「ミツバチが導く先にあるもの」ミツバチと私 つっちぃさんの映画レビュー(感想・評価)
ミツバチが導く先にあるもの
《ミツバチと私》
性自認に悩む8歳のココ。"本当の自分"は唯一人で名前なんていらない筈なのに揺らぐ自分を世界に繋ぎ止める為に"名前"にすがる矛盾。主役の子の演技は驚異だが実は本作で描かれるのは"周囲の戸惑いと受容"なのかと思う。森の中で母が我が子の名を叫ぶ時アルトールはルシアとなった。
罪の意識に苦しむアルトールに真っすぐ向き合い自然界の多様性を説くおば、ごく普通のことのように水着を交換するリコ。周囲が寄り添い共感する力を人魚姫の絵本のような絵空事ではない/してはならないなと。。
家族の反応がそれぞれ世間一般的な層に置き換えられる。厳格で不寛容な父。善き理解者でありミツバチの蜜蝋で道を照らすおば。頭で考えるより"愛"に溢れる母。先入観無く当然に受け入れる兄や友人。観るものが試されている様な緊張感は音楽が無いだけではない。
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