「【”家族って何?””それはね、自分より大切なモノがある事だよ。”今作は設定が絶妙に面白い、随所でクスクス笑えて、ラストは少し沁みるSFヒューマンコメディである。オリジナル脚本である事も佳い。】」宇宙人のあいつ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”家族って何?””それはね、自分より大切なモノがある事だよ。”今作は設定が絶妙に面白い、随所でクスクス笑えて、ラストは少し沁みるSFヒューマンコメディである。オリジナル脚本である事も佳い。】
ー 途中から、中村倫也さんのファンと思しき、若き女性の二人組の涕泣と笑いが交互に響いて来た作品。ー
◆感想<特に面白かった所と沁みた所。>
・土星人として、23年間焼き肉屋を営む、真田家の二男だった日出男(中村倫也)がある日の朝食で“真田サミット”を発令し、真面目な顔で、自分は土星人で本当の名前は”とろ・ぴかる”だと言うシーン。
ー 脳内、爆笑である。
発令時には”どどーん、プおお~”と法螺貝も鳴るのである。
因みに真田家の朝食はルーティーンの様に、必ず4人そろって儀式の様に長男夢二(日村勇紀)が念入りに掻き混ぜた納豆の入った大皿を回し、皆で揃って頭を下げて亡き両親の写真にも頭を下げて”頂きます”。”と言うのである。
可笑しいなあ。けれども、正しい朝食の姿である。
そして、そんな真田家の表札は、無茶苦茶デカい。-
・皆がその言葉を信じないが、夢二だけは真実を知っているようで、長女想乃(伊藤沙莉)と三男詩文(柄本時生)に昔の写真を見せると、そこには日出男は映っていない。
ー 同様する二人。更に追い討ちをかける様に”もうすぐ土星に帰らないといけない”と語る”とろ・ぴかる”日出男。-
・想乃は我儘な彼との子を妊娠しながら、別れを考えており、詩文も中二の時の同級生にサザエ君と綽名を付けたために、久しぶりに会ったその同級生から嫌がらせを受ける。
ー それに対し、兄弟思いの夢二と”とろ・ぴかる”日出男が行った事。クスクス笑える。日村さん、頑張ってます。-
・”とろ・ぴかる”日出男は動くジャガイモから指令を与えられている。それは同居していた地球人を一人土星に連れて来ること。けれども流石にそれは最初は言えず・・。
で、”とろ・ぴかる”日出男が土星に帰る日が近づいて来て、彼は念動力らしき力で夢二に当たりヒモを引かせる。
ー 笑えるのは、土星に帰る装置のチープさである。座椅子で帰るの?可笑しいなあ。-
・で、二人で土星に出発と思いきや、”とろ・ぴかる”日出男は夢二に時々言われていた”地球人は平気じゃない時は平気な顔をするんだよ。”と言う言葉を残して罰せられるであろう土星に一人帰るのである。
その後、想乃はシングルマザーとして、子供を産む。そこから聞こえてきた音。嬉しそうな夢二の顔。”お帰り”。
<今作は、今までに観た事が無いタイプのSFヒューマンコメディである。
夢二の優しさ(鰻のビッグ・マミイへの粋な計らい・・。)が今作の不思議な可笑しさを支えていると思った作品である。
夢二を演じた日村さんは、人気のコメディアンであるが(それ位、私でも知っている。)コントを遣る方は私は演技が巧いと勝手に思っているが、今作は正にそうであった作品でもある。>