「正直、前作でうんざりだったし、長いし・・・」ジョン・ウィック コンセクエンス SHさんの映画レビュー(感想・評価)
正直、前作でうんざりだったし、長いし・・・
確かに最初のチャプターは斬新で衝撃的だったので、相当気に入ったので、続編も見続けていたのですが、さすがに前作ではもうお腹いっぱいな感じで、この3時間近いチャプターは見なくてもいいかなと思ったし、耐えられないと思ったのですが、これで〆という告知だったので、半ば仕方なく・・・正直、後ろ向きな気持ちでの観賞でした。
しかし、それら負の思いが完全に吹っ飛ぶくらい素晴らしい作品でした。
これまでのガンファイトは決して失うことなく、むしろマックスでパワーアップしていたし、相変わらずハリウッド的な派手なニッポン描写ながらも非常にナチュラルかつあらゆるリスペクトを感じる演出だったし、この尺で終始ずっとアクションの連続で恐れ入ったといった感じだったし、所々で差し込まれるブラックユーモアが絶妙なスパイスとなっていて、時々不自然きわまりなく思ってしまう演出までもがブラックユーモアとしてにんまりしてしまうぐらい効果的で、とにかく良さをあげたらきりがありません。
あくまで絶対的アクションエンタメ映画だというスタンスを保ちつつも、あまりに濃密な内容だと感じたのは、やはり色んな要素を組み合わせながらもそれらが見事に融合するように仕立て上げられていたからなのでは─。悪く言ってしまうと寄せ集めとなるのでしょうが、時代劇や任侠ものがまさかの西部劇に・・・といった感じですからねー、まさに創意工夫というところではないでしょうか。
俯瞰の長回しとか階段スタントとか素晴らしかったなぁ。あれだけでも、もはや名作といっても過言ではないように思うのですが─。
最後も、まさかあんなに感動するとは思わなかったし、そのさらに最後の最後、(エンドロール後もしっかり見ないともったいないですよ!)、数々のあの〆も予想を超えていくもので、まさにスタンディングオベーションといったところです。