッドストーリー。92歳の彼女は、一見天寿を全うしたかに思えるが、悲しい人生でちょっと切なくなってしまった。
最初の方で彼女がアメリカ兵と過ごした3ヶ月が人生でいちばん幸せな時期だったと言っていたのが引っかかった。その後はどうなるのかと心配していたが、案の定だった。
アメリカ兵と出会う前は、ナチスによって父は殺されていた。アメリカ兵と別れた後に結婚した夫は、DV夫で、耐えきれずに殺人未遂を犯してしまい、懲役25年の判決となる(模範囚で13年で釈放されるが)。出所した後に、息子はすぐにベトナム戦争の報道写真家として出国してしまうが、半年でベトナム兵に殺されてしまう。
アメリカ兵と過ごした3ヶ月がいちばん幸せだと言っていたが、彼には妻と子供が2人いた。結局彼にとっては彼女との3ヶ月は一時のアバンチュールでしかなかったのではないか。せめて、パリに行った時の彼は独身で、本国に帰ってからベトナム戦争に従軍して、そこで戦死した方がよかったような気がする。パリでの2人が純愛であったと言うことになるから。そうでないと、彼女があまりにもかわいそうすぎる。
リーヌ・ルノーの演技が素晴らしい!
これは花の都パリの楽しい物語では無い
怒ると老ける 微笑むと若返る
パリの名所をバックにおばあちゃん世代の人生に思いを馳せた、大人向けの素敵な寓話だった。特にラストが泣かせる。
主役の老人ホームに向かう92歳の女性を演じたのは94歳の(公開当時)フランスの国民的歌手の方。そこまでの年齢には見えないので、作品中の運転手同様、私も驚いた。彼女も女性解放運動に尽力してきた方とのこと。そうした世代の努力があって初めて、今日の女性の人権があると思うと感慨深い。
イライラしていた運転手が笑顔に
パリをドライブしている風景が最初から最後まで楽しめます。
主人公はタクシーの運転手。介護施設に入る90歳のおばあちゃんをお客さんとして乗せて、身の上話を交わしていくうちに心を開き打ち解けていく話。
日常的に苛立っていて、怒りしかないと言っていた運転手が、話すうちに顔がほころんでいくのが微笑ましい。
一見楽天的で笑顔を絶やさないおばあちゃんも、壮絶な過去を経験したからこその事だった。
お金や人間関係など様々な事に悩んでも、大抵のことは生き延びられる。
命尽きるまで人生を楽しもうと思えた。
心が温かくなる
女を大事にする男
原題は「Une belle course(美しい、道のり)」。
本編91分。
のんびりパリ旅行氣分のロードムービーと思いきや、回想シーンが意外に怖くて刺激的です。
怒りっぽいタクシードライバーのシャルル(ダニー・ブーン)と老婆のマドレーヌ(リーヌ・ルノー)が、お互いを氣に入ります。
シャルルは、交通ルールを守るタイプではありませんが、妻一筋です。その妻との馴れ初めの時のカメラと写真のエピソードは、マドレーヌの人生の中でもベストとも言える大事なもの(息子)と、直接ではありませんが重なる部分があります。
息子を愛し、守ったように、家族を愛するシャルルを守ります。マドレーヌの情熱や迫力も、シャルルの愛情も本物でした。エンディングロール中、感動に浸らせていただきました。
タクシー・ロードムービーというジャンルがあるのかは知らないけれどタ...
