「数学を美しく語れるが、人生は不条理だった。」不思議の国の数学者 カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
数学を美しく語れるが、人生は不条理だった。
脱北した天才数学者と
挫折寸前の男子学生の生き様を描いた
泥臭い人間ドラマだった。
無機質な数学には何の匂いもないが、
学問を成績や価値などの実利に評価し出すと、
学問がパンドラの箱となって有象無象の化け物となる。
学問と思想の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソンは自分の正体を隠したまま、名門私立高校の夜間警備員として働いていたが…
無愛想なハクソンは学生たちから避けられていたが、
ある日、数学が苦手なジウから数学を教えてほしいと頼まれる。
正解だけが全ての世の中に疑問を感じていたジウに問題を解く過程の大切さを教える中で、
ハクソンの人生に思わぬ転機が訪れる。
天才数学者でさえパンドラの箱を開けずにはいられなかった。
そしてさらに、数学でそんな不条理な人生を検算証明できてなかったことが映画作品として腑に落ちない結末であったことは残念だ。
故に星四つです。
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