「顔を醜く見せるも見せないも表情ひとつ」パリタクシー ピッポさんの映画レビュー(感想・評価)
顔を醜く見せるも見せないも表情ひとつ
タクシードライバーのシャルルは怒っている。
社会に、自身のおかれた環境に、そして自分に。
彼の表情は険しく貧そだ。
誰もが近づきたくない。
そんな彼の車に乗ったマドレーヌ婆さん92歳との会話。
会話の内容は衝撃的だが、彼女の柔らかな瞳がその悲劇性を包み込む。
会話が進むにつれて、シャルルの表情が和らぐ。
と、同時に無骨で魅力的な顔が現れる。
顔を醜く見せるも見せないも、表情ひとつなのだと改めて気づいた。
最後の小切手は蛇足だ。
手紙とタクシー代だけでよい。
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