「もはや脚本には期待せずに「何でもアリ」レベルのアクション満載で迫力のある映像を楽しむシリーズ映画。いよいよ最終章に突入。」ワイルド・スピード ファイヤーブースト 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
もはや脚本には期待せずに「何でもアリ」レベルのアクション満載で迫力のある映像を楽しむシリーズ映画。いよいよ最終章に突入。
2001年の第1作目から、スピンオフ作品を除けば第10作目となる作品。
ここまで長期間シリーズが続くと、登場人物が増えすぎていて把握するのも大変になってきます。
本作でも新鮮味を出すために、さらに登場人物が増えますが、いよいよこの大ヒットシリーズも最終章に突入しました。
前2作で無双ぶりを発揮していた“サイバー攻撃を仕掛ける頭脳派”のサイファーから、「最狂」の敵・ダンテ・レイエス(ジェイソン・モモア)へと「敵」が変わります。
このダンテは、第5作目「ワイルド・スピード MEGA MAX」で登場した「ブラジルの麻薬王エルナン・レイエス」の息子なのです。
このようにキャラクターや設定が増えすぎないような工夫は見られますが、もはやカオスなくらいに、あちこちで抗争が勃発し、徹底したアクション重視に舵を切っています。
本シリーズの醍醐味は、これまで見たこともないようなカーアクションシーンを見せる点にあるため、この方向性は正しいのかもしれません。
最終章の始まりとして、敵・ダンテの「最狂」ぶりを見せ続けるのが本作の位置付けなのでしょう。
次の映画で終結するという話でしたが、最終章は3部作構想になるという話も出てきています。
仮に3部作になった場合は、間延びせずに「引きになる構成」にすることが重要ですが、どうなるか注目したいと思います。
本作の評価は、脚本を重視すると低くなります。
ただ、本シリーズの意味合いを考えると、如何にアクションシーンがキチンと描かれているのかが重要なのでしょう。
その視点で見ると、やや141分は長くは感じましたが十分に「最終章の入り口」にはなっていたので合格点です。