「アクション映画を一つ上の次元に高めた意欲作」ジョン・ウィック コンセクエンス LCさんの映画レビュー(感想・評価)
アクション映画を一つ上の次元に高めた意欲作
恐らくシリーズ完結編となる今作では、ジョン・ウィックという作品を一つのジャンルにまで昇華させたのではないかと思います。
その要の一つにドニー・イェンの存在があります。彼の過去作はほぼ観ていますが、まだ引き出しがあったのかと驚かされました。多くは語れませんが是非劇場でご覧ください。
また、長回しの戦闘シーンが相変わらず多く、特に見下ろし視点でジョンがショットガンの弾薬を焼夷弾にしたドラゴンブレス弾で敵を次々と倒していく場面はほぼワンカットで撮られています。
オリバー・ストーンがこのシリーズを「映画というよりゲームだ」と批判していたそうですが、明らかにゲームからの影響を隠していません。恐らくこの見下ろしシーンはホットライン・マイアミというゲームを参考にしているのではと思います。
スーツ一枚で銃弾を弾いてしまったり、ジョンの異常な耐久力・回復力など荒唐無稽な点も否めませんが、カメラワークやテンポ、クリエイティブな殺害シーンは暴力を芸術の域にまで高めているのではと思います。日本人キャストやスタッフが作品づくりにおいて重要な部分を担ったのも嬉しいところです。
かつて『イップ・マン 完結』でドニー・イェンを苦しめたスコット・アドキンスが特殊メイクで巨漢のギャングを演じており、巨体から素早い攻撃を繰り出すのも注目ポイントです。
とにかく斬新なアクションとドニー・イェンを観たい方にお勧めです。
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