劇場公開日 2023年5月26日

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「待望の映画化だが、そもそもルーヴルの必然性が感じられない」岸辺露伴 ルーヴルへ行く tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0待望の映画化だが、そもそもルーヴルの必然性が感じられない

2023年5月27日
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もともとがルーヴル美術館から出された企画で原作が作られたようだが、映画を観ると、「ルーヴルへ行く」必然性が感じられず、映画化に際してのスケール感を出すためだけに海外ロケをしたように思えてしまった。
それは、250年前に日本で描かれた絵がルーヴルにあることの不自然さもさることながら、前半の露伴の若かりし頃の回想と、終盤の謎の女性の過去にまつわるエピソードが、日本独特の情緒に溢れていて、ルーヴルのパートとの間に大きなギャップが感じられるからでもある。
ルーヴルの地下倉庫で、一度にたくさんのことが起こった末に、一気に問題が終息してしまうのも呆気ないし、何の伏線もなく「後悔」や「罪悪感」に苛まれる人々の姿にも唐突感を感じてしまった。
模写に紛れて贋作を作ったり、オリジナルを売りさばくエピソードも、必要だったとは思えない。
全編を通して日本を舞台にした上で、サスペンスやミステリーをジワジワと盛り上げるような作り方をした方が、一貫性が保たれて良かったのではないだろうか。
ところで、オリジナルの「黒い絵」と贋作の「黒い絵」が全く違う絵柄なのは、どうしてなのだろうか?にもかかわらず、贋作の「黒い絵」にも、オリジナルと同じ「邪悪な」効果があるのは、やはり絵の具が関係しているのだろうか?だとしたら、その絵の具は、御神木のないフランスで、どのようにして手に入れたのだろうか?
それから、スタンドは、使い手本人や死人(幽霊)に対しては使えない(例えば、東方仗助のスタンドの治癒能力は、自分には使えない)と思っていたのだが、勘違いだったのだろうか?

tomato