「なごみ系のコメディ映画」宇宙人のあいつ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
なごみ系のコメディ映画
「お笑い」と「お笑い芸人」がこの世から存在しなくなったら、どうなるだろう?
特にすぐには困らないと思う。
しかし確実に世界は潤いをなくすだろう。
この映画は「なごみ」とか「ゆるさ」とか「ぬくもり」とか、
数値で測れないものを空気感で伝えている。
面白くもないのに、笑わせようとする芸人が好きではない。
彼らは彼らで【人を笑わせなければならない」職業で、
きっと強迫観念のように「笑わせよう」「笑わせたい」
そう思っているのだろう。
日夜、笑わせるネタを求めて切磋琢磨して頑張っている。
この映画の設定。
《土星から一年間地球に派遣された土星人》
それを《見た目が全く日本人》の中村倫也が演じる。
コスプレは長男の夢二(日村勇紀=バナナマン)が担当。
トレードマークのオカッパの前髪をあげて額を出すと
思いがけず整った2枚目だった。
婚活パーティーの女性とのやり取りは面白い。
「ボウイ\(^o^)/」と
「ボウイ∧( 'Θ' )∧」のイントーネーションの違いから、
女性に、「大丈夫です」と断られてしまう。
「大丈夫です」にはそんな否定の意味があるのか?
《土星から地球を探索にきた土星人!?》
これは100万に一つもあり得ないこと。
誰も信じない、信じる人が皆無な状況で、
良い所は役者の芝居が《自然体》
長女の伊藤沙莉も3男の柄本時生もシリアス演技に徹している。
日村はやり過ぎてはいない、抑え気味。
笑いの強要はこの映画には無い。
主役の土星人・トロ・ピカルは中村倫也。
自分の素(地)を全く見せない。
空気に徹している。
結果として、とてもチャーミング。
《俺が、俺が、の逆・・地球人にすっかり馴染んだ土星人》
ラストの解釈は?
私は、想乃の赤ちゃんに生まれ変わって帰ってきた・・・
のでは無く、
真田日出男が日出男として普通に帰ってきたと思いたい。
なんかいつも予備知識がすごいですね。
私なんか、何も知らないくせに、レビューしているのがヤバい感じです。
でも、最初私のレビューに共感してくださった琥珀糖さんによって、なんとなくこのサイトの楽しみ方を勉強しています。
マジで、今後ともよろしくお願いいたします。
なるほど~ 数値で測れない空気感、面白い観方ですね。
また、最後の解釈もいいですね。
大体そうなるような気がしていたというティーンエージャーたちの思いに沿った感じでしたね。
ただ、
なぜ、絵本は「宇宙人の奴」なのにタイトルは宇宙人のあいつなのでしょうね。
また、夢二と書いているのに長男というのは、父の名前に「一」が入っていたから(「君の名は」のように)でしょうか?
些細な点が気になりました。