劇場公開日 2023年10月6日

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「池と銭湯のあいだに。」アンダーカレント puccinoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0池と銭湯のあいだに。

2023年10月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

酒の席とかでよく「人に言えない話とかある?」って嬉しそうに聞いてくる人がたまにいる。
人に言えない、言いたく無い話があったとしても
そもそも人に言えないんだから
言えない話があるか無いかの有無さえも言わないのである。だから無いと答えるのが普通である。
これが嘘である。

子供の頃自分がやってしまったことで周りの大人たちが慌て出し次第に状況が一変し、
自分では手に負えない状況に急転していく様子を冷静に見ていたことがあった。それを思い出した。

普通の子供なら親に怒られるのが怖いから罪悪感なく
嘘を言い張る。
嘘がバレたら親に怒られて「どうして嘘ついたの!?」「そんな子に育てた覚えは無い!」と
突き放されたものだ。子供は親に突き放されたら寂しくなって悲しくなって結局最後には
親に「ごめんなさい…」って泣いてわめいて謝った。
嘘はいつかバレてそして怒られる。だから嘘はついてはいけない。
いつの時代もそうやって教えられてきたはずである。

それでも嘘を突き通した。そして今まで生きてきた。
ある事件での体験がきっかけで。

それにしても真木よう子の顔は違和感があり作り物のようにいつも無表情な印象。
だが最後の真木よう子の表情の変化と目の演技は最高によかった。
ようやく目が覚めて人間らしさを取り戻したようだった。

かなえは堀に真実を話すのか?
それともこれからも隠し通して生きていくのか?
かなえの迷いが最後の二人の距離間で物語っているようだった。

puccino