劇場公開日 2023年10月6日

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「心優しい映画」アンダーカレント アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5心優しい映画

2025年2月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

リリーフランキー扮する山崎が「1年間に失踪する人は8万人いて、そのほとんどは見つからない」と言っていたが、帰るつもりはなく忽然と消えるのだから見つからないのは当たり前である。しかし、意外にも切れ者であった山崎は、劇中後半で主人公の真木よう子と失踪していた永山瑛太を岬のカフェで再会させる。
嘘を嘘で埋め尽くす生き方しかできない男に真木よう子にひたすら優しい。ぶん殴ってもいいシチュエーションなのに自分のマフラーを男の首に優しく巻いてあげる。
アンダーカレントとは、自分でもよくわからない心の奥底に流れているものなのだろうと解釈した。
井浦新が演じた堀も自分のとった行動など分析できる訳もなく、月の湯で働き、真木よう子を見守っていた。
ラストシーンは原作とは違うらしい。そのおかげで、最終カット堀の後ろ姿に観客は胸を撫で下ろし、エンドロールをゆっくり眺め、余韻に浸れた。

アベちゃん