アイスクリームフィーバーのレビュー・感想・評価
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意外に心情リアリティ深さがありましたが、演出の好みは‥
(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
※本来の長いレビューを書く時間が最近ないので、短く
映画を観ていてなんだか奇をてらったストップモーションやカメラワークの演出が鼻について、表面おしゃれで人間理解の浅いありがちな作品かな?と思っていたのですが、川上未映子さん原作の力か意外に心情リアリティに深さがあり面白く見ました。
特に高嶋優を演じた松本まりかさんの演技が素晴らしく、姪の高嶋美和役の南琴奈さんの自然な演技含めて、ドラマ性と映画性がある映画になっていたと思われます。
常田菜摘役の吉岡里帆さんや橋本佐保役のモトーラ世理奈さんの演技も相変わらず良かったです。
(新旧水曜日のカンパネラの詩羽さんとコムアイさんが同じ映画に出ているのも興味深かったです‥)
ただ姉の高嶋愛(安達祐実さん)と妹の高嶋優(松本まりかさん)とが彼氏を取り合った古川イズミ役が後藤淳平さんというのはちょっとミスキャストでは?とは思われました。
映画の最後のカットで中谷清也(マカロニえんぴつ・はっとりさん)がベランダの軒に姪の高嶋美和(南琴奈さん)が完成させた花の絵を剥がすのも、とにかく不快。
あれは、映画で描かれた女性の世界を理解できない男性を皮肉っているのか、それとも逆に男性側から女性の世界を皮肉っているのか、分かりませんが必要だったのですかね?
(原作にあるのであれば申し訳ないですが‥)
とにかく鼻につく演出含めて男性陣が総じてとにかく浅くて不快。
それをあえて描いたのであれば、もう少しまともな男性もいることも伝えた方がいいですよとは思われました。
内容は深さある面白さを感じながら、端々に自己主張してくる演出に私的嫌悪を感じる、個人的には近年なかなかない作品だなと思われました。
入り口のABCのオブジェがかっこよく見える人にはお洒落なんだろう
氷菓子
役者陣の振り分けが不思議な作品だなと思い鑑賞。監督はこれが初監督作品、良い方向に転がってくれるのか、それとも…。
はい、悪い方向に転がりました。相性の問題だとは思いますが、オシャレ一辺倒でどうにもむず痒かったです。画角だったり、止め方だったり、こだわりが強く感じられたのですが、商業作品でやる事ではないなと思いました。
ストーリーは時系列が少しズレているオムニバス的な作品で、美大を卒業したのちアイス屋で働く女性、1つの小説を書き上げて以降、書けずにいる女性作家、恋人を実の姉に奪われたOL、実の父親を探しにきたOLの姪たちの物語が交わったり交わらなかったりしながら進んでいきます。
アイス屋の女性と小説家の話、互いが夢をやり切れてない2人が出会い百合っぽい事やってたら、小説家は失踪し、アイス屋は店長任されたりという感じでポンポンポンと終わっていく事に疑問しかなかったです。小説家がアイスコーンを投げ捨てる演出、本物か偽物か知りませんが、食材を雑に扱った時点でこの映画はダメだなと思いました。このシーンが別に何かに活きたわけではないので、少しムキッとしました。
OLと姪の話、これ姪がとにかく振り回しまくっててイラッとしました。勝手に転がり込んだ挙句、父親探しの手伝いをさせますし、基本家でダラダラしてますし、届いた荷物を勝手に開けますし、それについて怒られたら半ギレしたりしますしで、好感度は地の底に落ちました。核兵器の話をし出したあたりで監督か原作者が憑依したんじゃないかぐらいベラベラ喋っていて相当キツかったです。
カメラワークのクセは気になるほどではありませんでしたが、ぶつ切りのようにシーンごとに映像を止めるのが気になって仕方がありませんでした。そのカットがかかるたびに画面への集中がプツンと切れてしまい、ショートムービーならそういうのもありだと思いますが、しっかり100分超えてる映画なので、そういうのはノイズだと誰か口止めしなかったのかなと思いました。
画角もスクリーンに映された時に一眼で分かる小ささで違和感が拭えなかったです。あとこれは劇場サイドの問題かもしれませんが、エキゾチックな音楽たちが爆音で耳障りでした。主題歌が流れるシーンは普通だったのに、劇伴だけ大暴れしていたのでそこも頭を抱えてしまいました。