タクシー・ロードムービーというジャンルがあるのかは知らないけれどタクシーならではのパリの中を回る狭い範囲でのロードムービー。
最初はどちらも怪しいけれど92才のおばあさんマドレーヌがいろいろしゃべってくる。
お金に困っているドライバーは最初こそ、上の空で聞いていたけれど時間が経つにつれ二人が素敵な時間を過ごしていく。
ただ、中身は非常に重い。
見ていてつらい場面も正直あった。
50年代という背景がフランスでもえげつなかったのがわかった。
男尊女卑で離婚なんかできなかった時代やったんや。
ただ、タクシーの中での会話は穏やかで時折振り返るマドレーヌの過去がシャルルをいらだちから解き放ち優しい人にした。
信号無視で引っかかったシーンやトイレに駆け込んだシーン、ディナーのシーンとだんだん打ち解けていく様子が微笑ましかった。
ラストは予想できなく無かったけれどあまりの大金にはびっくり。
シャルル、おかげで兄貴を頼らなくって良かったね。
改めて思うのは女性や子供を殴る奴は最低や。今ならあいつこそ25年刑務所行きや。
相手を間違うとどうしようも無かった時代の話でした。
101万ユーロ...😳
出会い…
生活のやりくりも苦しく、朝から晩までタクシー運転手として働き、渋滞にイライラの毎日。いるいるこの手の運転手。介護施設に入所するため、乗せたマダムの壮絶な人生を聞くうちに、次第に心を開いていく。ほぼ登場人物も2人、舞台はタクシーの中ながらも、音楽や回想シーンが良い塩梅で差し込まれ、2人が心通わせていく姿に、見ているこちら側まで心に余裕ができてくる、いつまでもこの時間が続けば良いと思ってしまう。ラストは出来過ぎの感はあるものの、短い時間ながら、人との出会い、一期一会の貴重さに気付かされる、心地よい映画だった。パリの美しい街並みも見れて良い。
高齢の女性乗客の波乱の人生
無愛想なパリの運転手のシャルルはお金や免停寸前。
90歳を越えた女性を乗せてパリを横断する。
パリで寄り道する度にこの高齢の波乱に富んだ人生を知る事になる。
時代と言ってしまえば、そうなのかもしれないが、女性にとって理不尽な時代。
無愛想な運転手も段々心を開いて、高齢の女性と心を通わせていく。
パリの街並みを知っている人ならば、自分の知る街並みを見る事が出来て楽しいかもしれないが、知らない私はそんな所かって感じ。
心が通い合って、別の日にタクシー代を取りに老人ホームに行ったタクシー運転手が見たものは⁉︎
このエピソードにはちょっと心がウルったった。
「最強のふたり」ではなかった
人生何があるか分からないと言いたいのか?
なぜかアマプラでコメディになってたけど、まったくコメディではない。ヒューマンだ。
最初はなにか展開やドラマがあるのかなと思いながら見ていたけど、だんだんこれは何もない語りパターンだと気づいていく。その語りに劇的な内容はあったけど、それはすでに過ぎ去ったことであり、今この瞬間に問題が起こる訳では無い。
特に大きな展開はないままラストに進んでいき、最後はやっぱり財産分与。
もうそれしか落ちは残されていないだろうね。
そうなると、ドライブの途中、彼が客にした対応は合格だったということになるし、たまたま気に入られて、たまたま最後の旅路ということでタイミングがあったから大金を得られてラッキーだったということになる。
ただ、ほとんどのしょぼくれた人生の人には、彼のような幸運は舞い込んでこないし、運のない地を這うような生活を死ぬまで強いられる人は山のようにいる。
そう思うと、いつラッキーが舞い込んでくるかわからいから、ひどい人生でも腐らずにやっていけよという教訓を安直にとらえる訳にもいかず、遺産相続の落ちは余計だったんじゃないのかなあとすら思えてくる。
客の彼女の波乱万丈な人生を感慨深く感じればいいのか、偶然運転手になった彼のラッキーに人生捨てたもんじゃないよねと思えばいいのか、なんとも言えない感じ。
知らない異国の道をドライブしてるような気になる素敵な映像。 これと...
パリの街並みは美しい
パリの街並みはやはり美しい。昔、仕事でちょっとだけ行ったことがあるが、生きててるうちにヨーロッパに行けるならパリだけはもう一度行きたくなった。
上映時、映画館では見逃していて、やっとアマプラで観れました。
ほっこりしたコメディ映画を想像していたが、マドレーヌの波瀾万丈の人生の出来事にふれるうちに、最初は迷惑顔だったシャルルがだんだんマドレーヌに寄り添っていったように、観ている自分もシャルルと同じ気持ちになって行った。
第二次世界大戦中、ナチスに父を殺され、援軍であるアメリカ兵との恋と別れと出産、DV男との生活と意を決しての逆襲の反撃、その罪を問われての不平等な投獄、出所後の息子の困惑と戦場カメラマンとしてのベトナム行き、そして息子の死亡。辛い過去がこれだけあってもマドレーヌは92歳まで生き、女性解放の活動家として人生を駆け抜けた。シャルルは年齢でいえば40代。まだマドレーヌの半分しか生きていない。金なし、休みなし、免停寸前。ちっちゃな悩みであると猛省したことでしょう。マドレーヌから奇跡のようなプレゼントがラストシーンにシャルル届いたが、それはそれとして自分の生活は自分できっちり稼ぎ、家族と穏やかな日々を過ごしてほしい。
人生は捨てたもんじゃない。パリの街並みは人々を癒してくれる。
人との触れ合いの良さ
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