劇場公開日 2023年9月29日

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「原作には忠実だけど蛇足も多い」沈黙の艦隊 KoQさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5原作には忠実だけど蛇足も多い

2023年10月8日
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VFXは邦画にしては良くやっている。
しかし、ゲーム会社の協力を得られればもっと良くなるはずだと邦画CGを見るたびに思う。
いっそ模型を使ってもよかったんじゃないか。

ストーリーは原作で言えば序盤の序盤、アニメで言えばVOYAGE1まで。
しかし2時間もあったのに、1時間40分のアニメより密度は薄い。結構端折っている。
ところどころテーマからハズレたシーンが入るのも蛇足。それが密度希釈の原因。
『たつなみクルーや入江(やまとクルー)の人物描写』とか、『働く女性の活躍模様』とか。
テーマを無視して入れたい事(あるいは入れろと言われた事)を詰め込んだ結果、芯がぼやけて作品がべちゃっとしてる。
シーンを加筆するならやまとクルーがどれだけ真剣に仕事をしてるかを登場人物に喋らせるんじゃなく行動で描写すべきだったんじゃないか。
そこを入れたいならそういう作品でやれば良いと思う。

半沢直樹のはなさん好きなんだけど、残念ながらこの作品での上戸彩さんはめっちゃ場違い。
半沢直樹なら違和感はないけど、軍事、政治、シリアス全開のコメディ風味な箸休めを必要としてない作品にはとことん向いてない。
個人の明るさを必要としてる作品で活躍してほしい。

沈黙の艦隊がなぜ『沈黙』でなぜ『艦隊』なのか、そこか明かされるまでだいぶ遠いけどそこまでやるんだろうか?

正直作るならドラマの方が良かったんじゃないかと思っている。

戦闘シーンはそこそこの迫力があったが、そこは演出家とIMAXのおかげかもしれない。
といっても戦闘シーンはほぼほぼ漫画やOVAアニメのなぞりではある。

ぶっちゃけ内容はアニメ版とほぼ変わらない。
しかし内容の濃密さはアニメ以下。
アマプラでアニメを先に見なければもっと楽しめたんじゃないかと思っている。

KoQ