「どのタイプ?」終わらない週末 Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
どのタイプ?
アメリカは見えない恐怖に晒されている。猜疑心や恐怖感から来るヒステリーが静かに蔓延しているようだ。
オイルタンカー…黒人奴隷の歴史
スペイン語を話す女性…移民排除
イランだの北朝鮮の脅威
テスラの自動運転…テクノロジーの危険性
鹿…神のメッセージさえ追い払う愚かさ
などなど、一見意味のわからない象徴。
で。危機が迫ったとき「あなたはどのタイプ?」と問われているようなシニカルなキャラ設定。
① 自分の都合が正義だと思い込んで、いつも何かに怒っている。自分も他者もレッテルで束縛している、威圧的な独りよがりタイプ。ジュリアロバーツ。
② いつもは危機感も薄く無力なお人好しだけど、いざとなったら身を挺して争いを避けようとする気の弱い平和主義タイプ。イーサンホーク。
③自分の発言や行動が意味を持つことを知らず、世の中に疑問を持たないお気楽タイプ。長男。
④ 誰かに食べ物や飲み物、充実したコンテンツを用意してもらえれば満足。大人の欺瞞を見抜き、現実をとっくに諦めている無関心タイプ。長女。
⑤“したり顔”なエリートタイプ。立ち振る舞いは優雅だけど、理不尽な世界を変えようとせずその仕組みに取り込まれた成功者。来訪者マハーシャラアリ。
⑥他人を慮ることができず、自分を憐れんでばかり。いつまでたっても苛立ちが抜けない中2病的タイプ。コンテンツより現実で満たされたいと思っている。マハーシャラアリの娘。
⑥古めかしい強さを誇りながら、所詮は損得勘定で動く知性教養のないタイプ。仲間以外は敵か金にしか見えない。ケビンベーコン。
さて、今の時代④のタイプが意外と多いのでは?
シェルターの外で何が起きようが、親が自分を探していようが、自分の殻の中で、“終わりなき日常”が続けばいい。怖!!