「ドラゴン退治に挑む王女様」ダムゼル 運命を拓きし者 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
ドラゴン退治に挑む王女様
Netflixで昨年配信された作品。中世ヨーロッパの様な王国に纏わる、ドラゴン退治に挑む若き女王を描いた『ゲーム・オブ・スローン』や『ロード・オブ・ザ・リング』の様な、ダーク・ファンタジー作品。100分程度の上映時間だったが、ドラゴンとの激しい死闘を中心に、王女の結婚相手となった王国の裏切り、親子の絆等、様々な要素ギュッとコンパクトに詰め込んだ内容。それでいて、壮大な映像スケールで、ラストも二転三転させる展開で、最後まで飽きない作品だった。
本作のドラゴン退治に挑む王女・エロディ役を、同じくNetflixで大人気となった『ストレンジャー・シングス』で、超能力少女・イレブンを演じていたミリー・ボブ・ブラウンが務めていた。『ストレンジャー・シングス』の時は、まだ幼くベリーショートの髪型で、女の子のイメージが強かったが、本作では、王女に相応しい佇まいで、美しい大人の女性へと変貌を遂げていた。
貧困で喘ぐ北の国の王女・エロディの元に、豊かな国のアウレア国の王子との結婚話が舞い込む。アウレア国の女王からは、この婚姻の代わりに、北の国に物資や金を援助する約束をする。北の国の王としては、この上ない縁談にエロディを差し出す。しかし、その婚姻の裏には、アウレア国の王族が嘗て、その地に住むドラゴンと交わした約束が存在した。それは、アウレア国の一族の娘を生贄にするというもの。エロディもまた、婚姻後すぐにドラゴン住みかとする穴の中に生贄として幽閉されてしまう。
当初は、か弱い王女だったエロディが、火を噴くドラゴンとの死闘を潜り抜けていく中で、次第に生き延びる逞しさを身に着け、ドラゴンに立ち向かう姿は、女性のヒーローとしては、王道な展開。但し、ラストで二転三転するストーリーは、単なるドラゴン退治ではない、ファンタジーとしての結末が用意されていた。
