「チャンピオンまつりを、アメリカが作った。」ゴジラ×コング 新たなる帝国 60代の男ですさんの映画レビュー(感想・評価)
チャンピオンまつりを、アメリカが作った。
ゴジラの登場シーンは少なめで、コングが単独で主演。
ゴジラが暴れるたびに、その現場となる都市は、多くの死者が出ていないわけがないほどグチャグチャにされるのに、みんな人類の味方だと信じて疑わないし、なんの対策も考えていない。
怪獣が、考え方や体の動きまで人間そのままで、そこが僕は嫌いだ。
ゴジラが画面のこちら側に向かって走り出すシーンでの腕の振り方など、完全に人間。
本作は前作まで以上に、驚くほど、かつての怪獣プロレスと言われた時代の東宝ゴジラの感覚だ。
あのころ、ゴジラが人間の味方になったときからゴジラ映画は面白くなくなったと、いろんな人から、さんざん、さんざん、さんざん言われていた。
80年代にはそれを反省し、ゴジラを恐ろしい怪獣に戻して出直したのに、アメリカ製でまた同じことを繰り返してる。
でも退屈なドラマシーンは少なめだし、アクション中心になっているところは良かった。
でも、ゴジラとコングが共闘するというので、いったい敵にどんな怪獣が用意されているのかと期待していたのに、ただのオランウータンだったのにはガッカリだ。
ペットのような新怪獣である冷凍怪獣も、デザインに魅力がない。
モスラのデザインも大嫌いだ。体が人間の体型になっている蛾なんて気持ち悪いよ。顔も悪人顔だし。
監督が、東宝怪獣映画にぜんぜん興味がない人なのでは?
怪獣デザインが、オリジナルとかけ離れたものになりがちなのは、そういうことでは?
前作のメカゴジラみたいなものを出すくらいなら、まあオランウータンのほうがマシではあるが、日本のセンスに近いデザインの怪獣を出してほしい。
ともかく楽しくは観れるので、シリーズを作り続けては欲しいのだが、これは今一つ。
僕は前作のゴジラVSコングが好きなので、本作は不満点が多い分、だいぶ落ちる印象。