「見るに耐えない」シティーハンター こーへーさんの映画レビュー(感想・評価)
見るに耐えない
評価が高かったので、友人と視聴しましたがこれは酷いです。
主人公の冴羽獠は、シリアスとギャグの使い分けが上手く、アクションシーンもかっこよかったです。
ですが、脚本と他の登場人物が残念でした。
先ず、一番酷かったのが槇村香です。原作では、善良で芯の強い女でしたが、今作では姫ポジイキリ女でした。「守るから!」なんて言いながら、全部獠任せです。猪突猛進で、やることなすこと裏目に出ますし、台無しにします。香が「私のせいだよね…」と言い出すシーンには、思わず「そうだよ!」と突っ込んでしまいました。相棒として背中を預けたり、支え合ったりするのではなく、獠におんぶに抱っこのねんねちゃんでした。
冴子は、色気ムンムンでクールに見えながら警察としての誇りもある女ですが、今作では無能な警察集団に居る知り合い程度です。警察が無能過ぎでしたね。
脚本ですが、槇村秀幸が死ぬシーンから入ったのでテンポが悪く感じました。恐らく、冴羽獠と槇村秀幸が良い相棒として仕事をしていたというシーンを入れることで、相棒を殺された冴羽獠の怒りや憎しみを表現したかったんでしょうが。無くても支障無かったと思われます。血塗れの槇村秀幸を無言で抱きしめるカットを入れれば十分だったのでは?
槇村秀幸が亡くなったシーンからはじめたので、槇村香と冴羽獠の距離が縮んでいない状態からのスタートになります。故に、槇村香がなんの見返りもなしに冴羽獠に「お前のせいで兄貴が死んだんだから責任取れよ!」くらいのウザイ奴になりました。槇村香と冴羽獠の距離が縮んでいる状態からのスタートの方が、槇村香がウザくてイタいキャラにならなかったのではと思います。
今作オリジナルキャラの家出少女も魅力を一切感じませんでした。そもそも、どういう人間なのか、何故家出をしたのかも殆どありません。物語を動かす為の舞台装置です。コスプレイベントも襲撃されるための出来事でしかありません。折角見つけた友達は狂ってるし、目の前で殺されたのに特に何も無し。普通は、発狂しませんかね。
あと、申し訳程度のユニオンテオーぺとエンジェルダスト要素。ユニオンテオーぺが、小物臭酷かったです。首に爆弾仕込まれて、用済みならズドンッ!どういう組織で、なんのために危ない橋を渡ってまで薬を開発していたのかも特に無し。「取り敢えずやべー組織感を出しとこ」みたいな印象でした。
最後にGet Wild流しとけばいいよねみたいなのやめてほしいですね。
フランス版のシティーハンターと比べるのもおこがましいレベルでした。リスペクトを欠片も感じません。脚本担当は、本当に原作読んだんでしょうか。友人が居なければ消したいくらい、最後まで見るのも辛かったです。