劇場公開日 2023年4月29日

「観たい度◎鑑賞後の満足度△ 「頭のおかしい女がこんな事をしでかしましてな」という描き方をしていないのは宜しい。が、映画としては生煮え。」私、オルガ・ヘプナロヴァー もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0観たい度◎鑑賞後の満足度△ 「頭のおかしい女がこんな事をしでかしましてな」という描き方をしていないのは宜しい。が、映画としては生煮え。

2023年5月14日
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鑑賞方法:映画館

①同情するでもなく糾弾するでもなく、一定の距離を取って対象を描こうとする映像にはある程度の力が感じられる。
ただ演出力の未熟さからか、脚本の構成力の未熟さゆえか、煮え切らなさ・物足りなさが残る。
②“心震える実話”“チェコスロバキア最後の女性死刑囚”という宣伝文句に惹かれ、予告編での同級生達に虐められるシーンや、「あなた達に死刑を宣告する」という独白、暴走する車の映像から、耐えきれなくなった主人公が同級生たちを牽き殺す『キャリー』みたいな話かと思い“面白そう”と思っていたら全然違っておりました。
まあ、勝手に思い込んだ私が悪いのですが。
③よく考えみれば、実話と云っても事件の有り様や本人の告白というのは事件の後で知るようになったことで、主人公の事件以前の部分は云わばフィクションに近い。死刑の前でも悟ったように粛々と刑場に向かったとか、本作の様に泣き叫びながら看守に引き摺っていかれた、とか数説あるようだし。
原作を書いた人は丹念な取材をいたかもしれないけれども、本人に取材した訳ではないので何処かにバイアスが掛かっていないとま限らない。
“最後の~”というのに簡単に心を惹かれてしまうが、考えたみればチェコスロバキアという国はもう地球上から無くなっているので、単にチェコとスロバキアに分かれる前の最後な女性死刑囚というだけかも知れない。
④と、御託は置いといて、

もーさん