「コレ!」シティーハンター U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
コレ!
良い…。
派手なオープニングアクトからグッと作品世界に惹き込まれる。
冴羽リョウが…生きてる!
もう台詞の言い回しから、アクションの体捌きから、その飄々としたキャラから緩急のある表情まで…見事だった。この作品を見て冴羽リョウってスーパーヒーローなんだなぁと改めて思う。
エンジェルダストに連なる原作を読んではいないのだけど、中々に風呂敷は大きく続編を期待したい。
日本映画の特色として…どうしても画面が明るく感じてしまい、それが作品に重厚感やリアリズムを付与する妨げになってるような気がしてならない。
今作もそうで…画面が明るく見やすい分、どこかチープに見えてしまう。残念でならない。
裏社会に生きてるからこその影を落とし込めたら、雰囲気が爆上がりだろうに…。
ともあれ、優秀な原作に改めて想いを馳せる1作になった。主演の鈴木氏は激ハマりで…彼が演じる役には不思議な事に嘘を感じる事が少なく、今回の冴羽にしても、牧村が死んでいくところ、ほぼ見つめてるだけなのだけど、悲しさと虚しさがバンバン伝わってくる。心の内では泣き叫んでんだと思った。素晴らしい役者さんだと思う。
思い出されるのが仏版シティハンターなのだけども…いや、コレだよっコレ!シティハンターってコレなんだよって!声を大にして言いたい。
物語の緩急っていうか、予兆もなく急激にシリアスになったりするリズムの付け方が心地よかった。
クラブで人の間隙を縫って放たれる弾道の表現とか…震えが来るし、アイドルを踊りながら守るとこなんて、カッコ悪いのにカッコいい!
冴羽リョウの真骨頂が詰まってた。
ところでネットニュースで海坊主の事がピックアップされてたのだけれど…見当たらなかったように思う。
すでに次回作の話なんだろうか?
あ、冴子さんやった木村さんもアクセントになってて良かったなぁー。
キャッツアイとの共演とか、ファンとしては期待したいところである。
◾️追記
冴羽リョウの造詣について、台詞の言い回しって事を書いていてフと思う。
漫画なので音があるわけでもなく、この声の部分はアニメ版の印象が強いのだ、と。それならば名優・神谷明氏の存在なくしては、この作品は生まれなかったのかもしれないと思う。
既存のイメージを払拭するのは容易い事ではないのだけれど、神谷氏がアニメ版でした冴羽リョウへのアプローチも、本作の鈴木氏同様、劇ハマりだったんだなぁと思われる。