ジョン・ウィック コンセクエンスのレビュー・感想・評価
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悲しき登場人物たちの影の物語を演出して欲しかった
人気シリーズ『ジョン・ウィック』のファイナル4作目。
新感覚の『任侠もの』のスーパーアクションムービーをかのキアヌ・リーブスが主演と惹き込まれた2014年の1st作から大きすぎた期待を外された続2作。
今回香港のドニー・イェン、日本の真田広之さん、イギリスからはスコット・アドキンスというそうそうたるアクションスターを揃え、殺陣(たて)シーンはお墨付き。観たことない連続するアクションシーンは凄い。
でも、ちょっと各シーンしつこい。ハリウッドから日本(ミナミの街)を描けばやっぱりこうなるのかぁとか。
プログラムを後で読めばストーリー構成が意外に?しっかりしてたとわかったので(^^; 長い殺陣シーンを30分削っても悲しき登場人物たちの影の物語を演出して欲しかったのは自分だけではないと思った
映画2、3本観たかと思った
ドニーイェン好きな僕には、ドニーミエン、ドニー麺、ドニーアエン、等、色々なドニーを満喫できて最高な映画で、まるで映画2、3本観たかの様な満足度。
単調になりがちなアクションをあの手この手で楽しませようとしているのも好印象で、キアヌも頑張る、真田広之も痺れる、何よりドニーイェンもキレッキレ。
唯一追跡者の彼だけ意味分からんのですが、犬仲間は結果仲間という事でしょうか。
どことなく漂う香港映画の様な謎の友情で最後はウィンウィンで終わるし、相応の痛みとカタルシスもある。
トンデモ日本は違和感感じつつも皆スタントを頑張っており、何よりアキラが良い感じ。
個人的には中盤のキングピンの謎の格闘能力に驚愕でしたが、まあ面白い。
日本公開が遅れた事もあり、世界的なブームに乗り遅れての今の公開なので寂しいスクリーン数ですが、一見の価値ありかと。
個人的には前作の数倍今作が面白いと思います。
p.s. 生きるって難しいですね。
手配度も満足度も最高。
グラセフって知ってますか?
グランド・セフト・オート。
ロックスターゲームズが誇る、倫理観無視の自由度が魅力のオープンワールドゲームです。
あのゲームで手配度が最大の「⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎」になった時のカオスさといったら。
プレイヤーを狙う敵がワラワラと押しかけ、無関係な一般市民や己の車が潰れようがが轢かれようがおかまいなしに銃撃してくる。
当然こちらも無差別に迎え撃つので、辺り一面は血の海。
地獄すぎて笑えてくるレベル。
そんなギャグのような状況を実写でやったらどうなるか?
それをお腹いっぱいになるまで大真面目に見せてくれる映画があります。
キアヌ・リーヴス主演、「ジョン・ウィック コンセクエンス」です。
「殺し屋」という、本来であれば何よりも隠密でなければいけないような業界の人たちが、国家権力が1ミリも存在しないのをいいことに、街中でドンパチボコボコグサグサやり合います。
中でも目を見張るのが凱旋門でのカーチェイス。
ぶつかるわ撃つわ轢かれるわ轢かれたの撃つわぶつかるわ轢かれるわ。
えっ…大丈夫?君たち世界一目立っとるで?
この世界では日常なの?
まあダンスフロアで殺し合いしてる横でも意に介さず踊り狂ってる奴らがいる世界だもんな…
ダンスに集中しすぎじゃない?レッスン中?
一番面白かったのは「オオサカコンチネンタル」ですね。
手裏剣と刀はまだ分かる。ハリウッドジャパンアクションあるある。
そんな事では今さら驚かない。
けど弓矢。弓矢って。
ハンガーゲームやってる?
