ミュージックのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
嵐の夜にギリシャ山中に置き去りにされた赤ん坊。
ヨンと名付けられ、青年となる(アリョーシャ・シュナイダー)。
些細なことが原因で人を殺してしまい、刑務所へ送られた。
若い女性看守イロ(アガト・ボニゼール)と知り合い、後に結ばれるが、イロはヨンが殺した男の恋人った。
事実を知ったイロは自殺してしまう・・・
といった物語。『オイディプス王』に着想を得たという。
魅力的な予告編からアート寄りな映画だろうと予測していたが、予想をはるかに超えていた。
長廻し主体の画に力はあるが、必要以上に長いシーンも頻出する。
あらすじにまとめたが、観ていて途中までは、さっぱりわからない(ように思えた)。
長廻しの画は、気づくとほぼほぼ次の二つの視点から撮られている。
冒頭などの俯瞰は、神または宇宙からの視点。
やや離れた位置からの画も、ここに分類していよいでしょう。
もうひとつは、人間の視点。
これは、足元の映像として繰り返されます。
このあたりの撮り方は、意図がわかりやすすぎて、個人的には底が浅いと感じてしまうのです。
最終的に、人物寄り画で音楽ワンカットと、遠景横移動の音楽ワンカット。
音楽は、神の声、宇宙の胎動、そんなところだろうと思われ、意図が透けて、かなり興ざめ。
ラストの横移動、ものすごく驚異的な画なので、強引な力技ともいえますが。
評価する人も多いだろうなぁとは思うが、苦手なタイプの映画でした。
そうなのですが、先日、予告編を再び観て、「あれ、この映画、やっぱり好きなタイプの映画かも。もう1回観てもいいかも・・・」なんて思いました。
なんなんでしょうねぇ。
妙に、底が浅いペラいところに惹かれるのかしらん。
不思議です。
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