アンダーカレントのレビュー・感想・評価
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その人の事を知っているか?
セリフにもあるけど、例え夫婦でも本当にその人の事を知っているか?と問いかけられると、???ですよね。自分でも自分がわからない時もあるのに、元は他人である人の事がわかるはずは無いですよね。永山瑛太さんが失踪した理由にはもっと深いものがあっても良かったですよね。そこだけが少し残念でした。
面白かったけど
失踪した旦那さんが探偵を雇って置きざりにしてきた妻の何を知りたかったのか?
というのと、子供の頃の妹の友達が大人になった姿をバスの中から気がつきますかね。子どもの頃似ていたから?の2点。
どう考えてもムリがある。😙
期待したのにねぇ 今泉監督はイジワルだよねぇ
東京は下町の銭湯、月乃湯が舞台。
親から受け継いだ銭湯。大学の同期だった夫が銭湯組合の旅行先から忽然と消え、残された妻(真木よう子)はショックからしばらく休業していたが、叔母の援助を得て再開したところに、組合長の紹介でホリという男(井浦新)が雇って欲しいとやってくる。
銭湯♨️de真木よう子とくれば、俄然期待が膨らみます。
しかし
まったくの肩透かし。
バストがあるのかないのかさえわからないほど。
もうひとり期待したシングルマザー役の内田理央もほんのちょっと出。
焦って、初日鑑賞。レイティング確認を怠りました。
でも、しーんとした銭湯で声が響くのいいですね。
ひとり開店前の湯船に浸かる真木よう子のほぼすっぴんのふっくらしたお顔はとても美しかった。
体調を崩したとかの情報がいろいろあった真木よう子。
ふっかーつ。
しかしアタシは完全復活とは認めませんよ。こんなんじゃ。
せめて下から持ち上げてウォーターラインより上にぷかりぷかりさせてくれなくちゃ。
冒頭、アンダーカレントの意味の注釈が表示されます。低層での水の流れを意味する言葉らしいけど、深層心理の意味合いが濃いような内容でした。でも、なんだかよく分かりませんでした。瑛大の役は気の弱さから嘘を重ねてしまうなら許せるが、黙って蒸発は相手無視だしイカン。先天性の嘘つきだって言っちゃってるし。仲がよかった年の離れた妹さなえをかなえに取られてしまったと感じたと告白したホリが、黙ってかなえに近づくのも気持ち悪い。康すおんのおじいちゃんはまるでホリが妹殺しだって知ってるような感じで近づいてきて、なんだか気持ち悪い。単行本一冊のコミックの内容はこんなに凝縮した内容なのか?
退屈になって、鼻毛3本も抜いてしまいました。抜いた鼻毛は足元に。決して前の席に飛ばしたりしてません。
大学時代の友人(江口のり子)から紹介された怪しい探偵、山崎役のリリー・フランキーは、最初の待ち合わせは喫茶店。
ヤマザキです。ても、本当はヤマサキなんです。釣りバカ日誌の浜ちゃんと一緒です。
なんてご挨拶。
最初の報告はカラオケボックス、次いで遊園地(サマーランド)、離島(神津島?)と毎回場所を変えながら登場します。
蒸発した夫の捜索を依頼された探偵が中間報告の待ち合わせ場所にカラオケボックスを指定し、まるで依頼人の気持ちをさらに落ち込ませるかのごとく熱唱。
うまい! 本家よりうまい!
裏切者の旅/ダウンタウンブギウギバンド
1976年。
アップストロークでアクセントを入れながら、昔アコギでよく歌ったものです。
🎵 おまえと会えないさみしさだけから行きずりの女を愛した俺
それほど長くもない旅に疲れ果てた心の片隅にお前の泣き顔がぼやけて映る
ひび割れた鏡の中に裏切者の顔がゆがむぅ~
色褪せた写真の中でお前の微笑みがおれの胸を刺すぅ~
🎵 明日の行き先を決めずにいるのは行きずりの女のやさしさなのか
それほど長くもない旅の続きなのにお前の住む町がやたらと懐かしく心に浮かぶ
ひび割れた鏡の中に裏切者の顔がゆがむぅ~
色褪せた写真の中でお前の微笑みがおれの胸を刺すぅ~
ホリはある意味ストーカーでした。
ダウンタウンだと、デビューシングルの「知らず知らずのうちに」です。
🎵 知らず知らずのうちに~ 君のあとをつけて~ 🎵 知らず知らずのうちに~ 履歴書を書いてた~
まんまとリリー・フランキーにもってかれちゃったような・・・
原作コミックでもカラオケボックスで裏切者の旅をうたうんでしょうか?