マシンガンOKの世界ではものすっごい効率悪いやろ。
真田はオオサカを守る気あんのか。
案の定、鎧武者軍団とイップ師匠にめちゃめちゃされとるし。
そんな調子でキアヌも毎ステージでヘロヘロになってる。
体張りまくり。
中でも目を見張るのが終盤の、自分が知っている中で映画史上最長の階段落ち。
蒲田行進曲の6倍くらいあった。
なんで振り出しまで戻るんだよ。人生ゲームか。
こうやって色々とツッコミたい部分がたくさんあったんですけど、結局言いたいのは、ジョン・ウィックめちゃくちゃカッコ良いってことです。
火花が散るライフルを撃ちまくる姿も、リロードの仕方もガンフーも片言の日本語もかっこいい。
もちろんヌンチャク片手に銃を撃つ姿も。
なんだよこの組み合わせ。
とにかく傷だらけになりながらもクールなキアヌがセクシーで最高でした。
影響を受けてキアヌの真似したくなる。
嫌な奴が何か失敗した時とか「コンセクエンス…(報いだ…)」って呟いてしまうかもしれない。きもい。
これ以上ないくらいに綺麗な幕引きを見せながらも、最後の最後で「殺し屋」という職業の「終わらない業」みたいなものを感じさせる終わり方だったのが、個人的に大満足です。
ジョン・ウィックよ永遠に…
壮絶なラスト!そしてやっぱり犬🐕
全世界待望の「ジョンウィック4完結編」シリーズ最強2時間49分の9割が殺し合いという壮絶なラストでした!
前作で悪の枢軸・主席連合を敵に回したジョンウィック。
400万ドルの懸賞金を賭けられ出てくるヤツが全員殺し屋、街にいる奴が全員殺し屋で次から次へと休む間もなくまとめて襲いかかってくる!
今回の戦場は前半大阪、後半はパリ。大阪では刀と弓矢で武装した真田広之軍団を味方につけてヌンチャクを振り回しての大立ち回り!日本が舞台になるとチャンバラ・義理人情は欠かせません。
全身ボディアーマーで武装して撃っても死なない主席連合軍団は火を吹くナパーム銃で火だるまに!そしてスターウォーズ・ローグワンでも盲目役で出てきたドニー・イェンが盲目の座頭市役で重要な準主役を演じます。真田広之めちゃカッコいいです!娘役のリナ・サワヤマもお見事。
パリの凱旋門広場では何度も車にはねられながらの壮絶なカーアクション!この発想は凄い!
ラストのサクレクール寺院では222段の階段落ち。這い上がったと思ったらまた落とされての繰り返しでもう大変なのです。
いや、あんだけクルマにはねられてあんだけ階段落ちたら骨バラバラになるって!
ところでジョンウィックと言えば犬。愛犬を殺された復讐でマフィアを壊滅させてしまったのがそもそもの始まりなんだけど毎回ワンが大事な役で出てきます。前回はハル・ベリーの犬だったけど今回はジョンを狙う賞金稼ぎの相棒のワン。タマに食いつくように訓練された凶暴なワンなんだけど💦敵の犬でも犬は犬。殺されそうになったのを助けたことで味方に・・・犬は大事にしないとね。
最後エンドルールで席を立つ人が多かったけどエンドロールの後にまさかのオチがあるのでお見逃しなく。
え?また落ちるの?
入りは凄い!砂漠での馬上の銃撃シーン。
これから凄いのが始まるワクワクかあり。
そして中盤のコンチネンタル大阪。
まさかの日本、久々にザ・ニッポン、まさか日本刀と弓矢と手裏剣では戦わないって。ジュダイじゃないんだから。おまけに相撲レスラーって…、
と思いながらも真田広之にリナ サワヤマ、そのダブルスタントには伊澤彩織。やはり見せ場も中々。
そしてジュダイ登場。ドニー・イェン。
真田広之vsドニー・イェン。この大阪編はスピード感もあり100点。
しかし、ここから先は終わらない。まだまだ。もっともっと。バンバンバンバン。流石に長いガンファイト。スタントも凄いけど。終わらない。終わらない。
次の用事があるのに終わらなくて困った。
今回もキアヌは最高でした!
やはり初撃の威力はオソロシイ
アクションオペラ
アクションが出汁で、ストーリーは薬味。
そして、音楽がそば。
しっかり味わってください。
これに尽きます。
しかし、もっと楽しみたいのは、
アクションと音楽のセッション。
サントラはもちろん。
挿入曲が素晴らしい。
ラジオDJの演出がカッコいい!
アメリカングラフィティばりです!
今作は、ローリングストーンズが流れてくる!
めちゃくちゃクールです。
1番大好きなシーンでした〜
更に、ラストの決闘シーンは、マカロニウェスタンを彷彿とさせる演出。
イーストウッド好きには堪らない。
又、カンフー、剣術、カースタントetc...
