丘の上の本屋さんのレビュー・感想・評価
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読書の楽しさと大切さを教えてくれる物語
幼い頃の昭和時代を連想する緩やかに嫋やかに流れてゆく時間。素晴らしい隣人たちと助け合うお付き合い。読書の楽しさと大切さを教えてくれる物語。リベロとエシエンの素敵な関係、ニコラとキアラの微笑ましい恋愛
丘の上にある本屋さんは出会いと別れの場。この本屋さんを舞台に、様々な人の人生のささやかな交流の一コマが描かれていきます。
ボスターの図柄がとても良い感じ。
古書店の爺さんと少年の交流を描いた作品…うん
なんか良さそうな雰囲気なので鑑賞です。
丘の上で本屋を営む友人=リベロ。
年齢経歴不詳。…お年寄りなのは間違いない。
営業開始と同時に店に駆け込んでくる男。
ごみの中から拾った本を買い取れ と言う。
男の言い値を値切りつつも買い取るリベロ。
店番のかたわら読み出す。
1957年頃から始まる、若い女性の日記らしい。
今の生活から抜け出したいと願う内容だ。
※そんな昔の日記がゴミに捨てられるとは思えないので
日記風の物語なのかもしれませんが、正体は不明です…
店番のかたわら、読み進めるリベロ。
繁盛しているようには見えないのだが
彼の店には色々な人がやってくる。
・隣のカフェの店員の男
⇒ 一人で店番をするリベロを気にかけ、頻繁に本屋にやってくる
のだが、その理由は他にもあるようだ。
カフェより本屋にいる時間の方が長い男。 (仕事しましょう)
古書店に現れる女性客が気になっているらしい…
・コミックを探している若い女性
⇒ 勤め先の奥さんに頼まれて「コミック」を探している。
ネットで探せば良さそうなものだが
自宅に届いたら「マズイ」 ものらしい。 何か 気になる…
・かつて自分が著した本を探す男
⇒ 他人に気前良くあげたり貸したりしていているうちに
気がつけば手元に一冊も残っていないという…あらま
買い戻すべく探しているというのだが…
・店先に現れた少年
⇒ アフリカ系の移民の少年。
読み書きはできるが本を買うお金は無いようだ。
そんな少年に、リベロは本を貸し与えるのだが…
で、この少年とリベロとの交流をメインに話は進む。
貸した本を読んでどう思ったか 毎回問うリベロ。
少年は感じたことを言葉にし、リベロが意見を添える。
そんな事を重ねていく毎日。
貸す本の内容も、徐々に難しい内容に変わるのだが
少年は苦にならないようで、きっちりと読破していく。
途中からリベロにとって、
何を貸そうかと考える事や少年との読後の会話が
生きがい・楽しみになっているようで
少年の来訪を心待ちにするリベロ。
ある日、リベロがいつもの時間より遅くやってくる。
病院に寄って検査の結果を聞いてきたためらしい。
「どうだったのか」と気にかけるカフェの男に
特に問題があったとは伝えないリベロなのだが
多分どこか悪いのでは? との予感が…。 あー
と、まあ
お話は全体的にゆるい展開で最後まで続きます。
登場人物の「探しもの」や「願い事」がどうなるのか
何よりもリベロと少年の交流の行き着く先はどうなのか
そんな事を想いながら暖かく見届ける内容です。
私には、色々と心に沁みてくる作品でした。
まあ、観て良かった。
◇あれこれ
■リベロが少年に貸した本
・まんが ※ディズニーの作品
・イソップ物語 ※肉をくわえた犬の話
・ピノキオ ※子供向けの本では読んだかなぁ
・白鯨 ※挫折した記憶のみ…
・星の王子様 ※プチプランス( TVアニメ)は観た かも
・伝記(シュバイツァー) ※偉人全集とかに出てくる人
・発禁本 ※まだ早いとダメ出ししてました…。 気になる
