「べっとり絡みつく過去」岸辺露伴 ルーヴルへ行く しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
べっとり絡みつく過去
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NHK総合で鑑賞(地上波初放送)。
原作マンガは未読。
普段俺様キャラな岸辺露伴にも、年上女性に一目惚れしたかわいらしい初恋の過去があったとは。露伴のキャラクターを掘り下げるだけでなく、それが本編の謎に密接に関わって来るストーリーテリングが上手くて引きつけられました。
ルーブル美術館ロケ、かなり贅沢で映画向きだなと思いました。建物の広大な佇まいや豪華な美術品の数々、内装の豪奢さは、是非ともスクリーンで観てみたかった気もします。
邪悪な黒い絵の謎へ導く導入も巧み。不可解な死の連鎖が起こり、その不気味さが魅力的でいつの間にか物語の世界に入り込んでしまい夢中になっていました。黒い絵に秘められた過去が壮絶で、人間って醜くて尊い生き物だな、と…
過去って、忘れようとしてもついて回るし消し去ろうとしても無理。べっとり絡みついて離れない。まるで幾重にも張り巡らされた蜘蛛の巣のように。黒い絵の顔料が蜘蛛に化身したのも納得です。黒い絵を見ると、過去の罪や後悔に自分自身が殺されそうになるわけですが、私にも大なり小なり身に覚えがあり、黒い絵絶対見ちゃダメ勢。過去に苦しみながら生きねばならないのか。しかし過去を清算することは出来る。露伴が己の過去と向き合い、葬り去るべきものではないと悟ったように。
[余談]
木村文乃の放つ、アダルティーな存在感が素晴らしかったです。まさしく理想的な「年上のお姉さん」。悶絶です。
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