「ベッソンじゃないやつ」パリタクシー ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
ベッソンじゃないやつ
パリの素敵な街並みを舞台に人生いまいちうまくいってないタクドラとやたらと饒舌な客の老婆が昔を振り返りながら紡ぎ出す心温まるストーリー…と、予告編からラストのオチまで含めて想像されるまんまの展開なのだが、婆さんの過去バナには意外性があり、今の時代性が盛り込まれていた。人権に関してはどこよりも進んでると思われるフランスでさえ、前世紀の半ばはまだ女性の権利もへったくれもない国だったとは。世の中動かすにはガスバーナー持ち出すぐらいの強さが必要ということか(違うか)。
最近のフランス映画はこんな人生イイ話みたいなのが多い気がするが、全体にあっさり目というか、もう少し展開や演出に工夫のしようがあるように思う。たとえばシャルルがカメラで妻の気を引いて、マドレーヌの息子がカメラマンになったつーんなら、写真を使った二人に通ずるエピソード作るとか…。90分でサクッと観られて、これはこれでいいのかもしらんけど、設定の割にあまり感動のない話だったエール!がコーダあいのうたにリメイクされてアカデミー賞を獲ったように、盛り上げようはあるかと。
低予算だし脚本に気を遣えば、日本でも各地の観光案内を兼ねたご当地映画としてもリメイクできそう?
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