サマーランドの観覧車も乗ったことありますんで、懐かしかった~
アマガエルとドジョウも出てきます。
ドジョウは丸煮。
浅草のどじょう料理屋に行きたくなりました。
あと、叔母さん役の中村久美がすてきでした。
罪悪感は消えるのか?
今泉監督作品は
好き嫌いはともかく面白く観て来たので
今回も期待していた。
原作があるので仕方がないとは思うが
非常に後味が悪かった。
なぜ映画化しようと思ったのか…
【以下ネタバレ】
真木よう子演じるかなえの罪悪感は
堀さんの正体を知った時
より確かなものになるのではないかと
懸念した。
堀は
年の離れた妹への思慕から
同い年で似た雰囲気を持つかなえに対して
愛着を感じたのではないか。
そのかなえが
脅された恐怖心から
事件のことを誰にも話せずにいたことを
堀はどう受け止めるのか…
モヤモヤしてしまい
暗澹たる気持ちになった。
【”人を分かるってどういうことですか。死にたいと思った事はありますか。そして、嘘の人生と真の人生。”複数の関係する男女の、表層心理と深層心理の奥底に秘めた葛藤と真実を静的トーンで描き出した作品。】
■家業の銭湯を継いだかなえ(真木よう子)は、共に店を切り盛りしていた夫のサトル(永山瑛太)に突然失踪される。
暫く、店を閉めていたが再開した日にホリ(井浦新)という男が、住み込みで働かせて欲しいとやって来る。
◆感想
・夫に失踪されたかなえを演じる真木よう子さんの抑制した演技が、印象的である。
ー かなえは、前半風呂に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”を度々見る。このシーンが今作の大きなキーになって行く。-
・かなえを案じるように、静に銭湯の仕事をこなすホリ。
ー 彼が、抱えて来た深い哀しみも後半分かって来る。前半はイロイロと思索しながら鑑賞する。-
・そして、かなえは久しぶりに会った友人よう子(江口のり子)から夫の行方を探るため、探偵(リリー・フランキー)を紹介される。
ー リリー・フランキー演じる怪しげな探偵が良い。
そして彼はキッチリと仕事をする。明らかになるサトルの過去。
彼は両親を早くに失っていたと話していたが、皆嘘で、両親は2年前に火事で焼死。
深まる謎。-
・店の常連客の子供が誘拐され、かなえはを記憶の中で封印して来た過去の哀しき出来事を思い出してしまう。それは、仲の良かった女の子がかなえと遊んでいる際に、誘拐され殺されてしまった事件だった。
ー ここで、水面に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”の原因が明らかになるのである。かなえが押さえ込んでいた深層心理の奥底にあった真実。-
・更に、探偵により見つけられた夫サトルとかなえとの海辺の喫茶店での再会のシーン。
かなえは詰ることなく、サトルの話を聞くのである。
”小さい頃から、ごく自然に嘘を付いてしまう。会社を同僚の罪を被って辞めたのも嘘。あれは僕が仕組んだ事。”
”では、私への想いも嘘だったの”
”違う。君への想いが本物になってしまいそうだったから、逃げたんだ・・。”
ー サトルは、人間としては破綻しているように見えるが、多くの人も虚実入交の人生を送っているのではないか・・。-
・ホリの正体を暴いたタバコ屋の銭湯の常連さんのお爺さん(康すおん)。
”ホリが黙って姿を消そうとしたときに”何で戻って来たの。お兄さん。”と声を優し気に掛けるのである。
ー ホリは、かなえの親友だった女の子の兄だった。そして、偶々見かけたかなえの後を追って来たのだ。だが、彼にかなえを害する気持ちなどなく、逆に自分の亡き妹だと思って接してきた事が、かなえと夕食を共にしたときの、嗚咽する姿で分かるのである。-
■ラスト。ホリはいつものようにかなえと愛犬と散歩に出る。
但し、彼はそれまでと違い、少し後からかなえを守るかのように、歩くのである。
沁みてしまったシーンである。
<今作の解釈は多数あると思う。
