ザ・キラーのレビュー・感想・評価
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どうしてもストーリーが単純になるのは仕方がないかな
今年384本目(合計1,034本目/今月(2023年11月度)16本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
本作品はもともとネットフリックス「未契約者」向けに放映されているもので、契約していればもうすぐ(もう?)1週間くらいで放映はされるようです(ネットフリックスは特段の番組でもない限り個別の番組を「買い取る」という概念がない)。
ネットフリックスにせよアマゾンプライムにせよ、いわゆるVODシステムに関してはコロナ事情も大きく関係してきて、「放映しきれないものをVODで」というような感じであるようで、決して「質の落ちるもの等をVODで」ということではないようです。
もっともこの作品、サスペンスアクションものと見た場合、2時間近く同じような風景が多く「今何がどうなっているのかわかりづらい」という致命的な問題があります。とはいっても、「ネットフリックス契約者向けには無料で見られる映画「扱い」」のようで(準映画、とでもいうの?)、最低限のクオリティはあります。
ここをどうとるかは難しいですが、ネットフリックスの契約者であれば(私もそうです)わざわざ見なくても、といったところです。サスペンスアクションものというストーリーの関係上、「ここどうだっけ?」というのはネットフリックスでは再生や早送り等ができますが映画ではそれができず、かつ、この映画の作り上、かなりわかりにくい展開が多いからです。といっても、普通に一般の「映画」として見ても4.0か4.5はあるんじゃないかというところです。
採点に関しては以下の通りです。
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(減点0.3/パンフレットがない、ネットフリックスの勧誘ばかりになっている)
・ この手の映画では何かしらのパンフレットやグッズものはあるものですがまるでなく、逆に入場者特典がネットフリックスの無料体験つきコード(私はもう加入者なので関係がない)というある種「変な状態」になっているのは残念に思いました。
あともう1週間もすればネットフリックスでは見られるのだと思いますが、だからといってそこでグッズ売るわけではないですし…。
この「ネットフリックス配給系のパンフなし、グッズなし」は結構厳しいところです。
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殺し屋
だいたいが比べるモンじゃないが…
近作にあったシューティングゲームみたいな殺し屋モノのやつより、断然こちらの方が面白かった。
もうすぐ殺されようとする事務員の(理想の殺され方)要望通りに殺してやる、殺し屋さんの人間味に触れると、こちらはオッとなってしまうんです。
シンプルなお話しな分、殺し屋さんの数々の細かな「スタンバイ」のディテールも面白い。語りの「計画通りにやれ」「誰も信じるな」「感情移入はするな」「予測しろ 即興はよせ」「決して優位に立たせるな」「対価に見合う戦いにだけ挑め」… そんな「心構え」?に反する事態がおきていく皮肉さ
急場をしのぎながら突き進む、あの名のない殺し屋さんへの感情移入は止まらない。
ネットフリックスものとは知らず、皮肉にも配信日に雨のなか劇場に足を運ぶ。
映画とはなんぞやと思う金曜
世界一周殺しの旅
淡々と、でも見入ってしまう。
隙がない。
いかにも、デビッド・フィンチャーな、殺し屋の物語。 ありがちで、陳...
無警戒過ぎたー
「しょうもなっ」
つぶやく俺
シリアスにクールにリアルに淡々と描かれる殺し屋の復讐劇!「スマートキーコピー機はamazonで買える」なんて!
ミスを犯した冷酷な殺し屋は、今度は狙われる身となり、追手の殺し屋たちや雇用主との戦いを繰り広げる。11月10日(金)よりNetflix独占配信!
あの、「セブン」「ゲーム」「ファイトクラブ」のデビッド・フィンチャー監督作がNETFLIXで製作、劇場公開!
さすが!シリアスにクールにリアルに淡々と描かれる殺し屋の復讐劇!
殺しの過程、準備から実行、その後の逃亡手口などが丹念に描かれていて素晴らしい。その行動範囲は世界各地に及ぶ。これまでの同様作品のような、ご都合主義や嘘っぽいところがほとんどない!(これだけストイックなまでに慎重で用意周到なのに、発砲の一瞬のタイミングが悪すぎるけど。)そして、終始持続する緊張感が素晴らしい。
それだけでなく、愛する妻との生活などの背景も手抜きはない。
主人公のモノローグ、関わる人々がわずかな時間で現れる個性や性格なども味わい深い。
それにしても、「スマートキーコピー機はamazonで買える」なんて!
思わず検索しました!
