劇場公開日 2024年1月5日

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「【”何故、自分の事が分からないの?と髪長く柔らかな顔立ち故に、女子に見える8歳の男子は涙目で言った。”今作はアイデンティティに悩む男子と、戸惑いつつも彼に寄り添う家族の姿を描いた作品である。】」ミツバチと私 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”何故、自分の事が分からないの?と髪長く柔らかな顔立ち故に、女子に見える8歳の男子は涙目で言った。”今作はアイデンティティに悩む男子と、戸惑いつつも彼に寄り添う家族の姿を描いた作品である。】

2025年6月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■フランス南西部の町、バイヨンヌに住む8歳のアイトール(ソフィア・オテロ)は、母アネや兄姉とバカンスで母の故郷スペイン・バスク地方に滞在する。
 ”ココ(坊や)”と呼ばれる事に抵抗感がある彼は、叔母と行った教会で見た聖人”シラクサのルチア”の話を聞き、仲良しの女の子のニコに”ルチアだよ。”と告げ、衣服もドレスを着る様に成るが、その姿に周囲は戸惑いを覚えて行くのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作のフライヤーを見ると、アイトールを演じたソフィア・オテロ君(当時、9歳)は、ベルリン国際映画祭最優秀主演俳優賞を受賞したとの事である。成程。
 彼の今作での演技は見事だし、声変わりする前の僅かな期間でしか出来ないモノであろう。あの憂いを帯びた眼で何かを訴えるような、前半の数々のシーンで見せる表情は、稀有なモノだと思う。

・劇中で、芸術家である母アネも、幼き時は坊主頭で、祖母がそれを咎めなかった事が、会話から分かるが、絶妙な設定であると思う。
 それ故に、母アネの苦悩の表情が分かるのである。

・アイトールがある日、居なくなるシーン。皆が”アイトール!”と呼びながら探すのに、母は”ルチア!”と叫びながら探すシーン。
 アイトールは、皆が探す中、叔母に教えて貰ったように、ミツバチの巣箱を三回棒で叩いてから”ルチアだよ!”と告げながら、山間の斜面に置かれた巣箱を回るシーンは秀逸である。
 このシーンを見て、”彼は、きっと自分のアイデンティティを漸く見つけたのだろう”と、私は思ったのである。

・そして、バカンスは終わり、帰りの車の窓から、美しきスペイン・バスク地方の風景を、風を浴びながら見ているアイトールの表情は、前半と違い穏やかなのである。

<今作は、髪長く柔らかな顔立ちゆえに女子に見える8歳の自分のアイデンティティに悩む男子と、戸惑いつつも彼に寄り添う家族の姿を一夏を描いた作品なのである。>

NOBU
SAKURAIさんのコメント
2025年6月8日

おはようございます!

これから「見える子ちゃん」と「ぶぶ漬け」観てきます!

京都作品ってぶぶ漬けのことですよね~深川マイさん好きなんで気になってました。

予告動画では面白そうですけどね!作品雰囲気は、とりあえず観てきます!

SAKURAI
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