上記の私のレビューは、私が鑑賞して感じた事である。
私は、今作は、”人間が虚実を抱えながら生きる中で、心の中に有る真の真実を描いた作品ではないかな。”と思いながら、劇場を後にした。>
偽る男たち。
夫婦で共同経営してた銭湯、ある日旦那が失踪してしまった話。
失踪で一時休業してた銭湯、営業再開するとそこへ突然現れた男(堀)、銭湯組合の紹介で銭湯での仕事をやりたいと…住み込みで働く事に、旦那失踪を調べる追う妻かなえと、謎の男のホリ…この町で起こった過去の事件で繋がってる二人だった…
旦那失踪の謎、突然現れた堀、銭湯組合のオッサンのセリフ「この銭湯で働きたいと言ってた(堀が)」堀のセリフ「組合からの紹介で」ってワードでこの先どうなるんだこのストーリーは?で一気に引き込まれました。
ベースはミステリーだけど、江口のりこ演じる友人よう子がかなえに紹介した胡散臭い探偵山崎(リリー・フランキー)、その山崎の調査報告が合間合間に入るんだけど、そこが何か個人的ツボでミステリーだけどちょっと山崎のセリフや仕草、行動が何か笑えていいアクセントになってたなと思いました。
で?かなえと旦那は山崎のお陰で再会出来たけど、失踪の理由はうやむやのまま?(笑)
個人的に思ったのはかなえさんってこれから相手が大事な話をしようとする時、旦那の時も堀の時もだけど必ずかなえの方から話をして話を相手にさせない感じに見えたんだけどこれ原因!?(笑)
人を分かるってどういうことですか ?
かなえを演じた真木よう子さんの表情が色っぽく魅力的。
心に辛い記憶やわだかまりを抱えて生きる姿を、真木よう子さん、井浦新さん、永山瑛太さんが演じる。
探偵山崎( ヤマサキだけど、ヤマザキでもある )をリリー・フランキーさんが魅力的に演じる。軽妙さと鋭さと温かみある人物を、柔らかな演技で魅せる。
ポツリポツリと語る悟( かなえの夫 )を演じた永山瑛太さん、江口のりこさん( かなえに寄り添う友人 )、康すおんさん( 煙草屋 )、実在してそうな演技はさすが。
堀( 井浦新さん)が嗚咽するシーンが胸に迫る。
ゴールデン・レトリバー君も好演でした 🐶
ー人は皆 本当の事より心地いい嘘が好きなんだ
映画館での鑑賞
アンカレ っじけいゆぱりゆき
原作未読だがフランスでも人気があるそうで、確かにそんな感じ(どんな感じ?)。幼児期の事件でその後の人生を狂わされてしまった人々。闖入者たる夫の失踪、そして身近に発生した子供の事件を媒体として思い出す過去、気づく自らのトラウマ。
終盤のふたつの場面の長回し入りカットバックは見ごたえ十分。タバコ屋の芝居がかったセリフ回しは自分にとってはキワキワだったけど。
真木よう子、もう少し綺麗に撮ってあげても良いのになどと思いつつ。帰宅したらAスタジオで爆笑しておりました。
リリー・フランキーはぴったり過ぎる配役、カラオケのダウン・タウン・ブギウギ・バンドもジャスト。そしておばさん役の中村久美。その昔atgの蜜月ってのを見たなぁと遠い目。変わらずお奇麗でした。
ところで、江東区にあんな丘?と思ったら日野市と出ておりました。
「人をわかる」という幻想
銭湯を営むかなえは2か月ほど前に夫に失踪され、臨時の手伝いとして堀という男性を雇い入れた。友人のつてで探偵に夫の捜索を依頼したかなえだが、彼女自身心の奥深くに、暗い記憶を秘めていた。
月毎に章立てて、季節で言うと夏から晩秋までの間のかなえと周辺の人々の様子を淡々としたタッチで描く。かなえの心の闇、堀の正体、失踪した夫の真意は中盤を過ぎるまで伏せられており、ちょっとしたミステリーのような風味もある。
特に堀は、真実が明かされる前はよく見るとさなえの兄と彼女を殺した犯人、どちらとも取れるように描かれていて、感情の見えない彼の挙動にはかすかな緊張感が漂っていた。
今回原作漫画は未読だったが、あえて未読のまま鑑賞し、その後原作を読んでみた。(原作を先に読むことも多いが、相違点の確認作業のようになって映画を楽しめないことが多い気がして。以下、原作のネタバレも含みます)
