「ネタバレで「映画館独自の」(×オンライン試写会の)作品上の問題点が多すぎる…(一応ネタバレ回避)」オットーという男 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ネタバレで「映画館独自の」(×オンライン試写会の)作品上の問題点が多すぎる…(一応ネタバレ回避)
今年75本目(合計727本目/今月(2023年3月度)10本目)。
いわゆる「町の嫌われ者」が主人公のストーリーです。
その嫌われ者の主人公がいろいろな人と出会って心を開いていき最後に…というストーリーですが、結局のところ「それだけ」といえばそれだけになるのですよね…。
この映画、どういうわけか「ペンシルベニア州応援枠」(いわゆる、文科省等の推薦枠のアメリカ版)らしく、そのことは最後にちらっと出ます。ただ、この映画の特性上、「かなり特殊な主人公」と「かなり性格が微妙な主人公」のため、「何を言いたいのかよくわからない」部分も多々あるし、「映画館独自の」(オンライン試写会では問題にならない)問題点が色濃く出る、ある意味で数年先まで語り継がれるであろう「特殊な問題作」ではなかろうか…と思えます。
この点、個人的にはどうか…と思ったところです。
さっそく採点いきましょう。4.0で四捨五入などなく4.0の扱いにしています。
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(減点0.3/スペイン語に関する配慮が足りない)
・ 隣人がメキシコだったか、南米出身という事情もあるのでスペイン語を話すシーンや、スペイン語に関するダジャレなども出ますが、スペイン語の部分が《~~》と別言語扱いされる字幕ではないため、何を言いたいのかよくわからない点がいくつかあります(ただ、この点は「気になる」程度でしかない)
(減点0.7/この映画の趣旨的に「映画館で」流すことの意味がよくわからない)
・ 上記のような主人公を扱った映画のため、エンディングロールにおいては「町で困っている人を見かけたら、下記のウェブサイトにアクセスしてお知らせください」というような表記が流れます(ペンシルベニア州の福祉行政の話ではないかと思います)。
この後、ずーっとエンディングロールが流れ、お約束の「勝手に撮影するな」「このお話はフィクションです」等が出てきておしまい…と思ったら…。
まだ部屋が明るくなっていないのに、「孤独な人を見つけたら、国や地域の福祉行政に連絡しましょう、お悩み相談室もあります」という「「日本の」厚生労働省」からの文章が3行ほど出ます(電話番号とウェブサイト)。しかしこの段階ではまだ明るくなっていないのでメモしようがありません。
この趣旨の「こまった人がいたら…」の類で話題になったのが「ディア・エヴァン・ハンセン」でしたが(このときはアメリカの福祉行政だけで日本語訳はされていなかった)、まさかこの映画でその「日本語による厚労省からの案内」を「明るくならない間に」3秒ほど出したところで誰がわかるのか…というところですし、そもそも論で精神的に追い詰められた当事者や親その他親しい方が映画館に来るのか…という別の問題も当然存在します。
この「日本語による」これらの案内は、このご時世ではいわゆる「オンライン試写会」では何の問題にもなりませんが(その部分「だけ」巻き戻したり、そこ「だけ」キャプチャを取るのは、法律的にはともかく、「一応」は合理性がある行動とはいえる)、映画館でそれをやると理由のいかんを問わずアウトです(映画館のスタッフの方がすべての作品を把握しているわけではない)。
つまり、自由にカメラスマホが使えるわけではない映画館において(そしてうるさいように毎回ポップコーンが頭の人の無断撮影の動画はある)、これを「明るくならない前に」出すことにどのような意義があるのか、まるで不明です(「盗撮はダメよ」の前の最初に流すか(もちろん、大切なメッセージがあるので、ポップコーンの前まではスマホカメラその他はご自由にお使いください、などの一言は必要)、無料での入場者特典の中におり挟むべきであり、厚労省の名前までクレジットされているのなら、厚労省も明らかに配慮が足りない)。
これらのことを考えると、「映画館で」見る分においては(逆にいえば、オンライン試写会や、VOD落ちした状況においては問題にはならない)、「何をしたいのか」よくわからない作品ではある、とは明確に言えます(正直、どうするとこうなるのかが不明すぎる)。
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