「【”考現学:現代の社会現象を研究し、現代とは何かを思考する学問。”或る女子大生がアダルトショップで働くうちに様々な人と出会い、人間的に成長して行く姿を描いたモンゴルのイメージを一新する作品。】」セールス・ガールの考現学 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”考現学:現代の社会現象を研究し、現代とは何かを思考する学問。”或る女子大生がアダルトショップで働くうちに様々な人と出会い、人間的に成長して行く姿を描いたモンゴルのイメージを一新する作品。】
■バナナの皮で滑って足を骨折した大学の同級生の代わりに、アダルトショップの店員として働き始めたサロール(バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル)。
大学では原子力工学を学ぶ彼女は、接客やグッズの配達もし、オーナーのカティヤ(エンフトール・オィドブッジャムツ)に売上金を届ける。
*私が、殆どのレビューで役者名を書くのは、PCが名前を覚えるからである。このお二人の名前を又、書きたいモノである。
◆感想
・人生経験が物凄く豊かで、器の大きいカティヤに触発され、手入れをしていなかった“ボーボー眉毛やもっさりした髪を整え、ドンドン綺麗になって行くサロールの姿。
ー サロールが、”自分らしく生きること”を実践していくのである。-
・アダルトショップって、行った事ないんだけれど(誰も、信じないだろうが。)陳列物にツイツイ目が行ってしまう。
ー 女性客がディルドを購入する際に、”大きすぎる””小さすぎる”と言うシーン。可笑しいのだが”何センチが妥当何ですか!”と思った私は、阿呆でしょうか?-
・恥ずかしそうにバイアグラを買う男性客の姿や、一々、サロールに”これ、何なの?”と聞く男性客のおバカさ。だが、サロールは淡々と答えるのである。
ー 私も、”え、そんなふうに使うの!”と興味深々・・。阿呆です。”-
■笑ったシーン幾つか
・サロールが、カティヤの言葉に反発し、毎日一生懸命に働いている両親のお茶にバイアグラを入れちゃうシーン。
ー そわそわと幼子をベッドに寝かしつけ、そわそわと部屋を出ていく二人。夫婦の営みは大切ですぞ。-
・サロールが、シニカルに決めているジョンスの犬にバイアグラを上げちゃって、犬が居なくなり、申し訳なく思ったのか、サロールがジョンス君を部屋に招くシーン。
”コンドームを付けて”とお願いするサロールに対し、ジョンス君、薬局に行こうとするも、サロールが落ち着いてバッグからコンドームを出して付けて上げようとすると・・。
ー 凄いなあ、若いな、ジョンス😃。天井までは行かないぞ、普通。
さては、”チェリー・ボーイ”だな!
そんな姿をサロールの両親に見つかって、固まる両親。場内爆笑であった。-
■モンゴルは、且つてのゲルでの遊牧民の長い歴史があるため、家には呼び鈴が無いという話は聞いていたが、ホントにないんだね。”ドンドンドン!”
■劇中に流れるモンゴルロックの格好良さや、色彩の美しさにはビックリ。監督のセンスなんだろうな。
・カティヤもかつて、我が子を流産した経験を語るシーンは沁みたなあ。
ー そういう、経験をしているから遊牧民の親子から大量にキノコを購入して上げるんだね。-
<今作は、私のモンゴル韓のイメージ
ー 広い草原、遊牧民、牧羊、ゲル、馬乳酒 ー
を一気に取り放った映画であり(センゲドルジ・ジャンチブドルジ監督の意図だそうである。)、一人の冴えなかった若き女性が、様々な人たちと交流する事で”自分らしさって何だろう”と考える姿を描いた、素敵な作品である。>
■エンドロール後に流れた、カティヤが片手でコンドームの袋を開けてコンドームを蝋燭に装着する離れ業は、吃驚である。
今度、やってみようっと。阿呆です・・。