「ギャグエピソード減でシリアス増」アンダーカレント SsSsさんの映画レビュー(感想・評価)
ギャグエピソード減でシリアス増
原作から、少しニヤリとしてしまうようなギャグエピソードの多くがカットされてしまっており、
それに伴いなのか、一部の登場人物の性格も変わっており、
全体的にシリアスが強調された雰囲気になっています。
堀さんは、終始、悲観的に寄り過ぎている表情、声のトーンと喋り方で、
原作を尊重するのであれば、もっとプラマイゼロというかニュートラル寄りのキャラクターにして欲しかったです。
あとラストは原作と異なる終わり方ですが、
堀さんが泣くシーンは余計かなと思いました。
また、過去のトラウマを思い出して寝込んだかなえが、
看病しに来た堀さんに対して、
自分の首を締めるようにお願いするシーンがありますが、
カメラアングルがずっと引きで撮られているせいで、
堀さんがかなえの首を締めるのでは!と、一瞬見せかける、
視聴者に対してミスリードさせるような演出が分かりづらくなっており、
非常にもったいないと感じました。
山崎も、原作よりもお笑い要素がかなり少なくなっており、
リリー・フランキーがリリー・フランキーを演じているという感じでした。
原作の、遊園地で山崎が風船を空に飛ばすくだりが個人的にかなり好きだったのですが、
違う演出になっており残念でした。
サブ爺も、原作ではチャランポランなダメ人間だからこそ、
最後に堀さんを見送るシーンが際立つのに、
ギャグエピソードがカットされてしまっているせいで、
サブ爺の人となりも掘り下げられず普通のおっちゃんになっており、
コントラストが全く無くなってしまっているのが残念です。
個人的には、原作のギャグとシリアスの絶妙なバランス
からのラストの切ないエンディングがかなり好きだったので、
総じてやや残念、なんだか物足りない、という感想です。
あくまで、原作とは別物として楽しむ事をオススメします。