劇場公開日 2023年5月26日

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「エッジの効いたカットが多いコミックを見事に実写映像化。深い物語を独自性のある展開で解き明かすサスペンス映画。」岸辺露伴 ルーヴルへ行く 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0エッジの効いたカットが多いコミックを見事に実写映像化。深い物語を独自性のある展開で解き明かすサスペンス映画。

2023年5月26日
PCから投稿

荒木飛呂彦のマンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズはエッジの効いたカットが多すぎたり、彫刻のような人物像など、実写化するのは困難でした。
ところが、はまり役の高橋一生の主演により、2020年にスピンオフ作品のドラマ「岸辺露伴は動かない」が登場し高評価を得ました。
そのスタッフが、荒木飛呂彦の初めてのフルカラー読切作品で「映画でしか実現不可能」なレベルの「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の映像化に挑んだ映画です。
本作は、パリのルーヴル美術館が舞台になったりしますが、一つ一つがマンガの構図と同様にエッジの効いたシーンが多く、作り手のこだわりをそこかしこに感じます。
ドラマを見ている人なら物語に入り込みやすいでしょうが、ドラマを見ていない人でも分かるように、漫画家・岸辺露伴の特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を最初の方で自然と紹介してくれています。
テーマは、この世で最も邪悪な「最も黒い絵」の正体とは?
光を反射する「鏡」と対になるような、光を飲み込む「最も黒い絵」は実在するのかを追究していきます。
スムーズに進んでいき、「あ、これで終わりか」というようなシーンに行きつきます。でも、そこでは終わりません。
まだ解けていない謎があるからです!
あえて言えば、起承転結・結のような独自性のある表現で謎を追究し続けるのです。
「ヘブンズ・ドアー」を使った細かいトリックなど、要素が入り組んでもいるので、丁寧な構成ながら、「全容を把握できるか?」と私たちに挑んだ作品とも言えます。
こだわり抜いた映像と共に、謎解きの面白さもあるサスペンス映画の傑作誕生です!

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細野真宏