詩羽さんが踊り出すシーン、もうこれは本当踊らせたかっただけだろと突っ込んでしまいました。踊る理由は訳分かりませんし、それがシーンに活きてきるわけでもないので、詩羽さん演技がとっても良かっただけにこのシーンが無駄にもっていかれたなと思いました。
全体的に女優さんたちの表情の喜怒哀楽が楽しめるので、その点では良かったかなと思います。特に松本まりかさんの色気と可愛らしさと悲哀に満ちた表情と、松本まりかさんのキャリアがドンと解き放たれていたなと思いました。
良いところもあるにはあって、背景の家具や服装のこだわりはとても感じられました。オシャレでしたし、役者陣もこの格好が似合うので、ここは見事に噛み合っていたなと思いました。あとアイスは食べたくなりました。シャレオツなお店のアイス1個分くらいの値段で買える業務スーパーの2Lアイスを食べました。
こだわりが全面的に出てきてしまうと独りよがりな作品が出来上がってしまうのが残念でした。監督も従来の映画の形とは違うものを作りたいという意識のもと作ったんだと思いますが、それをやるならフィールドはYouTubeやInstagramの方が形式的にはあってるのかなと思いました。こういう考えを無くしてどれもこれも映画と解釈できるようになれば良いんですが、長編PVにしか思えなかったです。数少ない今年のワースト候補です。
鑑賞日 7/17
鑑賞時間 11:35〜13:30
座席 C-7
幸せか幸せじゃないかじゃなくて、私か私じゃないか。
なんだかオシャレな出だし。若い女性向けの映画に間違えて来てしまった感。しかも、ストーリーもどこか、なにかのプロモーションビデオにも似た底の薄さを感じていた。
でも、まず役者陣の演技がたしか。特に松本まりかの抜群の良さ。飛びぬけて光ってた。そして、若手二人(南琴奈とモトーラ世里奈)の存在感。とはいえ、相変わらず吉岡里帆はあざとさを隠すことはできなかったけど。
と、だんだん見慣れていくうちに、終盤、この人たちはなんでつながっているのか?の疑問が解ける。知り合いだったとかいうチープな接点ではなくて、そこか!とくる。てことは、その次のそれで、またその次かって爽やかさの伴う気づきがある。そしてアイスクリーム屋の屋号の意味に、ちょっとニヤける。下手なラブストーリーじゃないとこに。「あんた貰う。一生、大事にする。」ってそういう関係にだって成立するんだなって。迷ってる30代女子あたりに強く刺さりそうな映画。
これが映画じゃなかったら、何が映画なのだろうか?
冒頭、「これは映画ではない」とクギを刺されるため、もしかしたら、前衛的で実験的な映像や、文学的で哲学的な台詞が延々と続くのではないかと身構えた。
確かに、角を丸めた正方形に近い画面は独特だし、映像の作り込みや音楽の使い方にも、随分「攻めている」と感じられるところが多い。
主役でない登場人物のモノローグが突然始まったり、「言語化できないということは、その魅力を独り占めできるということ」とか「幸せか幸せじゃないかではなく、自分か自分じゃないか」といった小説のような台詞もある。
しかしながら、これが「映画ではない」かというと、「紛れもない映画である」としか言いようがない。
何よりも、2組の女性たちの物語を交互に描きながら、その過去や背景を徐々に明らかにしていく脚本がよくできているし、彼女たちが、悩み、迷いながらも、自分の居場所を見つけ出していく物語自体も、しっかりと映画として成立していると思う。
主要な4人の女性の誰もが魅力的に感じられる映像は、まさに、映画そのものだし、ベランダのサッシの上の花びらの模様と、富士山麓の町を走るバスの窓越しのショットによって、2つの物語の時間軸が明らかになるくだりからは、映画的な驚きと面白さを味わうことができるのである。
終わってみれば、若干クセは強いものの「良い映画を観た」という心地よい後味を感じることができた。
ところで、松本まりかが演じる主人公の1人が、姪とフルーツパフェを食べている時に喫茶店に入ってきた男性は、姪の父親(主人公が姉に奪われた昔の彼氏)ということで合っているだろうか?(それにしては、少し若すぎるような気もするのだが・・・)
「言葉にできないモノは共有されない」って、ヴィトゲンシュタインかよ?
メッチャお洒落な感じで最後に本作が表したかった事が解る邦画。 本年度ベスト!