※他にもあった気がしますが…。
■原題
「 Il diritto alla felicità 」を訳すと (グーグル先生 ^-^)
「幸福への権利」 との結果でした。
リベロが最後に少年に贈った本のタイトルが
「世界人権宣言」 だったのですが、
その理由がなんとなく分かったような気がします。
※リベロが少年に貸した本は、少年向けが多い中
最後の1冊だけが浮いている気がしたのです。
「君には幸せになる権利がある」
こう伝えたかったということなのでしょうか。 はて
■ルイーダの酒場
は、ドラゴンクエストの世界の話ですが
この古書店みたいに沢山の人が集まっては去っていく姿に
「出会いと別れの酒場」 という言葉が浮かびました。
(この映画では、酒場ではなく 「古書店」 ですが…)
■人生の交差点
人と人とが出会い、行き過ぎていく場所。
この本屋は、色々な人にとっての交差点のような場所で
そこで起きる、何気ない人生の1ページを描いた作品かも。
…そんな事を考えていたら
「人間交差点」(作:弘兼憲史) という80年代の漫画作品が
頭に浮かんできました。
読んだ当時、とても印象に残った作品です。
※と、書いてはみたものの。。
良く考えると「丘の上の-」 と比べる作品では無いかなぁ… ・_・
◇最後に
この作品、派手なイベントも演出も無いので、
観る人によっては退屈に感じる気もします。
(ワタシも少し眠くなったりは…ごにょごにょ)
ただ、リベロが他者(特に少年)に向ける
「眼差しの優しさ」に共感できるのであれば
鑑賞後にじんわりと暖かな気持ちになれる作品なのかも
そんな風に思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
時々は立ち止まってみるのも良いかと
リベロおじいちゃんと移民少年との 本を通しての心の交流が軸です。 それ以外にも本屋さんを訪れる人物への リベロおじいちゃんの的確なアドバイスなどがあり 人の日記を見てニヤニヤしてしまうおじいちゃんの姿にも 古き良き時代のおじいちゃんを感じます。 リベロおじいちゃん役のレモ・ジローネ氏 いいですね。声がいいです。 フェラーリの会長さん役の方でしたか。 威厳があっていいです。 結末がまたいいです。 なんでもデジタルで便利になる時代ですが 時にはこんなアナログなホッとできる時間が必要です。 若い人も身体や頭を休める時間を大切にして欲しいです。 自分のように健康を損なってからでは遅いので。 娯楽性は無いですが、良き作品と思います。
本好きにはたまらない映画
とっても良かった。本好きなら尚更かと。本に興味がない人はもしかしたら退屈かもしれない。けれど、物語の奥深さを知ればきっと、子どもの頃に読んだ絵本や物語を思い出して、懐かしい気持ちになるかもしれませんね。本棚に陳列された背表紙を見るだけで興奮する人は否応なしにぜひ見るべき。 本を真ん中に挟んで語り合うリベロおじいさんと少年の微笑ましいこと。そして本を探しに来た友人、隣人、初顔の人たち、それぞれ性格は違うけど、本を愛してることはみんな同じて笑顔が見える。美しい町並みや風景も人の何気ない日常がうかがえる様子も、物語の一部で目に焼き付いています。 入場者特典があることを知らず、栞が貰えて嬉しかった
本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。
