「伊東蒼をアイシタイ」世界の終わりから いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
伊東蒼をアイシタイ
いわゆる"セカイ系"ディストピア作品であり、紀里谷監督の世界観がアンゴルモアの如く、降り注がれる作品である 冒頭のモノクロシーンも、監督作品『キャシャーン』のような、白黒の中にゴールド感が散りばめてある色彩を採用しており、こだわりを十二分に発揮されている 自分は、世間の評価より『キャシャーン』の世界観が大好物であったし、何より、大変努力されている姿勢にも感銘している 以前、ある映画館で監督が所構わず観客に名刺を配って歩いていて、プロモーションにもおざなりになっていない人柄に素晴らしさを感じたほどである
そして本作、兎に角、主役の女の子の八面六臂な活躍が目を惹く まるで演劇のような感情剥き出しの演技で、この世の理不尽さを一心に背負った役柄は、彼女以外に出来ないのではと唸る程である
素早いカットの連続は好き嫌いがハッキリするだろうが、逆に言えば監督の親切心と捉えてもいいのではないだろうか? その他もどこかで観た映画作品のオマージュも散りばめられいて、これも又賛否両論だろう
只、それをどう捉えるかは、最初から否定的に捉えている人達からすれば益々神経を逆撫でするだろうが、ストーリーそのものを肯定的に捉えている人は監督の可愛さが滲み出ていると感じるから、まぁ、これも現代病である"二極分化"なのかもしれない
物語そのものはハッキリ言って"中二病" でも、自分も未だに引き摺っている未発達な人間だから、このどうにもならない閉塞感は浸っていたい内容である 但しこれではマズイと思ったのか、結末のオチは、日和ったかなぁと思ってしまったのも愛嬌であるかw
自分はペシミストであり、経済的弱者であり、活力に乏しい人間だから、最後に主人公の選択が痛いほど分る
そんな彼女に唯一実現出来たモノは幼馴染みの男の足を治したこと・・・ それと引替えの地球滅亡なんて、充分、面白いじゃないか
度々失礼致します。
今の人類はすでに修復不可能なレベルまで分断されていると感じます。争いのない世界を築くには本作のように一度滅んで良識のある人間に未来を託すか、過去に戻って遺恨の種を摘み取るか、本当にそれしかないと感じます。
本当に大切なものを救えなくなった世界で作品に希望の種を蒔いた監督に個人的には共感します☺️
失礼します。
テーマとしてはよくあるかもしれませんが、ロシアのウクライナへの攻撃を止められなかった時、改めてこの世界は終わっているかもと純粋に感じました。
ウクライナで殺され続ける子供の命は対岸の火事でしょうか?米に言われるがまま防衛強化を進める日本も近いうちに?案外本当の終末はすぐそこかもしれません。