プロフェッショナルっぽいけど中途半端
ある殺し屋‼️
デヴィッド・フィンチャー監督が殺し屋が淡々と仕事をこなす様子をスタイリッシュに描いてくれた作品‼️名もなき殺し屋が仕事でミスしたことで同居の女性が襲われ、その襲撃に関わった人間たちを冷徹に仕留めていく‼️全体を6章に分け、その前後にプロローグとエピローグを配し、各章ごとに異なるターゲットを狙う殺し屋の姿が描かれています‼️主人公のマイケル・ファスベンダーがハマり役で好演‼️クールに無表情に仕事をこなす彼の姿は観る者を凍りつかせてくれますよね‼️そして殺し屋自身によるナレーションやモノローグによる物語の進行というのも斬新だし、抑えた色調の画面も作品の雰囲気作りに一役買っていると思います‼️そしてデヴィッド・フィンチャー監督にとっても「Mank」以来の作品ですので、「セブン」「ゾディアック」「ゴーンガール」に連なる、得意とする作風に戻ってきてくれて大変うれしいです‼️
メンボーの女
完璧主義の殺し屋(マイケル・ファスベンダー)が暗殺に失敗、雇い主から受けた報復への仕返しを殺し屋が実行していく、という非常に単純(シンプル)なストーリーだ。『ファイトクラブ』のようなオチを期待していた観客の皆さんは肩透かしを食らったように感じるだろうが、元々ストーリーテラーではない映像作家デヴィッド・フィンチャーの作風を知る者はほぼ納得の1本だ。
撮りたいシーンを撮るために何十回とテイクを重ねるフィンチャーは完璧主義の映画監督として知られているが、それゆえコスパが何よりも重視されているハリウッドで煙たがられているのも事実なのである。フィンチャーを崇める人々からすれば、拘りに拘った彼の撮ったスタイリッシュな映像を鑑賞することにこそ意義があったのだが、モノクロで撮った前作『Mank』(未見)あたりからどうもその作風にも変化が現れ始めているようなのである。
殺しを実行する前に「計画通りに動け。即興はやめろ。未来の動きを予測しろ。相手に感情移入はするな。報酬に見合った以上のことはするな....」と、自分(フィンチャー?)自身に呪文をかけるように自主ルールを心の中で繰り返す殺し屋だが、フィンチャー曰く、殺しを失敗して自らのゲシュタルトが崩壊していく様を本作で描いたそうなのである。私のようないい加減な輩が見ると、何て用意周到な殺しのプロなのだろうとつい感心してしまうのだが、不測の事態が起きて次々とルールを破っていくあたふたぶりが見所だという。
感情を全く表に出さないファスベンダーの鉄仮面ぶりが、内面の動揺をわかりにくくしているとフィンチャーが思ったのかどうかは分からないが、おそらくそれを補充する意味でザ・スミスの楽曲を(後付けで)劇伴に使ったのではないだろうか。孤独を愛しながら退屈するのが滅法苦手で、心の片隅では誰かと繋がりたいと願っている寂しがりや。映画館のJBLスピーカーから流れてきたブーストサウンドは、けっしてクリアではなく、むしろ音割れしてくぐもったような音に聴こえてきたのである。
ザ・スミスを劇伴に使った理由をフィンチャーはこう説明している。「“How Soon Is Now?”を使いたい自分がいて、特に不安を和らげるツールとして曲を使うというアイディアを気に入ったんだ.....瞑想の音楽として気に入ったんだよ。面白いと思ったんだ.....ザ・スミスほど皮肉とウィットが同居する音楽のライブラリーを抱えるアーティストはいないと思う。そして、この人物がどんな人なのか、あんまりよく分からないだろ。このミックステープを通して面白いと思ってもらって、彼への入り口となればと思う」
誰にも知られずにこっそり殺すことができたにも関わらず、わざわざ大衆の面前に姿を現して、屈折した自己顕示欲を誇示するがのごとく仕事を実行する殺し屋の姿には、その実力は万人に認められているものの、(完璧主義が災いして)配信専門の映画監督に落ち着きつつあるフィンチャーのどこか鬱屈した想いが反映されていたのではないだろうか。「殺ろう(大作を撮ろうと)と思えば、いつだって殺れる(撮れる)んだぜ」ってことを周囲(特にハリウッドメジャー)に知らしめておきたかったのではないだろうか。それは映画監督としての“自負”であり、ある意味“悟り”に近い想いだったのかもしれない。
When you say "it's gonna happen now"
When exactly do you mean?
See I've already waited too long
And all my hope is gone
You shut your mouth
How can you say I go about things the wrong way?
I am human and I need to be loved
Just like everybody else does
『How Soon Is Now? 』
The Smiths より
サスペンス映画ではありません
謎の映画でした。
暗殺に失敗した男が関係者を次々に狙う、という内容のようですが、場面が代わる度に新しい人物が唐突に出てきては禅問答のような会話を交わしていきなり殺されたりします。
伏線や背景の説明が全くないので、どういう人物でどんな関係性なのか戸惑っているうちに次の場面に移ります。あとから明らかになる部分もありますが、最後まで謎のママで何とも消化不良です。
要するに物語としての流れが無視されているので当然ながらサスペンスもスリラーも感じることはできません。ただ唐突に場面が展開することがあるのでショッカーを感じると言えなくもありません。
更に、禅問答が長くてテンポが遅いですね。
妙に評価が高いようですが、まとまった物語を期待する人にはストレス過大は保証します。
一方、物語性を無視して映像として評価すれば、確かにこの監督独特の細かいカット割り、センスを感じさせるカメラワークが全編を支配しています。
一言で表現すれば物語としては破綻しているが、独特の映像センスを感じる作品、というところです。
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