親のお金は誰のもの 法定相続人のレビュー・感想・評価
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許しについて考える素敵な映画でした!
映画を見るまで、まさか三浦翔平が悪い弁護士キャラ設定とは思いもせず、いい意味での裏切りからのスタート!
テンポ良い流れと、美しい景色、小手伸也はじめいい味を出してくれる俳優陣の演技に時間があっという間に過ぎました。笑いあり、感動あり、最後には涙も流して心が洗われました。
6億の真珠をめぐるドタバタ劇の中で、比嘉愛美が母の生き方を認め自身の人生を歩むことを決意する部分が本筋だったと思いますが、三浦翔平もまた母を許したであろうと思われる描写があり、そこに一番感動しました。みんな何か自分の中の大切なものを押し殺して生きてるよなーと。けれどそれは偽りの姿だったりすることに、はたと気付く。
誰かを恨むこと、憎むことは簡単ですが、それを「許す」ことはとても難しいです。特に距離が近ければ近いほど、、、田中監督がおっしゃられてた、愛と許しが至る所に散りばめられており、自分自身を省みる貴重な時間となりました。
【“貴女に見せたいものがある。と母の葉書に記されていた言葉。”法定相続人制度の問題を軸にしながら、前半は滑り気味のコミカルテイストで、後半はシリアステイストで家族の絆を描いた作品。】
■個人的な意見であるが、映画はそのフライヤーの作りで面白さが(面白くなさ)が分かる場合があると思っている。
今作は、デビ夫人が出て来た辺りで、”ウーム”となり、前半は滑るギャグの荒波を乗り越えて、後半に至った作品である。
故に隔靴掻痒感が前半は半端なかった作品である。
最初から、脚本をちゃんと作ってよ!!
◆感想
・2000年に発足した”成年後見人制度”を”軸にした点は良い。
ー ご存じの通り”成年後見人制度”は高年齢化社会を見据え、”禁治産制度”を改訂したものである。
但し、子供が成年後見人に必ずなる訳でなく、家庭裁判所が適任者を決める。
それが今作の弁護士、城島(三浦翔平)のように金儲けの為に成年後見人になった場合、家族は親の資産を受け取れない。
という事が、高年齢化が進む現代、この映画を観ればある程度分かるのである。-
・前半のストーリー展開はやや粗い。ギャグも寒い。但し、城島が何故に金に拘る男になったかはきちんと描かれている。
それにしても、長女、次女とも法律に疎すぎる・・。
・城島や、大亀仙太郎(三浦友和)の長女(松岡伊都美)、次女(山崎静代:頑張っていたが・・。)は6億円の価値がある大粒ダイヤを、”認知症になった”仙太郎の居ない家で家探しする姿。
ー コミカルに描いているが、金の亡者である。ー
・亡き母親(石野真子)の連れ後だった、三女(比嘉愛未)が久しぶりに東京から戻って来るが、長女、次女との関係は悪い。
ー そして、彼女だけが城島が金の亡者になった理由を聞いてしまっていて、城島に対する見方が長女、次女とは違うのである。ー
・長女、次女が家探ししていた時に見つけた昔の3人そろっての家族写真。
■更に、仙太郎が”認知症になった”振りをして、医者に入院していた際に、城島に対し一喝した言葉。”俺は、認知症ではない!。俺の娘達に手を出すな!”
随所で描かれる亡き母親と仙太郎が共同作業でアコヤ貝に、核入れする阿吽の呼吸での作業風景。
三浦友和が演じる頑固な真珠職人の姿が、この作品を引き締めている。
<亡き母は、病床から東京で頑張る三女に対し、夫婦で作り上げた大粒ダイヤを見せたくて葉書を書いたのだろう。
この映画は、ストーリー展開が粗いが、夫婦の絆、家族の絆を三重県伊勢志摩湾の美しき風景を背景に描いた作品なのである。>
舞台挨拶がとても豪華
映画コムで物色していたらたまたま舞台挨拶の回でとれて、比嘉さんと三浦友和さんと石野真子さんを見ることができ、眼福でした。映画は成年後見人のトピックがドラマにうまくはまっていなくて、もう少し説明コーナーないとさっぱりわからないのではと思いました。自分はそういうのを扱う経験もあったので多少わかりましたが。ともかく舞台挨拶で十分満足しましたが。
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