イタリア中部の風光明媚な村。丘の上の小さな古書店が舞台です。老店主のリベロ(レモ・ジローネ)は、店先で本が買えずに眺めていたアフリカ大陸西部に位置するブルキナファソからの移民の少年エシエンに声をかけます。 リベロはコミックから児童文学、小説、専門書と貸し与えていきまか。好奇心旺盛なエシエンは都度感想を述べ、知識やものの見方を身につけていくのでした。 本を通じて深まる老人と少年の友情が心地よいところ。またそれぞれの背景を持つお客さんがやって来る本屋を。優しく定点観測する視点もよかったです。 物語はシンプルで緩いけれど、本を読むことは素晴らしいこと、とこの映画は教えてくれます。本を読む楽しさ、本から学ぶこと、そして本を読んで考えることの大切さがストレートに響いてくるのです。 隣のカフェで働く青年とリベロの会話、古書店に本を探しにくる少し風変わりな連中からも人の営みやにおいが感じられました。リペロが読み進める本に挟んであった若い女性の日記も、物語のように人生の味わいが立ちこめます。 そしてリベロは、イタリア語で「自由(Libero)」を意味する自身の名の通り、エシエンに自由であること、誰もが幸せになる権利を持つことを伝えていくのでした。 終盤にリベロがエシエンに贈る本に驚き、すぐにうなずきました。本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。 物語の舞台となる “イタリアの最も美しい村”のひとつ、チヴィテッラ・デル・トロントの息をのむ絶景や、石造りの歴史ある街並みを味わえるのも本作の大きな魅力。石造りの歴史ある街並みが美しく、この村の日常をずっと見続けたくなりました。 そしてアップで捉えられた、移民の少年の未来への希望を感じさせるキリリとした表情が、鮮やかに心に残りました。 終盤にリベロがエシエンに贈る本に驚き、すぐにうなずきました。本と読書、生きることへの愛情に満ちた好編だと思います。
自由
丘の上にある本屋を営むお爺さんと、周りの人々との日常を描いたハートフルな作品。観る予定はありませんでしたが、時間の兼ね合いで鑑賞。スクリーンとスクリーンの間を小走りで移動しました。
ほっこりした作品に仕上がっていました。大きな衝撃こそありませんが、短い上映時間で訪ねてくるお客さんとの会話を客観的に楽しめる作品になっています。
少年と店主がマンガから小説で繋がっていくというストーリーは年齢の壁を超えた友情が感じられてとても良かったです。最初はミッキーマウスのマンガから、そしてメジャーな児童作品、やがては辞書サイズの大長編を渡すなど、店主が少年の純粋さに動かされ、たくさんの知識を受け渡すのはさながら実の爺と孫にも見えました。
終盤で、店主が亡くなった後に残した本が人権宣言だったり、ユニセフにうんたらとかはよく分かりませんでした。映画を作る際に団体に出費してもらったのかなとは思いましたが、なんだかそんなオチはやめてくれ〜って感じでした。
鑑賞日 3/7
鑑賞時間 15:55〜17:30
座席 I-10
読書しましょう
こういう知への信頼とか敬意とか渇望とかが文化を育てて、あの国で例えばエーコみたいな人を生み出すのだと思った。自分も子供の頃リベロおじさんと出会っていたら、くだらん本で時間を無駄にせずに済んだのに。
のんびりしたイタリアの田舎町の風景
2023年劇場鑑賞51本目。 タイトルから勝手に韓国のラブストーリーだと思っていたら全く違っていたぜ! イタリアの田舎(といっても田園という感じではない)にある古書店のシーンがほぼ9割で他も徒歩圏内しか出てこない、ほぼワンシチュエーションものとなっています。 そこの老店主と隣のカフェ店員(長身のイケメン)、お客さん、そして近所の子との交流を描いています。 本でお客さんの人生を変える、というような展開はほぼなく、(子供は別)約90分ゆったりな時間が流れていく感じです。カプチーノを飲みながら観るといい感じかもしれません。しかしイタリアのコーヒーのカップ小さいな!
