劇場公開日 2023年3月1日

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「【今作は、ジョージア出身の、オタール・イオセリアーニ監督が、伝統文化を大切にしながら生きるバスク地方の羊飼い、農民たちに敬意を示し、彼らの姿を捉えたドキュメンタリー作品である。】」エウスカディ、1982年夏 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 【今作は、ジョージア出身の、オタール・イオセリアーニ監督が、伝統文化を大切にしながら生きるバスク地方の羊飼い、農民たちに敬意を示し、彼らの姿を捉えたドキュメンタリー作品である。】

2025年10月31日
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鑑賞方法:VOD

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ー 他のオタール・イオセリアーニ監督作品のレビューにも記したが、監督作品に嵌っている。
  今作は、「ジョージアの古い歌」と作品のトーンが似ている気がする。ノンテロップ・ノンナレーションの姿勢は貫かれているし、監督の視線はバスク地方に生きる民に注がれているからである。
  バスク地方の伝統的と思われる色彩豊かな民族衣装を身に付けながら、祭りで出し物をする民の姿。
  オタール・イオセリアーニ監督のドキュメンタリー作品が、ノンテロップ・ノンナレーションであるのは、今作もそうだが、人々の生活の音、牛の啼き声、乳しぼりの音、人々の会話、祭りの際の歌声で十分だろう?という監督の姿勢だと思う。
  今作は、タイトルに遭うように監督が、1982年の夏にバスク地方を訪れた際に、人々が伝統文化を大切にしながら生きる姿に感銘を受けたと、序盤に唯一、テロップで流れるが、40年経った今でもあまり変わっていないそうである。但し、観光地化は進んでいるようだが。
  あと、10数年、働いたら行きたい場所が又一つ増えてしまったなあ。ー

<今作は、オタール・イオセリアーニ監督が、伝統文化を大切にしながら生きるバスク地方の羊飼い、農民たちに敬意を示したドキュメンタリーである。>

■オタール・イオセリアーニ監督の「ジョージアの古い歌」「鋳鉄」と今作を観て、ふと思い出したのが、旅する民俗学者と言われた宮本常一氏の数々の著作である。
 ご存じのように、氏は日本中を自らの足で歩き、民の声を聞き、数々の著作を残して来た方であるからである。オタール・イオセリアーニ監督も、宮本常一氏も、私が入社以来叩き込まれて来た”現地現物で、自分の目で見る大切さ”を知る人であったと思うのである。

NOBU
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