「世界で一番大切な本」丘の上の本屋さん SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
世界で一番大切な本
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謳い文句の通り、美しい風景の中での心温まる作品だった。
主人公のリベロさんがいい。本好きで恐らく友達がいない移民の少年に次々と良書を選んで貸してやり、話し相手となって、本の読み方や生きていく上で大切なことを教えていく。その他の色々な客とのやり取りにもほっこりするし、第二次世界大戦後、貧しい南イタリアから豊かなアメリカへの移民が続いた時代の見知らぬ若い女性の日記をオルゴールをかけながら読んで行くのも良かった。さらに、隣のバルで働きながらちょいちょい顔を出すニコラはリベロさんの体調を気遣う優しい青年で、その恋を応援したり。
でもある日、次の日も営業するかのようにニコラにあいさつをして帰ったのに、書店には閉店の貼り紙TT。ニコラには何も言ってなかったけれども、検査結果を見てちゃんと段取りをしていたのが泣ける。そして、少年に残した手紙で、少年にあげた『世界人権宣言』が一番大事な本だと伝えたことにも感動した。凄惨な第二次世界大戦を経て人々が手にした権利。世界中の誰もー移民の少年もーが持っている権利。ちゃんと読んだ覚えがない私は読んでみようと思った。少年のように移民する必要のない国ばかりになれば良いのに。
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