気のいい本屋のおじさん
試写会で鑑賞。 相談を受けながら本を選んでくれる。時には貧しい子には無料で貸し出して教養を惜しみなく与えてくれる優しいおじさん。平和な日常のお話。 時々出てくる山の風景と、本屋周辺の風景が合致しなくて違和感あった。
やさしくあたたかな物語
⚫︎とてもネタバレですので鑑賞前の方はご注意を。
アパートの重い扉を閉め、小さな歩幅でゆるゆると続く丘の坂道を少し上ると自身が経営する小さな古本屋に着く。いくつかのポッケに手を突っ込み探り出した鍵で錠を開ける。
丘のてっぺんで店主のいつもの1日がゆっくり始まる。
狭い間口の店の奥にあるリベロの椅子からは、さんさんと太陽を浴びる明るい色の石畳みが真正面にみえ、向こうの山手の樹々の緑がその奥に映える。
イタリア中部のからりとした風が吹き抜けると揺れる葉枝は、青く澄んだ開放的な空へと手を伸ばしているようだ。そんな景色がいつもそこにある小高い丘の道には歴史の味わいを感じさせる古いアパートや小さな店が静かに並ぶ。
穏やかな人の往来やカフェのテラス席でくつろぐ姿が田舎ののんびりした心地よい空気を漂わせている。
年配のリベロを気にかけて時々様子を見に来たり、すすんで重いものを運んだりしてくれる隣りのカフェの店員ニコラとの会話から、リベロが商売的な儲けよりも本を介して人とのコミュニケーションを大事にしていることがわかる。
もちろんリベロの本への愛情は熱々で、尋ねてきた客にはそれぞれにあわせて丁寧に対応し、何かを伝える使命を感じているようにみえる。
そんなリベロの店の先、反対側からの石の坂をすたすたと軽い足取りで登りながら移民の少年エシエンがやってくる。
リベロに借りた本を返し、会話をし、また違う本を貸してもらいに。
エシエンには本を買えるお金はない。
以前、興味深そうに店頭の本を眺めていたところをリベロに声をかけられ、一冊貸してもらったのがその始まりだった。
エシエンにとって本を貸してもらえることは、自分の世界がひろがる今までにない楽しみだっただろう。
リベロはある時は孫に、ある時は息子に接するようにエシエンに本を勧める。
そして、返却の都度感想を尋ね、お返しにちいさなヒントを与える。
そんな交流を経て、やがて彼らは大きな歳の差の友達になっていく。
エシエンが読書に夢中になるにつれ目に輝きが出て足取りも快活になり、リベロと話すことで表情が豊かになり自分に自信をつけていく様子は微笑ましく嬉しく感じた。
リベロもまたこの小さなお客さんとの会話や次の本を選ぶことを小さな生きがいにして楽しんでいるようにみえた。
いつものように大事そうに本をかかえ店に向かうエシエン。
しかし、たのしい時間が突然に終わったことを知る。
ドアの前で、愕然とするエシエンを抱き寄せたニコラはリベロから預かっていた別れの手紙を現実の前に立ち尽くす彼の小さな手にそっと渡すのだ。
エシエンにとって辛い別れだったが、丘の上の本屋さんとの出会いは、まちがいなく豊かな経験だった。
本にはたくさんの魅力があり、その考え方を教えてくれたリベロと過ごした日々が記憶に残ったのだから。
観客の私たちは、未知のドアを開けながらすすむわくわく感を初めて知ったエシエンの気持ちを味わう。
そして、誰かを支える力が本にあることを信じるリベロが、古本屋の主人としての最後の役割をエシエンに向けた気持ちを受け止め自分の胸の深いところにそっと置く。
これから成長していくエシエンに大切なものを教え続け、彼には悟っていた命の陰をみせることなく遺言に託すことを済ませていたリベロ。
エシエンを心から応援していたリベロのチャーミングでダンディな人柄はあの店がある丘の陽だまりときっと同じあたたかい匂いがしたような気がする。
そんなリベロをさりげなく見守っていたニヒルでちょっとキザなイタリア男・ニコラもまた、心優しく真面目でよき信頼でリベロと結ばれていたことがわかる人物だった。