本作が何を言いたいのか解らないまま鑑賞。
最後に本作の軸となるアイスクリームショップ。
SHIBUYA MILLION ICE CREAMのお店の名前の意味を知り腑に落ちた感じ。
言われてみればのナルホド感が良かった。
吉岡里帆さん演じるアイスクリームショップの店員、常田。
銭湯に癒しを求める松本まりかさん演じる髙嶋。
この二人を中心に進むオムニバス的な感じのストーリー。
店長の常田のお店のお客役のモトーラ世理奈さん。
髙嶋の姪役の南琴奈さん。
この二人がキーポイントになってる感じ。
出だしからよく解らない展開(笑)
映像や音楽、登場人物のヘアスタイルや小物などお洒落な感じを前面に押し出した感じで進む展開。
それだけの映画なのかと思うほどの感じで不安になる(笑)
常田と髙嶋の2人のストーリーも関連性が無かったけど後半で2つのストーリーが繋がるナルホド感が良かった。
アパートのベランダ天井の落書き?が受け継がれて行く感じが印象的。
予想外な収穫は髙嶋の姪っ子役の南琴奈さん。今後に注目したくなる。
手持ちカメラが多目でスクリーンのブレブレ感はあるけど、ブレながらベストな構図にピタッと持って行く感じにカメラマンの力量を感じる(笑)
松本まりか&安達祐実さんのヘアスタイルが特に美しい。
色んな愛が詰まってた感じでもう一度観た方が満足度は高くなるかも。
アイスクリームのコーンを毎回なげ捨てるならカップで注文した方が良くね( ´∀`)
ずっと続く素敵な予告編のような映像に楽しめる
アイスが先か、冷蔵庫が先か
コミカルなシーンに浮遊感のあるBGMを合わせたり、お洒落な画面にリアルな芝居が載ったり。
独特なバランスの作品だった。
正直、そのへんが成功してるかというと難しいところ。
興味深いところもあれば、アートっぽい演出が鼻についたりもしました。
一番好きなのが優と美和が間違い電話で笑い合うシーンだったので、ストレートに撮った方が、とも思いましたが…
しかし反面、他が捻ってたからあそこが活きたとも思え…う〜ん。
演技は全体的に素晴らしく、水曜日のカンパネラ新旧ヴォーカルも問題なし。
(コムアイがあまりに普通で逆に違和感。笑)
吉岡里帆の表情芝居もよかったが、個人的MVPは松本まりか。
毎度ながら、ともすれば甘ったるくなりそうな独特の声も踏まえたバランス取りは見事。
姉との過去や、姪との関係性を自然に見せるのは凄い。
「言語化できないということは、誰にも共有されないということで、つまり自分だけのもの」という考えは印象的。
また、ありきたりながら後半にちょっとした仕掛けがあるのも良い。
女性ばかりの画面で、モブに至るまで美人揃いで目の保養にもなりました。
(優たちとニアミスした古川の手前に映ってたショートボブの方、最高)
主要人物はすべて女性。女性の人間関係
映像の縦横の比率が正方形で、映画館の幕の比率を全部使っていなかったが、敢えてこの正方形で上映することにしているのかなと思えたし、映像も部屋の間取りやアイスクリーム屋さんとか、わりとデザイナーっぽい垢抜けた感じだったので、おしゃれな空間でした。
主要な登場人物はすべて女性。アイスクリーム屋のバイトの主人公・奈摘、その後輩、さらに店長も女性。お店にやってくるお客で後に菜摘と友だちになる小説家も女性。菜摘の人間関係と同時に展開する群像劇のもう一方の展開は、姉・愛と妹・優。姉の子どもの高校生は女子高生。さらに、妹・優の行きつけの銭湯屋さんの主人も女性。
女性同士の関係性、群像劇はみていて繊細、共感力あって、人間関係に大切なものは、共感力、小さなことにも気づいて言語化する能力、そういったものが大切なんだと思えた。男性もそんな女性の関係の持ち方って見習うべきかなと思えた。人間関係で面倒だなって思えるけど共感できるときって、シアワセな気持ちになれるから、孤独でいるよりはたのしいことが多いのかもって思える。
特に、優が別れた男、姉の旦那でもある男に、姪の女子高生と一緒にスマフォのスピーカーONにして、思い切って電話をかけるシーンはドキドキでしたね。
カメラワークは、ドキュメンタルタッチを出そうとしたのか、手持ちや首振りが多くて、ピントが抜けたり合ったり、フレームが揺れたりするので、酔う感じもするし、固定カメラでもよかったのではとは思うけれど、そこは監督の創造を尊重します。
主演女優が魅力的に映れば、それは良い映画。
主演女優が魅力的に映れば、それは良い映画。
たしか「映画大好きポンポさん」でのセリフだったと思います。まさにそういう映画です。
前主演作「ハケンアニメ」が好演だった吉岡里帆と、少女邂逅のモトーラ世里奈の二人がとても魅力的です。吉岡里帆は色白で地味系の美人が持ち味ですが、今回はモトーラ世里奈に翻弄される役どころで、いちいち可愛いです。
一方で、モトーラ世里奈は、しばらく見ないうちに、すっかりお姉さんなっていますね。実年齢は吉岡の方がだいぶ上ですが、大人っぽいです。でも笑うと愛嬌のある笑顔が魅力的。
吉岡里帆は幅広い年齢層を演じられる、これからが旬な女優さんですね。モトーラ世里奈は、とにかく雰囲気や存在感が抜群。役に幅は無いけど、天性の女優だと思うけどな〜。
と、役者はベタ褒めですが、作品はとしては、、、。色使いとかカット割で、オサレ感を出そうしているのは分かります。が、なんというか「カッコダサい」とでも言うのか。アニメ的に言えば「カウボーイ・ビーバップ」的な感じ。
川上未映子さんの原作は面白いのだと思います。2つの短編を繋ぐところが、若干トリッキーでしたが、あまり効果が出ていなかった気もしますね。
綺麗な映画
曲のテンポがナイス
個人的に掘り出し物の映画
映画を見た後はアイスクリームを食べて帰った
松本まりかさんが舞台挨拶で言っていた「多様性」に関する言葉が気になり、なんとなく映画館まで見に行ってしまった。公開の時期にジブリという競合がいたので、席がぽつぽつ空いていたけれど、今の自分には必要な気がしたので、この映画を選んでよかったと思った。切ないけれど、幸不幸関係なく、とにかく前へ歩いていけそうな気持ちになった。原作も読んでみたいです。
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