「とても哀しいのに、何故か温かい」パスト ライブス 再会 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
とても哀しいのに、何故か温かい
大人びてほろ苦いけれど、ファンタジックで気持ちが軽くなるような小説を読んだ気がしました。何故か、映画じゃなくて中編小説。
時を経て結ばれるかと見えたヘソンとノラの初恋も、2度目の恋も実らない。いや、ヘソンがNYに向かった時は、実ってしまうのかともドキドキしたが、遂に成就しない。前世の縁がなければ、叶うことは難しいと作品は呟く。人生はひと時のメリーゴーランドに揺られているような、見かけは楽しくはしゃげても、中身は情けないものだったか。
それでも懸命に生きる…意志の力でもがくのではなく、大きなものに身を任せながら、生を営んでいくのも人生の在り方だと思えてきました。諦めるための運命論ではなくて、見つめるための運命論。色々と自分に出来ることを考えて、思い巡らせながら生きたいではないですか……
心を込めたら気持ちは伝わるとキツく信じて、でも恋の結果に出来るだけ…拘泥しない。
坂道の多い、空の白っぽい町で育った少年と少女は別々の人生を辿りながら、きっと胸の奥で同じ想いを抱いていた訳で、しかし、かつての二人の想いが同じと知ったとしても、それが形に成る訳でもない。
ウーバーのタクシーを待つ二人。なんで制作者は、このシーンを盛り込んだのだろう。序盤、あなたの劇のここの間が素晴らしいと褒められたノラの脚本(でよいのですよね)が伏線になっていたように思うのですが、この苛つくもどかしさ。そう、諦めるにはたくさんの気持ちを暗闇に埋める作業が必要なのだ。
見えないものに突き動かされる二人、見えないものに引きとどめられる二人。立ち去ったノラとヘソンの間にいつまでも残る涙混じりの溜息。情けなさをしっかり抱きしめたヘソンを載せたタクシーが走り出す。
心を込めたら気持ちは伝わるとキツく信じて、でも恋の結果に出来るだけ…拘泥しない。同じことを書いてしまった。
あのラストの送っていくシーンの脚本の内容と どうやって演出したのかマジで知りたいです!
あのシーンを作るってかなり難易度の高い事してるので😱
Uさ。
ロマンティックな中に戸惑いを感じる・・・迷いでしょうか?
ヘソンは韓国ではキチンと仕事をしてそれなりの地位にある
高学歴の男性ですね。
彼は何を期待してニューヨークまで訪れて、ノラに何を期待してたのでしょうか?ノラが結婚していることも、はじめて聞かされたんでしたっけ?
懐かしくて出張のついでに会いました。
くらいで良いですよね。
監督の都合でヘソンはウブで自己主張も出来ない男性に描くなんて、
自分本位すぎませんか?
だからこの監督さんにはカチンときているんです。
ごめんなさい・・・レビューと違うような事を言って。
たしかに美しい中編小説のような映画ですね。
ナヨンはウーパーでの長い沈黙に、込み上げる慕情を、
一緒にヘソンについて行きたい、全てを捨てて・・・
それを堪えていたのだと思います。
切なくて夫の胸で泣いたのだと思います。
現実には結ばれない2人だから、
この映画は温かい余韻が残るのかもしれませんね。
ヘソンは一生涯愛し続けるのでしょうか?
そう思わせるところが、上手いですね。
長々とすみません。
いい映画ですね。