劇場公開日 2023年10月6日

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「その笑顔は本物ですか」アンダーカレント ゆり。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0その笑顔は本物ですか

2023年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

常に自分を全てさらけ出して生きている人などいない。意識的、または無意識に、誰でも何かしら心の奥底に抱え込んでいるもの。
かなえは失踪した夫の事を思うと辛いが、いつまでも落ち込んでいる訳にも行かないので、父から継いだ銭湯を再開した。周囲の人もそれとなく気遣って穏やかな日常を取り戻したかに見えたが、ふとしたきっかけで、自分の心の奥の感情に向き合うことになる……

サスペンス調ではなく、人の心のひだを丁寧に描いた映画です。人のさりげない思いやりが素敵で、無垢な赤ちゃんや犬が良いアクセントでした。最後の余韻も好きです。
(でもちょっと離れすぎ。あれじゃ尾行だよ)
人の心の中はそう単純ではなく、相手に必ずしも本心を全て打ち明けなくても、誠実に向き合っているならば、それは噓では無いのだ、と思えました。

ちょっと長い映画なんですが、無駄なシーンがあるという訳ではなく、夢の部分や余白をもう少しコンパクトにまとめればスッキリしたのかなと思います。

ゆり。
humさんのコメント
2024年1月27日

ゆり。さん
私もラストの距離は、2人の心境を想像すると、もうちょっとだけ縮めていいように感じました。
悟が消えたわけにも同感です。
彼がそう言ったときには、嘘がない気がしました。
それ以上の追求をしないのもかなえだからでしょうね。
誠実に向き合ってるならば、それは嘘ではないのだ…
なんだか心にのこる言葉でした。

hum
カールⅢ世さんのコメント
2023年10月25日

わたしの荒っぽいレビューに対し、丁寧なコメントをいただいて嬉しいです。ありがとうございます。
そうなんです。井浦新のホリが犯人(妹殺し)と決めつけるには動機が希薄過ぎます。ちょっと妄想が暴走してしまいました。でも、理解しがたい登場人物ばかりなので、直感に頼りました。今日は新宿で関東大震災での不幸な事件の映画を観ました。井浦新がほぼほぼ主役の映画でした。

カールⅢ世
ゆり。さんのコメント
2023年10月11日

NOBUさん、私も堀の想いについては同意見です。守りたい、という気持ちの他に、女性としての好意も芽生えているように感じました。だから、離れ過ぎに見えました。3、4歩くらい後ろが良いんじゃないでしょうか。あと、映画だから犬も訓練されていて普通に歩いていましたが、実際だったら、あまり離れていると、犬が堀を気にして何度も振り返ると思います。

ゆり。
NOBUさんのコメント
2023年10月10日

今晩は。
 素敵なレビューを有難うございます。一点。(これは私の解釈です。)ラスト、それまで一緒に犬の散歩に出ていた”ホリ”と”かなえ”が散歩に出るシーン。
 あのシーンは、”ホリ”が”かなえ”と別れようと思っていたが、自分が彼女を守らなければ!と思ったシーンと勝手に解釈しました。
 何故ならば、少し前に観た中国映画の「少年の君」のラストシーンを思い出したからです。
 私は、映画ばかり見ているように思われると思いますが、大切な家人との時間を優先します。週末は家人と夕食を摂りますし(夕食は私が作ります。)散歩に行く時には(ちょっと恥ずかしいので)家人の少し後ろを歩くようにしています。(もちろん、家人を守るためでもあります。そして、愛する女性の後ろ姿を見る楽しみもあります・・。ストーカーではないですよ。)僕達の週末、夕食を囲む際のお互いの笑顔に偽りはないと思っています。では。

NOBU
トミーさんのコメント
2023年10月10日

共感ありがとうございます。
自分でも上手く説明出来ない感情の動きとか衝動とか有ると思います、今作の人々はすぐ居なくなってしまいますが・・自分はどうしたい?どう思う?と格闘した二人の生活期間だったのだと思いました。
リリーさんと握手して別れた時の晴れやかな表情が思い出されます。

トミー
ゆり。さんのコメント
2023年10月10日

本作では私は、人を理解する、という事よりも、自分の本心を知る、という事を考えさせられました。自分は本当は何がしたいのか、どうありたいのか、案外分からないまま生きている人もいるんじゃないでしょうか。悟は噓をつき続けているうちにいつのまにか自分の気持ちが分からなくなってしまい、そんな自分がかなえの側で生きていくのが辛くなったのだと思いました。かなえを愛していたからだと信じます。

ゆり。
ゆり。さんのコメント
2023年10月10日

どんなに近い人でも、完全に理解なんか出来ないと思っています。すべて分かるのなら、会話の必要が無くなります。「わたしはこう思うんだけど、あなたはどう思う?」と聞かなくて済むのは、犬と赤ちゃんだけですね。

ゆり。
ゆり。さんのコメント
2023年10月10日

トミーさん、そうでした、アクセントはリリーさんの方でしたね。犬と赤ちゃんは癒し担当ですね。井浦さんは、特に好きでは無かったんですが、本作の井浦さんは良かったです。

ゆり。
トミーさんのコメント
2023年10月8日

口の重いARATAさんが寡黙に活躍したので、リリーさんが余計目立ちました、犬も。

トミー