様々な映画アクションにリスペクトがあり素晴らしい。
ラストシーン、倒れるとこは、カウボーイビバップを想像しちゃいましたw
クレジット後…
伏線回収されない?いや、されたんです。
あの演出は憎いなぁ…と
ジョナサンと友を比喩してるような気がして…
心地良い3時間でした。
私は地獄に行ったと思いますよ。
だって、因果応報ですもん。
製作サイドはケブラー繊維をガンダリウム合金か何かと勘違いしている。...
タマを狙え!
このシリーズは、有無を言わせぬキアヌ・リーブスのフルコンタクトアクションが売りで、その第一作から僕らを熱狂させた。毎作品のストーリーはもとより、シリーズの世界観さえも、すべて俳優たちの肉体を駆使したアクションが〈必然〉となるように仕掛けられている。完結編?となる本作も、どんなハードなアクションシーンを仕立てるか、さらにはそれを如何に迫力満点でフィルムに焼き付けるかに、監督や撮影は命をかけているのだろう。特に終盤に描かれる、ワンカットで真俯瞰移動の数分間に渡る肉弾&ガンアクションは目を見張る。このシーン(2回見せてくれる)だけでも木戸銭の価値は十分ある。銃弾飛び交う中でのフルコンタクトアクションが可能なのは、特殊素材のスーツは弾丸には無敵、という『発明』が物を言う。スーツで頭部を保護しながら戦えば、首から下は無敵というお約束が、ジョン・ウィックシリーズを支えているのである。
本作も『犬』が大活躍なのも記憶しておこう。
シリーズは本当に「終わった」のか?
長い「ジョン・ウィック」サーガと捉えれば、長すぎると言われる「尺」や「アクションシーン」も納得と言えるね。
ケブラー製のスーツの防弾防刃力の凄さったらないね。このスーツなしではこの話は成り立たない。
このシリーズの荒唐無稽さは、「殺し屋」のカルテルと「殺しをしてはいけないホテル」があるという設定かな。博多豚骨ラーメンズみたいだけど、規模が違う。
しかし、今作のキアヌはほとんど喋らない。真田広之の方が喋ってるかも。相変わらずのストイックさで、バンバン殺しまくるし、ぶつかったり殴られたり首つるされたり、200段の階段を転げ落ちたりするけれど、何故か立ち上がって200段を3分足らずで上がる。ムリ。
車に跳ねられたのも何回あったか分からない。三階から飛び降りて車にぶつかる。ムリムリ
挙句に最後の決闘で○○なわけで······▸タヒぬでしょ。普通。
こんな頑丈な人が3発の銃弾を受けたくらいでタヒぬ?
多分うすうす気づいていると思うけど、わざとらしい墓のシーンは事件から早すぎるし、エンドタイトル後のケインの事件も、盲目のケインが簡単にやられないような気もするし、NYのコンチネンタルに支配人は復帰するしで、次作を作る気満々じゃーん!✧\\ ٩( 'ω' )و //✧
副題は~REVIVE~で
ゾンビ設定ね。
ワンちゃんに始まって、ワンちゃんの恩返しで終わる
どこまでも続くようなアクション満載てんこ盛りで、もうホントにお腹いっぱい大満足でした
キアヌのアクションはさらに進化してるし、脇を固めるドニー・イェンと真田広之がこれまた良いのです
特にドニー・イェンがいたからさらに面白くなっていたように思いました
大阪のコンチネンタルホテルでのバトル、まずここがMAXかと思うようなアクション、これが序盤、ここからひたすら続いて飽きそうに思うのですが全く飽きないどころかずっと面白いのです
梅田駅は全然違うし、あんなホテルはないけど、でもきれいな日本らしさで、本当にあれば行ってみたいホテルでした
刀や弓で戦う子分なのに、ボスの真田広之が銃ってどういう事…と思ったら、ドニー・イェンとの刀での戦い、カッコ良かったです
凱旋門でのカーフー、寺院に着くまでの上から撮るアクションシーン、階段でのバトル、どこも見せ場の連続でした
ドニー・イェン、真田広之だけじゃなくて、ミスター・ノーバディ+ワンちゃん、室伏広治似の伯爵の手下、ビル・スカルスガルドも良かったです
ビル・スカルスガルドのきれいなイケメンさがさらに嫌なやつに見せてくれてました
LOVING WIFEとLOVING HUSBAND
ラストはしんみり、この言葉が切なくさせるんです
これでジョン・ウィックが見納めとは寂しいけど、とっても面白いシリーズでした
相変わらずの殺しっぷり⚒️🪓🔫🗡️
大阪コンチネンタルホテル、すごい殺し合い。何処に隠れてたのか何処で着替えたのか不思議なほど大量の外国っぽい?SFぽい鎧兜の殺し屋。キアヌ・リーヴスはもちろん、真田広之もキレキレでかっこいい。盲目のケインもいちばんキレキレかも。まあとにかくすごい。ただ冷蔵庫や展示物から刀やら朱鞠剣やら武器が出てくるけど、なぜヌンチャク?まず最初のツッコミどころ。
ドイツでのディスコでの闘い、コレもすごいが、客、何故逃げない?逃げるの遅いよね。コレもツッコミどころ。
パリ、凱旋門での次々湧き出る殺し屋とのカーチェイスも凄いね。アレは一般人絶対巻き添えになってるだろうなあ、気の毒に。跳ね飛ばされても絶対死なないジョンウィック。ワンちゃんもはねられてたのが可哀想。でも今回も噛みつきワンフーが観れて楽しかったわ!
