劇場公開日 2023年11月24日

  • 予告編を見る

「「アルカディア」の監督コンビがロックダウン下で撮った低予算のDIY映画」サムシング・イン・ザ・ダート 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「アルカディア」の監督コンビがロックダウン下で撮った低予算のDIY映画

2023年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッドの監督コンビは2012年のデビュー作「キャビン・イン・ザ・ウッズ」以来、この最新作を含む長編監督作5本でいずれも、大まかにホラー/SFにジャンル分けされるB級テイストの映画を撮り続けてきた。「モンスター 変身する美女」「アルカディア」「シンクロニック」(ちなみにこの3本はAmazon Prime Videoのサブスクで鑑賞可能)はいずれもそこそこの予算規模を感じさせる出来だったが、2020年の新型コロナのロックダウンに直面し、さまざまな制約のなか自分たち2人を含むごく少人数のチームで出演から撮影から何でもこなすDIY感覚で「サムシング・イン・ザ・ダート」を作ることにしたという。

今作では超常現象と陰謀論を扱っていて、モキュメンタリー的な要素もある。監督コンビの過去作の中では「アルカディア」といくつかのリンクが認められる。予備知識なしで観たら映画学科の学生が撮った自主制作映画のようなチープさに面食らうかもしれないが、彼らの作風が好きな人なら「制約が多く予算も限られるなかでがんばったな」と評価できるのではないか。

高森 郁哉