劇場公開日 2023年5月19日

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「地球には「家族」というものがあった」宇宙人のあいつ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0地球には「家族」というものがあった

2024年11月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「お前が来なかったらなあ、こんなに楽しくなかったよ。
お前も家族だ。たとえ土星人でもな。」

四人兄弟で営む焼肉屋。
つまり、長男坊が親代わりに家族で家業の焼肉屋を経営し、次男坊以下も、それぞれの仕事をかけもちしながらも、そういう長男を支える毎日ー。

両親は早くに亡くなったようで、それだけに、真田家は、家族(兄弟)の結束が固かったのかも知れません。
毎朝(?)の「真田家サミット」も、その象徴だったようです。

物語の設定を含め、全編を通じてコミカルに描かれてはいるのですけれども。
家族の「包容力」「温かさ」を描いた一本としては、決してできの悪い作品ではなく、いわゆる単なる脱力系とは一線を画したとも評することができるとも思います。

否、別作品『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』でも、そうだったように、家族ないし家族に準ずるような、ほど遠くない人々の間の人間関係の機微を描くことを得意とする飯塚健監督ならではの一本だったとも言えるようです。

佳作としての評価としておきたいと思います。
評論子的には。

<映画のことば>
家族は、自分よりも大切に思える人。
そいつのためだったら、代わりになれる人。
たとえどんなに離れていても、そいつの幸せを、自分の幸せよりも願えるってことだ。

<映画のことば>
焼肉屋をやってると、家族で焼肉を食べられないってことは、あるな。

(追記)
日出男が土星に連れ帰る一人を選ぶためのくじ引きなんですけれども。
あれは、最初から三本とも「はずれ」として用意されていたのでしょうか。
長男坊としての、他の家族を想う一念が「はずれ」を「当たり」に変えたと見るのは、穿ち過ぎというものでしょうか。
それでも、三人を想う夢二の家族愛が、結末を変えたということは、事実と同じくらいに確からしいことだったのだと思います。

(追記)
三兄弟の名字の「さなだ」のローマ字表記の中には、ちゃんと「宇宙」=NASA・アメリカ航空宇宙局のアナグラムが入っているみたいですね。
日出男が土星に帰るためのロケット擬(もど)きの何か(笑)の噴射で焼け落ちた焼き肉SANADAの看板の一部が、ちょうど、その文字列になっていました。
本作の製作陣から観客への細(ささ)やかなメッセージだったようです。

talkie