「ファンとしては5点満点」アイドルマスター ミリオンライブ! 第1幕 さっちさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンとしては5点満点
ミリマスファンなら安心して観に行って良い出来。
まず茜ちゃんが動きすぎて可愛い、とにかく動きまくるのでとても可愛い。
ロコやまつり姫など同じく濃いキャラクター達の動きもよく表現されており、思わずニヤニヤしてしまう場面も多かった。
3Dだから出来ないではなく、3Dだからこそ出来るアニメ表現がふんだんに盛り込まれていて、キャラひとりひとりの動きを見るのがとても楽しかった。
これまでゲーム上では表現しきれなかった「キャラクター達の日常の中での動き」を沢山見ることができ、それだけで満足感は大きい。
本筋のストーリーとしては王道でありがちだけど、一つ一つの山を丁寧に描いていたのはとても好感が持てる。
現代ものアニメでありがちな単なる精神論の掛け合い(ポエムバトル)のような、ふわふわとした話の進め方ではなく、台詞と状況と展開に道理があり説得力があったのはストーリーをしっかり描こうという気概が感じられた。
難点を挙げるならば、TVアニメを意識した構成のためか、アイキャッチ的な引っ張りの描写などがテンポを緩めてしまったのが少し勿体無かった。
そしてやはりファン以外が見るにはキャラが多すぎるというのは否めない。
しかしソシャゲ原作ものには付き物のこの問題を解決するのは不可能に近いため、むしろ良くやっていた方だと思う。
多すぎてもキャラの濃さとネタさえあれば面白さは維持されるが、そういう方面に魅力的なキャラばかりでもないためそこはファンとキャラのためにも仕方のない面ではある。
そんな中、多数登場するキャラクター達の中でストーリーの焦点となるキャラを絞ったという点においては、かなりの勇気が必要となっただろうことを鑑みてもとても評価できるポイントだった。
間違いなくこの映画のハイライトである静香のあのシーンは、見てるこっちの心臓も張り裂けそうなほど辛くてドキドキした。
そのシーンは声優の演技やキャラの動きに表情まで、本当にリアルに丁寧に作られていたので共感性の強い人にとっては閲覧注意レベルの渾身の出来だったように思う。
その分鑑賞時は静香に感情移入しすぎて、未来の優しさと行動力が眩しく頼もしさと同時に畏れすら感じた。
結果としてファンとしては良作、作品としては佳作といった評価に落ち着いた。