「「何もわからない」という迫力」見知らぬ隣人 今日は休館日さんの映画レビュー(感想・評価)
「何もわからない」という迫力
コメディとシリアスのごった煮感はいかにも最近の韓国映画的なのですが、ちょっとそのバランスが悪いなー、という印象はあり。もう滑るスレスレのところで、なんとかシリアス側が踏ん張って均衡を保ってる感じ。もう少し真面目にやっても良かったのかな、と。
一方で「主人公がわからないことは、鑑賞側もわからない」というコンセプトは、『どんでん返し/ネタばらしを最後に見せてビックリスッキリ』が蔓延りすぎている現状に対するアンチテーゼとして、好感が持てるスタンス、意気込み。
「何が起きてるか、全然分かんない」ということが、後半にかけてグイグイと迫力や緊張感に昇華されていく。どことなく『saw』を思い出すシチュエーションなのだけど、枝分かれして進むゴールがまったく正反対。
「18時までに申請したい!」とか「もうお酒飲むのやめる!」とか、主人公の目的や反省が、すっごいしょうもないのもいいですね。目の前の出来事と生活感の落差。
最後の終わり方も、嫌いじゃないです。
なんだろう。まぁそんなもんだよな。的な。
非日常の出来事を誇張せずに、日常に飲み込まれていく感じ。隣の部屋で人が死んでも、まぁなんかこんなもんかもね。みたいな。
コメントする