サクレクール寺院での階段、せっかく上まで登ったのに落とされて。また登って転がって。アレだけ転がれば普通ボキボキだろうけど、さすがのジョンウィック。
ケインとの友情が逆に悲しい。
なんとか間に合っての決闘。結婚、葬式、決闘は正装で。と用意してくれたスーツもヨレヨレです。ジョンウィックもなんかヨレヨレです。今作、1作目をおもうと、少々ジョンウィック、お疲れの様子。まあ、闘いのレベルが違うから仕方ないか。決闘の結末は友情を感じるし、胸くそ悪いクソ侯爵のざまあみろなラストに胸スッキリ。
ただ、そういう最後なの?てことはもう続きはないの?残念!
エンドロール後、せっかく助かったケイン、娘に会えると思ったのに、、、まあ、アキラからしたらそうするか。
今回も見逃して帰ったお客さんチラホラ。残念ね。
今回IMAXでの鑑賞。今日は私事ですが誕生日で、せめて誕生日にはイライラクヨクヨしたくないので有給をとり、映画館に行くと決めている。今年も休めて良かった〜
楽しみだったジョンウィックがちょうど観れてラッキー✌️今年で5回目。いつまで続けられるか。
チャプター4 最後か?
とてもよかった
第1作目はすごく好きだったのだけど、2作目からは町中いたるところに殺し屋がいて、インフレを感じた。今作は2時間40分もあってジョン・ウィックにそんなにつきあっていられないと億劫だった。
普段は極力ネタバレを避けるのだけど、それほど思い入れがないので、ギンティ小林さんのネタバレ分も含めて解説をしっかり読んで見たら、非常に見どころが明確になり、2時間40分飽きずに楽しんだ。
大阪の変な日本の場面は、先日『グランツーリスモ』で違和感のない日本描写に感動したばかりなので、あちゃーと思ったのだけど、外国人が求める日本はむしろこういう世界観ではないのだろうか。こんな感じのホテルを外国人向けに開業したらインバウンド需要が高まる。
パリの凱旋門でぐるぐる回るアクションがすごく面白い。ジョンが何度も車にはねられてハラハラする。階段をせっかく上ったのに下まで落ちてつらい。
最後の決闘、銃を渡された途端、ドニー・イェンと一緒に親分を撃ち殺すのはダメなのかな。どこからどこまでがルールかよくわからない。
前から思っていたのだけど、あの殺し屋組織は理不尽がまかり通って、持続不可能だ。ジョンみたいな強力な殺し屋に親分が殺される。幹部も殺し屋もwin-winのシステムを作るべきだ。
アクションに次ぐアクション。物語にアクション場面があるというより、もはやアクション自体が物語ります。しかも全てのアクションに、実に様々な工夫が凝らされているです。その完成度と迫力に驚かされました。
平穏な暮らしを求める元殺し屋が、愛犬を殺されたことから修羅と化してロシアン・マフィアを皆殺しにするという2014年の「ジョン・ウィツク」からはや9年、憂いをたたえた愛犬家キアヌ・リーブスが暴れまわるシリーズも4作目。今回は、裏社会のルールを破ったため、世界中から狙われ、彼と組織とのワールドワイドな激闘が描かれます。
本作で、ファンの夢が一つ、かないました。アクションの歴史を背負う3人の共演が実現したのです。リーブス、ドニー・イェン、そして真田広之。ただ顔をそろえたわけではありません。スタント出身のチャド・スタエルスキ監督が目指したのは、世界最高峰のアクション。そこに向かって三つの歴史は重なり、壮麗な「頂点」を作り上げたのです。
■ストーリー
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)。地下に身を潜め、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がるのでした。 組織内での権力を得た若き高官ヴィンセント・デ・グラモン侯爵( ビル・スカルスガルド)は、聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケイン(ドニー・イェン)を強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出すのです。そんな中、日本の友人、シマヅ(真田広之)の協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れます。果たしてジョンは、かつて忠誠を誓った世界との決着をつけて、真の自由を手にすることができるのでしょうか?