本作には、彼ら主要人物の暮らしぶりや本屋にやってくる様々な客たちの背景は描かれておらず、全て想像に委ねられている点が魅力のひとつなのだと思う。
少しずつみえるものに私たちが思い描いたものをプラスして観ていいのだ。
それはまるで説明の最小限な絵本を手にとったときと似ている。
リベロの名のように自由な発想でつくりあげる醍醐味をそのままに…。
凹凸すら趣きになる石畳みの感触、青い空、樹々を渡る風を感じながら丘の上の本屋さんにたどりついたら、きっとあの奥の席でリベロの話をエシエンが生き生きとした目で聞いているのが見える気がする。
そして私の自由な発想は、おもむろに顔を上げたリベロがやさしく出迎えてくれるんじゃないかと思ってしまう。
どーんとくる最後だけは、もうすこしオブラートに包みたかったので、そこだけ薄目をあけてみるくらいがいいかも^^;
修正済み
リベロの優しさに癒される
イタリアで最も美しい村の一つ、チビテッラ・デル・トロントで、丘陵地帯を見下ろす丘の上にある、小さな古書店が舞台。店主のリベロはある日、店の外で本を眺めていたアフリカ・ブルキナファソからの移民少年・エシエンに声を掛けた。イタリアに来て6年、好奇心旺盛なエシエンを気に入ったリベロは次々と店の本を貸し与え、読書感想を聴くのを楽しみにしていた。エシエンもリベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾け、本の感想を語り合ううちに、2人は友情を築いていく、という話。 読書の素晴らしさを満喫出来る作品。リベロがエシエンに読ませていた本を読んでみようと思いパンフレットも購入した。たくさんの本が紹介されていて貴重なパンフレットだと思う。 最後にエシエンに贈った世界人権宣言の本は重要な内容が書かれているんだろうと思う。誰もが幸せになる権利がある、って事以外、移民の子供に勇気を与えるような。 店主リベロ役のレモ・ジローネの博学で優しい語り口が素晴らしかった。 エシエン役のディディー・ローレンツ・チュンブがイケメン少年だった。今後の活躍が楽しみ。 古本屋の訪問客もそれぞれ個性的で面白かった。 古本屋の有る丘からの風景が美しくて素晴らしかった。イタリアは何度も行っているが、ここは行ってないので、これから行きたい場所に追加しておこう。 その他、公園のベンチでカップルが人前でキスしてたり、平日の昼間に田舎のカフェでオシャレな女子が居たりと、イタリアの日常らしい様子も見れ、良かった。 家政婦のキアンは可愛かった。 広島で公開が無かったから岡山遠征して観賞したが、それだけの価値が有った。
フリー素材…??
やっすいBGM、フリー素材ですね?? あと、風景は綺麗だけど、いったいどこから撮ったの? 店先から見た感じでもないし…。 土地の全体像が見えない、取って付けたような切り貼り感。 まさか、これもフリー素材??? つーか、ここは本当に丘の上なのだろうか…??? おじいさんに向けられた、強めの女優ライトもナゾ。 最後にナゾの安安ロック…。 本への愛は伝わってきたが、人物描写が希薄で、 移民の少年の家族構成も、学校の様子も、何にも見えない。 そもそも、おじいさんは家でどう過ごしているの? そんな事はきっとどうでもよくて、本屋が主役で、 本屋という場所を生命体として描いているのかな??? それくらい、各人物の詳細無視。 移民の少年は、別に差別されたり迫害されてる訳でもないのに 「世界人権宣言」とか唐突に渡されて、どういう気持ちになったのでしょう…。
本は人生のサポーター
