「犬は味方」ジョン・ウィック コンセクエンス MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
犬は味方
何故半年も本国から公開が遅れたのか。
体感3年位に感じたぞ。
さて、石を投げれば殺し屋に当る世界の一応の完結編です。長かったなぁ。劇中は1週間程しか経ってないのに。
本作の上映時間は2時間50分。インド映画かよ。RRRでも休憩入れるぞ。
と思ったが、まったく退屈しない約3時間。さりげない会話シーンも伏線になっていたり、その後に激しいアクションシーンが待っているのをシリーズファンは分かっているので退屈なシーンなどほぼ無い。
それどころか映像美も素晴らしいこのシリーズの世界にまだまだ居たいと思った。膀胱が許す限り。
ストーリーはちょっと無理筋に思えたが、チャド監督はアクションファンが観たい絵を心得ているので、そんな事より君等が観たいのはコレだろ!とばかりにアクションを畳み掛けて来るのでひたすら楽しい時間でしかなかった。
監督はアクション愛を惜しみ無く披露する人なので、前作でもマーク・ダカスコスやヤヤン・ルヒアンをキャスティングして好事家を喜ばせていたが、今作でもドニー・イェンや真田広之、スコット・アドキンスにマルコ・サロールと、配役に抜け目がない。すぐ殺られちゃったショートカットの娘は伊澤彩織だったんかなぁ。
けどスコット・アドキンスはナイスバディのイケメンなのにあんなブサイクのデブにする必要あった?良かったけどさあ。
あとマルコ・サロールのキャスティングも流石と思えたが、あそこまで引っ張るなら是非マイケル・J・ホワイトに演って欲しかった。しぶといキャラピッタリでしょ。
このシリーズは回を重ねる事にアクションは派手になるけどエモーションは弱くなるのが残念なポイントだったが、今作は男同志の友情がエモーションを高めてくれる。
「情けない奴、誓印だけが絆では無い!」
「1つ借りだ」「これで貸しは無い」
「さすがだ」
エモいなぁオイ。監督ジャンプ読んでんのか?
シリーズ4作目だというのに新たなアクションや演出が至る所に有り、飽きさせない工夫も実に素晴らしかった。ユエン・ウーピン御大の演出を間近で見てきたのはチャド監督の財産だろう。
シリーズはこれで一応の完結らしいが、この "石を投げれば殺し屋に当る世界" はまだまだ続くらしい。
今後どんなキャスティングとどんな演出で楽しめさせてくれるのか、アクション映画バカは期待して待ってます。
シリーズ全部、オススメ。
蛇足
行定勲監督は予算や期間にブツクサ言わず、これを百回観ろ。