■解説
一作ごとに肥大化、長尺化してきた本シリーズ、今回は何と2時間49分。もちろん見どころはキアヌが群がる敵と戦うアクションです。しかしそのベクトルはリアルな臨場感を追求した「ミッション:インポッシブル」シリーズとは対照的。銃や刀剣、格闘術を合体させ、エキゾチックなまでに華麗な様式美を極めたアクションの博覧会であり、もはやストーリーの流れや登場人物の感情は二の次となっています。いくらクオリティーが高い見せ場もここまで長いとありがたみも薄れます。ただ、仏サクレクール寺院の長大な階段での攻防など、遊び心あふれる仕掛けに目を奪われました。
今回、ウィックは真田が演じる旧友シマヅを頼って、大阪に現れます。そこは裏社会の拠点として世界各地にある殺し屋御用達の「コンチネンタルホテル」の一つ。シマヅは大阪の支配人です。ウィッグをかくまっていることがばれ、ホテルを大勢の殺し屋たちが襲撃します。
その中にはイェンがふんする盲目の刺客ケインもいて、ウィッグを付け狙うのです。
忍者、力士、ヤクザ。幻想のニッポンを体現するシマヅの部下たちが、弓矢や日本刀で殺し屋軍団の銃撃と激突します。そしてシマヅとケイン、つまり真田とイェンが、刀を交えるのです。そこからは、アクションに次ぐアクション。物語にアクション場面があるというより、もはやアクション自体が物語ります。しかも全てのアクションに、実に様々な工夫が凝らされているです。その完成度と迫力に驚かされました。
東映アクションで真田が見せてきた、伸びやかでスタイリッシュな動き。リーブスがシリーズで進化させてきた、銃撃と柔術などの格闘技を融合させたトリッキーな「カンフー」。香港クンフー映画を代表するイェンの中国武術。日、米、香港のアクション映画を担ってきた3人が、それぞれの歴史を感じさせつつ、見せ場を作り上げます。そこに犬を連れたスナイパーや、巨体の殺し屋らが絡むのです。
■感想
…というような粗筋は、実はどうでもいいのです。シマヅのホテルを急襲するケインは盲目の殺し屋であり、仕込み杖を振るいます。それはイェンが敬愛する勝新太郎の「座頭市」シリーズに捧げるオマージュでといえるのではないでしょうか。スター・ウォーズ・サーガに出演したとき以上に、本気の「座頭市」ごっこを楽しんでいるように見えました。
舞台はパリ、ベルリン、NY、大阪とアクションも超過激にスケールアップ。世界を舞台にしたスケール感やセットの豪華さ。裏社会の奇妙なルール。弾丸を通さないスーツなど小道具の面白さ。見どころは多いですが、それらは全て、アクションのためにあるのです。すごすぎて、時には笑ってしまいますが、同時に感動もさせられます。
シリーズの底流にあった和風好みを本作でも全面展開。対戦相手への敬意と信義といった“武士道精神”、柔術や合気道、空手に相撲まで交えた格闘技。アジアの両雄、真田とイェンの一騎打ちはシリーズ最大の見ものでしょう。ただ、なんちゃってニッポン的なセットはジョークか勘違いでしょうか。大阪のホテルに浮世絵の壁画、よろいの飾り物、相撲取りが警備員という魔訶不思議な日本描写には失笑しました。
パリの凱旋門のロータリーでは、すさまじいカーアクションが繰り広げられます。サクレ・クール寺院へと続く長い階段では、ウィッグが戦っては転げ落ち、上ってはまた戦う。スタントパフォーマーの原点であり、危険な「階段落ち」が延々と繰り返されるのです。アクションへの純粋な愛を感じて、胸が熱くなりました。それは、映画への純愛といえるのではないでしょうか。
■最後にひと言
真田広之やドニー・イェンヘの敬意を隠さないキアヌ・リーブス。キアヌはドニーと共演し、拳を交わせる幸運を純粋に喜んでいるように見えます。