自分が小さい時の小学校の教師が言いました。「本は心の栄養である」と。正直自分は活字に触れるのが苦手ですが、それでも本をたまに読むと「なるほどなぁ」と思う時があります。自分の考えを見直すきっかけになったりします。あの時の先生の言葉はあながち間違ってない。もう少し本に触れていたら、もう少し自分の考えの地盤が固くなってたかも、もう少し自分の考えの伝え方も変わっていたかも、レビューも良く書けるようになっていたかも(笑)。もし小さい時に本作の主人公:リベロと出会っていたらそうなっていただろうか?本作は少しそう思える、穏やかで温かみのあるイタリアのカントリームービーです。 ストーリーの舞台はイタリアの小さな町の丘にある小さな古本屋。老人店主リベロは、隣のカフェで働く陽気なニコラに手伝ってもらいながら静かに経営していた。時には本を買い取り、時には個性的な客が来て対応したり、暇なときは買い取った本の中にあった“日記”を読んだり。ある時貧しき移民の子:エシエンが店頭に並ぶ漫画を眺めていた。リベロは「貸してあげるから終わったら返しにおいで」と言ってエシエンに漫画を渡す。本が好きなエシエンは一気に読み上げ、すぐに返しに来た。彼が本好きだと気づいたリベロは、少しずつ読み応えのある本をエシエンに貸し、少しずつ交流を深めていく・・・てな流れです。 まず思うことは、この映画の穏やかさと絵的な美しさよ。 イタリアの中部に位置するチヴィテッラ・デル・トロント。ここの街並みはまさに息を呑むようなという言葉が当てはまるほど美しい。ストーリーの合間に現れる背景は穏やかさを感じ、観てて飽きない。また穏やかさはストーリー全般に広がっていて、変に盛り上がることなく過ぎていく。しかし水面下ではゆっくりと物語は動いていく。そしてじんわりと映画が身体に染みていくような感覚。この見せ方は自分的には大好物。イタリア映画でこのような手の作品はホント心地いい。惜しむらくはもう少し余韻に浸りたいと思わせる部分があったこと。ちと編集の面で残念な部分あり。 そしてもう一つこの映画を観終わってから思ったことは、 本は人生のサポーターなのかもしれないということ。 現れる珍客たちに対し、リベロは誰に対しても穏やかに相手と話し、様子を探って適切な本を勧めていきます。どのような内容でも気にしない。大事なのはその人に合った本を勧めることであるかのように。そしてエシエンには最初は漫画を、少しずつ読み応えのある本を勧めていきます。またエシエンに本の感想を聞き、本の教えを伝えていきます。リベロは、それが少年の糧になることを知っているかのように。 本というのは、ジャンルにもよりますが、行きつくところは道標のひとつになりうる。それをこの映画は伝えたかったのかなと、自分は思うんです。 しかし、この映画が強烈に伝えたかったことはもう一つあると思うんです。それは、なぜリベロは個性あふれる珍客たちにも穏やかに接したのか。ふれあいを大事にしたのか。それは少年に最後に渡した本にある。ラストを見た時、「あぁ、なるほどなぁ」と思いました。ラストの音楽はちと強すぎたのが残念やけども、これは大事。リベロの人柄の良さがあふれるシーンです。 この手の映画は大きく盛り上がらないし、人によっては退屈に思うかもしれません。しかし、こういうじんわりと染み入る感覚も悪くない。特にイタリアの映画にはこの手の作品は滋味な感じでホント良い。個人的には点数はどうあれ、オススメできる作品かと思います。
音読稲妻ボーイ
イタリアの田舎の村で古書店を営む老人と、店に出入りする客や友人の話。 店の前で本を見ていたアフリカ系移民の少年に声を掛け、マンガを無料で貸してあげたことが切っ掛けで交流していくエピソードを中心に、隣のカフェのチャラ従業員と奥様に頼まれた本を探す女性の恋愛話しや毎朝本を売りに来る男の金儲け話し、自分の著書を探す先生等々様々な人との交流をみせて行く。 誰一人悪人が出て来ないし、同じ様なことを繰り返して行くばかりだし、まるで某放送協会で放映していそうな外国のTVドラマの様な味気ないカメラワークやカット割りだったりとお堅いつくりだけど、優しく温かくなかなか面白かった。 ただ、チョロチョロとヘンな名前のおじさんは振ってはいたけれど、最後の本はそれまでそんな仕打ちを受ける様な場面がこれっぽっちもないのに急にぶっ込まれた様な感じだから白々しさも感じてしまった。
