「単純明快で面白い!」ロスト・フライト kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
単純明快で面白い!
悪天候を強行に航行させられたLCCの旧式旅客機は、案の定、緊急事態に見舞われる。
主人公の機長(ジェラルド・バトラー)が墜落を回避して不時着させた島は、鬼ヶ島だった…
実在するフィリピンのホロ島がどれほどの無法地帯なのかは知らないが、イスラム過激派の拠点となっていて、営利誘拐や周辺での海賊行為があることは事実。
日本の外務省はミンダナオ島からスールー諸島一帯を危険度レベル3に指定しているから、危ないのはホロ島ばかりではなさそうだけれど、この島にも街が存在し、普通に(と言えるかどうかは判らないが)生活している市民はいる。観光で訪れる人もいたりするらしい。
ともあれ、この映画で描かれている島の山間部は本当に危険区域のようで、映画上は正に鬼ヶ島と形容したくなる様相だ。
鬼ヶ島に不時着したクルーと乗客たちが生き残るために頼りになるのは、たまたま飛行機に乗り合わせた護送中の殺人犯だった…というコンセプトも面白い。
スピーディーで、スリルがあって、バイオレンス。
バトラー機長の危機を殺人犯(マイク・コルター)が救う図式だが、実は助けに来た傭兵たちが凄かったという…。
航空会社の本部には危機対処に精通したプロがいて、傭兵も手配できちゃうのだから、こういう危機は想定済みだったのかしら。
副操縦士役のヨソン・アンは実写版『ムーラン』に出ていた人。
CAだかパーサーだかを演じたダニエラ・ピネダは『ジュラシック・ワールド』シリーズの獣医さん。
この二人だけでなく、亡くなったCAも含めてクルーは立派に役割を果たしていた。
一番情けなかったのは殺人犯を護送していた刑事かな。
機長の絶体絶命の危機は案外あっさりと救われ、敵地からの脱出も意外とスムーズだったりする。
必要以上に煽らないから観ていて疲れない。
極めて単純な物語構成がいい。
最後、傷ついた機長バトラーがなかなか旅客機を折りないので、死んでしまうのかと思った。
仕事帰りに気軽に観て、疲れも飛ぶ面白さだった。
こんばんは❗️
いよいよ年末ですね。
確かに職業軍人だから、というのはあるかもです。
日本の自衛隊員は、人を殺す経験をしないで済んでいるのはとても得難いことですね。
敵とはいえ、人を殺した経験のある自衛隊員がテーマとなる映画が未来にも作られないことを祈ります。
(9条がどうとか、政治的な思想信条とはまったく別の話で、本当に平和であり続けて欲しい、それだけです)