キアヌにとってはこの映画はドニー・イェンとのアクションがすべてであり、それがいつまでも続いてくれと祈っているようにさえ見えるのです。だからキアヌが最後の決闘の舞台となる教会までの長い階段を一歩ずつ、襲いかかる敵を倒しながら登っていくが、あと一歩のところで足を踏み外して派手な階段落ちをくりひろげるのも、この楽しい撮影を止めたくないというドニーとキアヌの思いが生みだした延長時間なのかもしれません。
前半は退屈地獄、後半は爆上がりの大傑作アクション
さて、本作の画面内だけでいったい幾人の殺人が行われたでしょうか?戦争とか爆撃を除き、娯楽映画において記録的な死者数なのは間違いない。主人公がそれこそ1人ずつ1人ずつ正当防衛で応戦してゆく、その気になればカウント出来るアクションで、殆ど漫画の世界です。しかしこのボリュームと質が凄い、ちょっとこれはアクションの革命では? 前半はやたら切った張ったの殺し合いシーンが延々と長々と繰り返され、ド派手ステージでも次第に瞼の重さに耐えきれず・・。ですが、大阪・ベルリンと壮絶アクションを経て、いよいよのパリに入ってからが凄い、実に凄い、眠気も吹っ飛び一挙に評価も爆上がり。
いよいよの落とし前、決着をつけるべく決闘のクライマックスへ。
①エッフェル塔を臨むシャイヨー宮での事前会議。あの観光地でよくぞ撮ったり。クランシー・ブラウン扮する告知人が仰々しく決闘の段取りを決める、翌朝日の出の06時03分に、遅れたら即刻死と。
②エトワール凱旋門を取り囲むロータリーでの壮絶アクションにはドキモ抜かれました。激しい交通量のど真ん中で、無論CGを駆使しなければ到底無理な激しいアクション。グラモン侯爵の命による怒涛の暗殺者の群れが決闘に行かせまいとジョナサンを襲撃する。当然に車に跳ね飛ばされ、ひき殺され、無論ジョナサンは死ぬはずがないけれど。
③建物内がこれまた圧巻。真上から見下ろすショットでのワンカット長廻しのあり得ないアクション。特殊銃で激しい火花とともに被弾すると一瞬で炎に包まれる。これを天井の壊れた廃墟の設定で次々とジョナサンとともに部屋移動、バタバタと敵が倒れる延々と。余程の緻密なセッティングが無ければ全く不可能なシーン、しかも長い。
④寺院へのフォワイヤティエ通りの近道に設けられた220段の階段歩道。早く駆け上がらないと決闘時間に間に合わない、なのにおぞましい数の敵が待ち受ける。途中からはドニー・イェン扮するケインも応戦に加わり、切って殺して階段を転げ落ちる。とんでもなく危険な撮影で、やっと階段上まで登ったと思った瞬間、ジョナサンは突き落とされ220段を転がり落ちる。キアヌ自身で相当に演じてるのが凄い。スタントマンだって②や③で殺され役を演じて尚ここでも登場、ふと顔が見えた時あれさっき殺されたスタントマンに似ていると。普段はモンマルトルの雰囲気濃厚な名所での夜間ロケーションは壮絶だったことでしょう。
⑤サクレ・クール寺院。やっと決闘会場へ、まるで古代ギリシャ劇のステージよろしく様式美たっぷりに寺院を背景に描く。手前は下に向かう階段で、ほとんどオペラでしょう。満身創痍のジョナサンも遂にここで致命傷?を負い、決闘に勝利したものの階段半ばで崩れる。
ここまで見れば観客のボルテージも沸点です。
キアヌ・リーブス扮するジョナサン(ジョン)は決闘の前に、ローレンス・フィッシュバーンらの支援側から防弾スーツなるものを提供され、死に装束か祝の衣装かとして提供される。ならば全身覆うものをこの生地で作ってくれればいいものを、激しいアクションの最中に片手でスーツの襟を立てて防御するくらいなら、と思いますよね。こと左様に突っ込んだらキリがない。巨大ディスコの真ん中で殺人がド派手に行われていても、なんら支障なく踊り狂っているのですから。そうゆう作品です。