【エンディングが…好きじゃないやつ】
読後の感想を教えるのを条件に無償で売り物の本を貸してあげる老店主とどんどん読書に没入していく好奇心旺盛な少年との遣り取りは、風光明媚な丘陵地帯の絵面とカンツォーネも相まって『ニュー・シネマ・パラダイス』のアルフレードとトトの姿がふと浮かんだ。
”読書は人生を豊かにしてくれる“とサラッとしたメッセージで終われば本作そのものが一冊読み終えたような達成感だったものを、国際人権章典?だのUNICEF⁇だのプロパガンダ要素が出てきて俄かに興醒め、エンディングで★が1つ減ってしまった。
少年と古書店
石で覆われた店並み石畳
そこから見下ろす景色はすばらしい
隣はカフェでくつろぐ人たち
おしゃれな雰囲気が心地いい
少年がこれから
たくさんの本を読んで知識を得て
将来に繋げて欲しい
おじいさんの願い
古本屋さんの
日常を描いているので
劇的なことは何も起こらない
のんびりと日記を読んで
一日を終える
お客さんとの会話もどこか優しい
音楽が眠気を誘うかも~
うーん、邦題通りなおはなし。
文化庁推薦、的な。本を読むこと、語り合う事って大事と。とってもハートウォーミングで良い作品なんだけどせっかくなら町の美しい景色ももっと見たかった。最後も唐突すぎた。そしてリベロってそういう事なんだ、と。
ユニセフ協賛的な全て。真面目で好印象だが、真面目すぎてマイナス評価
コレ無料リーフの段階で 真面目な古本店主とアフリカ系統の少年と 本のやりとり 大人は危険思想も含めて、個性が様々 でも子供は純粋だから という性善説と、イタリアののどかな🇮🇹景色 メッセージは受け継がれる的な・・ ワシのガキの時は、ネットやファミコンなんて洒落たものもなく アニメ放送リアルタイムも限られてたから 本、ブック📕入ってて本当に憧れの貴重品 八重洲ブックセンター、神田の三省堂、古書街行った時は ホントワクワクした そんな童心思い出した。学校の図書室も馴染み。 ただ、古書店が舞台だからか、本がむき出しで装丁もへったくれもなく 干からびている【欧米の書物前全般そうだけど】 イイ映画ですよ。基本 ただ、世界人権宣言は正直鬱陶しかった。 のどかな、ほっこり作品。良い悪いは無い。平均点。 本、ブック📕は本当に憧れの貴重品・・です中盤ワープロミス 上映中何度か笑ってた人尊敬します。私はウトウトと😪・・
おとなと子どもが一緒に読みたい童話
古本屋さんに流れる時間は、とてもゆったりとしています。 新刊本やベストセラー、売れ筋の話題本などをところ狭しと並べた大手書店も好きですが(実際、毎週のように徘徊してます)、この独特の時間感覚だけは、真似ができません。 当たり前と言えば当たり前。一定の時間、一定の本好きに手に取られ、或いは思いもよらぬルートで時間をかけてそこに辿り着いてきたのですから。 その書物の生命力の源が、本自体の魅力であることもあれば、歴代の読み手と店主の偶然の巡り合わせのこともあるわけです。それらの出会いとたくさんの人の思いが、狭い古書店の中に時間とともに詰まっているのです。 『ピノッキオ』もエシエンの手に取られて、幸せだったと思います。 書物にとっての不幸といえば、ナチスの焚書が思い起こされますが、日本でも明治初期の廃仏毀釈運動では、相当数の教典などが、燃やされたのかもしれません(廃仏毀釈の時に失われた文化的な遺産がどれほどだったのか、教科書にはあまり具体的なことは書いて無かったと記憶してます)。 タリバンによるバーミヤンの破壊という野蛮な行為が、多くのひとに、思想、信条、宗教などに関わらず、おぞましさを伴う嫌悪感や怒りの気持ちを起こさせたのは、本質的に人間の精神の自由を踏み躙るものだったからだと思います。 何かを思い、何かを願い、何かを敬い、何かを捧げ、それらを形にすることで表した尊厳。 尊厳は決して侵されてはいけない。 美しい風景の中で、静かに淡々と語りかける尊厳についての童話。
全92件中、61~80件目を表示