「もお、Yeahhhhh⤵️」ジョン・ウィック コンセクエンス かなり悪いオヤジさんの映画レビュー(感想・評価)
もお、Yeahhhhh⤵️
キアヌが疲れている。衣装のケプラー製防弾スーツからは、長年積み重なった疲労感が滲み出ているのだ。それもそのはず往年のアクション・スターも今年で還暦を迎える、赤いちゃんちゃんこである。あのトム・クルーズは例外中の例外として、周囲を見回してもこの年齢でこんな激しいアクションをこなしているハリウッド・スターは皆無である。本作品で共演したイップマンことドニー・ウェンは63年生まれの61歳、真田広之は60年生まれの63歳、オヤジを通りこした爺さんたちが、息をゼイゼイ切らしながら老体にムチ打った無双アクション・ムービーなのである。
「完全に終わりにしてくれ」本作の撮影にのぞむ前にキアヌが製作陣にお願いしたことは、ジョン・ウィックというキャラを完全にこの世から抹殺すること。まぎれもない「死に場所を求めて彷徨っている幽霊」であるジョン・ウィックことキアヌの願いがかなったラストになってはいる。が、製作陣の一人が「10%くらいは(生きている)可能性を残しておこうかな」と何ともドSな発言をしていたそうで、うかうかしているとまたぞろ“5”なんてことにもなりかねないシリーズ最終章なのである。
大阪コンチネンタル・ホテル、ベルリンのナイトクラブ、そしてパリの凱旋門~サクレ・クール寺院。もうやりたくないと公言しているキアヌに、容赦無しの無双コンバット✕3である。ゆえに上映時間はアクション映画にしてはやたらと長尺ななんと169分!!次から次へとゴキブリのようにわいてくる殺し屋の皆さんを全てキアヌ一人で、というのはあまりにも可哀想すぎ。そこでジョン・ウィックのヘルパーとして登場するのが、ドニー・イェンであり、真田広之であり、(今一キャラが弱い)🐶とコンビの黒人さんなのである。
このシリーズを観ていて以前から思っていたことがある。ハイライトになっている“無双”アクションの元ネタは、『マトリックス・シリーズ』のネオvsスミス(複数)にあるのではないのかと。ウィックの命をつけ狙う侯爵(ビル・スカルスガルド)は“リローデッド”のメロヴィンジアンを彷彿とさせるキャラだし、その腹心であるイタリア人の着ているスーツの色が“ツインズ”と同じグレー。“1”や“レボリューション”にも出てきた地下鉄で、「ガンズ(銃をくれ)」というキアヌの台詞を聴いた時、やっぱりそうだったんだと思わず納得してしまったのである。
ならば、ブクブクに太ってとてもアクションなどできそうもないモーフィアスことローレンス・フィッシュバーン(62歳)にも、無理やりにでも“無双”のお手伝いをさせるべきだったのではないだろうか。もしもフィッシュバーンがボロボロのホームレス衣装を脱ぎ捨てて、“おいでおいで”のポーズなんぞをキメたりするシーンがあったのならば、本作は間違いなく還暦オールスターズによるマトリックス・リタイヤメント?キアヌも納得の幕引きができたことだろう。ね、キアヌ?Yeahhhhh⤵️