もとよりクンフー・スタイルの生身アクションが売りの本シリーズ。ハリウッドのトップスターにも関わらず積極的に自身で取り組むのが評価されている。大阪のホテル・コンチネンタルの巨大セットでの連続アクション、続く真田広之演ずるシミズとカンフー・スターであるドニー・イェン扮するケインとの死闘、さらにベルリンでのディスコでの一大乱闘。それぞれ工夫があり見所満載でしょうが、いかんせん一本調子となり、正直飽き飽きが前半の実態。2時間49分は流石に長い、前半をもう少し切り詰めればね。
ドラマなんてどうでもよろしいとは言わないが、ひたすらアクションの潔さ。本シリーズのチャド・スタエルスキ監督さんは、調べたらスタントマン出身で「マトリックス」でキアヌのスタント担当とは、長い信頼関係があってこそ。それにしても全編スタイリッシュな様式美で統一、ギトギトなネオンとごちゃごちゃカオスが欧米人の求める日本像なんですから、手裏剣が登場しても驚く必要はありません。さらに本作は音響が素晴らしく、ほぼ全編ディスコのビートが良いセンスをしてますね。
真田広之もドニー・イェンも60歳ほどであの切れ味は素晴らしい。ローレンス・フィッシュバーンは僅かな出番ですが流石の威圧感。なにより本作のヒールであるビル・スカルスガルドの狂気がなければ本作は成り立たない。30歳そこそこで長身をエレガントな装いでまとめ、独裁ぶりをキレイにまとめるなんざ、立派なものです。兄アレクサンダー・スカルスガルドそして父ステラン・スカルスガルドと、長身の堂々たる体躯で確かな存在感のスター一家です。
「妻のために生きた」と墓標に記されたジョンですが、さて「5」は? きっとあるでしょう、もうすぐ還暦のキアヌ・リーブスがその気なら。実際スピンオフ作品として「バレリーナ」のタイトルでジョン・ウィック役をキアヌが演じ、2024年夏に全米公開と記されてますから。
正直、前作でうんざりだったし、長いし・・・
確かに最初のチャプターは斬新で衝撃的だったので、相当気に入ったので、続編も見続けていたのですが、さすがに前作ではもうお腹いっぱいな感じで、この3時間近いチャプターは見なくてもいいかなと思ったし、耐えられないと思ったのですが、これで〆という告知だったので、半ば仕方なく・・・正直、後ろ向きな気持ちでの観賞でした。
しかし、それら負の思いが完全に吹っ飛ぶくらい素晴らしい作品でした。
これまでのガンファイトは決して失うことなく、むしろマックスでパワーアップしていたし、相変わらずハリウッド的な派手なニッポン描写ながらも非常にナチュラルかつあらゆるリスペクトを感じる演出だったし、この尺で終始ずっとアクションの連続で恐れ入ったといった感じだったし、所々で差し込まれるブラックユーモアが絶妙なスパイスとなっていて、時々不自然きわまりなく思ってしまう演出までもがブラックユーモアとしてにんまりしてしまうぐらい効果的で、とにかく良さをあげたらきりがありません。
あくまで絶対的アクションエンタメ映画だというスタンスを保ちつつも、あまりに濃密な内容だと感じたのは、やはり色んな要素を組み合わせながらもそれらが見事に融合するように仕立て上げられていたからなのでは─。悪く言ってしまうと寄せ集めとなるのでしょうが、時代劇や任侠ものがまさかの西部劇に・・・といった感じですからねー、まさに創意工夫というところではないでしょうか。
俯瞰の長回しとか階段スタントとか素晴らしかったなぁ。あれだけでも、もはや名作といっても過言ではないように思うのですが─。
最後も、まさかあんなに感動するとは思わなかったし、そのさらに最後の最後、(エンドロール後もしっかり見ないともったいないですよ!)、数々のあの〆も予想を超えていくもので、まさにスタンディングオベーションといったところです。
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