身近な誰かについて、全てを理解している、と臆面もなく自負する人はむしろ少ないだろう。だが私たちは普段、この人は概ねこういう人だ、という見込みのラベルを周囲の人間に対し貼って生きている。
そして日常を重ねる中で、そのラベルが見込みに過ぎないことを忘れがちだ。しかし実は、それは自分と相手の関係性の中という偏った視点から見えた相手のごく一部かもしれないし、あるいは相手がこちらに対し故意に見せている偽りを信じ込んでいるだけなのかもしれない。
この作品の主要な登場人物は3人とも、秘密を抱えていることをほのめかす描かれ方をされている。その秘密を想像しながら、そういえば自分は普段周囲の人たちに対して、こんなふうに彼らが見せない内面への想像力を働かせることが少ないなと気づく。
また、かなえの夫である悟の生き方と、探偵が拾い集めた彼の周囲からの評判を見ていると、人間の表層の姿、側から見た印象がいかにあやふやなものか考えさせられる。彼のように全くの嘘で固める人間はさすがに少ないだろうが、誰しも自分以外の人間に対しては多少なりとも自分を繕って見せる場面があるはずだ。むしろそれが自然な姿だと思う。
この作品は、人間の表面の姿と内面が違うことを否定的には描かない。人間の心は複雑で、時に自分自身のことさえ捉えきれないことがある。ましてや自分以外の人間を理解することは、本来途方もなく困難なことだ。
身近な存在であっても、相手のすべてを知ることは難しい。そう自覚する謙虚さと、大切な相手であればこそ、その分からない部分の存在にさりげなく目を凝らし、受け止める気持ちを持つこと。人と向き合うというのは、そういうことなのだと思わされた。
終盤、食卓で他愛のない会話から堀が号泣し、自分はさなえの兄であると打ち明けた直後、二人が距離を置いて散歩する光景に切り替わった。
幼いかなえが口をつぐんだのは犯人の恫喝によるものであって、彼女に罪はないから、かなえが堀に謝罪する必要はないと個人的には思う。彼女が、身の上を打ち明けた堀に彼の妹との最後の記憶を語ったかは分からないが、ラストカットで散歩する2人の間にはおだやかな空気が流れていた。彼らは互いに信頼しあえる関係になったと信じたい。
最後に2人はこうなりました、という明確な説明のないオチで、これはこれで決して嫌いではないが、原作ではどう描かれているか(あわよくば何らかの解釈の助けになる描写がないか)気になって、観賞後に原作を読んだ。
なんと原作では、堀はバスに乗りませんでした、というところで終わっていて、堀の告白も散歩のラストもない。映画以上の(見る側への)委ね具合に驚いた。
漫画ならこういう終わり方は個人的にわりと好きだ。でも確かに、この通りの終わり方で映像化されたら、映画としてのカタルシスには欠けるだろう。実際、映画でずっと無表情だった堀が泣いたところで、私はちょっともらい泣きしてしまった。なんとも上手いアレンジをしたものだ。原作を先に読んだ人はまた違う感想になるのかもしれないが。
それ以外は、尺の都合で省かれたエピソードはあるものの、台詞の細かい部分までかなり原作に忠実だ。原作の方がコメディタッチのやり取りが多いため、相対的に映画の方が重ためな雰囲気になっているが、映像化されて重要な部分が削られてしまっている、という印象はなかった。
それにしても、リリー・フランキーはああいう役が本当に似合う。しかも原作の探偵と雰囲気がもうそっくり。順番は逆だが当て書きしたかのようなフィット感。ぱっと見いい加減そうで、ドライな雰囲気を漂わせながら、彼独特のあの手この手でかなえを慰め、最後までかなえに付き合う優しさに癒された。
永山瑛太は、「怪物」での演技といい、何を考えているかわかりづらい、善人とも悪人ともつかない空気感を出すのが上手い。井浦新や江口のり子、康すおんも、適材適所のキャスティングだった。
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